刑法238条 事後強盗

第238条 窃盗が、財物を得てこれを取り返されることを防ぎ、逮捕を免れ、又は罪跡を隠滅するために、暴行又は脅迫をしたときは、強盗として論ずる。


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cf. 最判昭16・12・10(平成16(あ)92 住居侵入,事後強盗,銃砲刀剣類所持等取締法違反被告事件) 全文

判示事項
 窃盗の犯人による事後の脅迫が窃盗の機会の継続中に行われたとはいえないとされた事例

裁判要旨
 被害者方で財物を窃取した犯人が,だれからも発見,追跡されることなく,いったん同所から約1km離れた場所まで移動し,窃取の約30分後に再度窃盗をする目的で被害者方に戻った際に逮捕を免れるため家人を脅迫したなど判示の事実関係の下においては,その脅迫は,窃盗の機会の継続中に行われたものとはいえない。

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事後強盗罪の未遂既遂は、財物奪取についての未遂既遂によって定まる

cf. 最判昭24・7・9(昭和24(れ)121 準強盗、窃盗) 全文

判示事項
 窃盜未遂犯人による準強盜行爲を準強盜の既遂をもつて問擬した擬律錯誤の違法と刑法第二四三條

裁判要旨
 原判示二の事實につき、原判決の確定したるところは、窃盜は未遂(障碍未遂)に終つたものであること明らかである。しからば、窃盜未遂犯人による準強盜行爲の場合は、準強盜の未遂を以つて問擬すべきものであることは當然であるにかかわらず、原審はその擬律において刑法第二三八條同第二三六條を適用し、以つて準強盜の既遂をもつて問擬したのは違法である、けだし窃盜未遂犯人による準強盜は、財物を得なかつた點において、恰かも強盜の未遂と同一の犯罪態様を有するに過ぎないものである。しからば、強盜未遂の場合には刑法第二四三條の適用があるにかかわらず、これと同一態様の窃盜未遂の準強盜を強盜の既遂をもつて論ずるときは、右刑法第二四三條の適用は排除せられることとなり彼此極めて不合理の結果を生ずるに至るからである。したがつて、論旨は正に理由あり、原判決はこの點において破毀を免がれない。

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cf. 最決昭54・11・19(昭和53(あ)643 強盗予備) 全文

判示事項
 刑法二三八条の準強盗を目的とする場合と同法二三七条にいう「強盗ノ目的」

裁判要旨
 刑法二三七条にいう「強盗ノ目的」には同法二三八条の準強盗を目的とする場合を含む。

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窃盗犯人が所定の目的を持って暴行・脅迫を行なった以上適用があり、被害者が財物取返えそうとし又は逮捕しようとする行為をしたか否かは問わない

cf. 最判昭22・11・29(昭和22(れ)107 準強盗、窃盗、銃砲等所持禁止令違反) 全文

判示事項
 一 被告人の公判廷における自白と憲法第三八條第三項及び刑訴應急措置法第一〇條第三項にいわゆる「本人の自白」
 二 刑法第二三八條の法意

裁判要旨
 一 日本國憲法の施行に伴う刑事訴訟法の應急的措置に関する法律第一〇條第三項の規定は公判廷外の自白が被告人の不利益な唯一の證拠である場合にこれにより有罪とされ又は刑罰を科せられないという趣旨であつて公判廷の自白を包含しないと解すべきである。
 二 刑法第二三八條の規定は窃盜が財物の取還を拒ぎ又は逮捕を免かれ若しくは罪跡を湮滅する爲暴行又は脅迫を加へた以上被害者において財産を取還せんとし又は加害者を逮捕せんとする行爲を爲したと否とに拘はらず強盜を以つて論ずる趣旨であると解するのが妥當である。