第33条 家事事件の手続は、公開しない。ただし、裁判所は、相当と認める者の傍聴を許すことができる。
家事事件手続法257条 調停前置主義
第257条 第二百四十四条の規定により調停を行うことができる事件について訴えを提起しようとする者は、まず家庭裁判所に家事調停の申立てをしなければならない。
2 前項の事件について家事調停の申立てをすることなく訴えを提起した場合には、裁判所は、職権で、事件を家事調停に付さなければならない。ただし、裁判所が事件を調停に付することが相当でないと認めるときは、この限りでない。
3 裁判所は、前項の規定により事件を調停に付する場合においては、事件を管轄権を有する家庭裁判所に処理させなければならない。ただし、家事調停事件を処理するために特に必要があると認めるときは、事件を管轄権を有する家庭裁判所以外の家庭裁判所に処理させることができる。
家事事件手続法106条 審判前の保全処分の申立て等
家事事件手続法105条 審判前の保全処分
第105条 本案の家事審判事件(家事審判事件に係る事項について家事調停の申立てがあった場合にあっては、その家事調停事件)が係属する家庭裁判所は、この法律の定めるところにより、仮差押え、仮処分、財産の管理者の選任その他の必要な保全処分を命ずる審判をすることができる。
2 本案の家事審判事件が高等裁判所に係属する場合には、その高等裁判所が、前項の審判に代わる裁判をする。
家事事件手続法197条 遺産の分割の禁止の審判の取消し及び変更
第197条 家庭裁判所は、事情の変更があるときは、相続人の申立てにより、いつでも、遺産の分割の禁止の審判を取り消し、又は変更する審判をすることができる。この申立てに係る審判事件は、別表第二に掲げる事項についての審判事件とみなす。
家事事件手続法31条 手続費用に関する民事訴訟法の準用等
第31条 民事訴訟法第六十九条から第七十四条までの規定(裁判所書記官の処分に対する異議の申立てについての決定に対する即時抗告に関する部分を除く。)は、手続費用の負担について準用する。この場合において、同法第七十二条中「当事者が裁判所において和解をした場合」とあるのは「調停が成立した場合」と、「和解の費用又は訴訟費用」とあるのは「家事事件手続法(平成二十三年法律第五十二号)第二十九条第三項の調停費用又は同条第四項の訴訟費用」と、同法第七十三条第一項中「裁判及び和解」とあるのは「裁判及び調停の成立」と、「補助参加の申出の取下げ又は補助参加についての異議の取下げ」とあるのは「家事事件手続法第四十一条第一項若しくは第四十二条第一項の規定による参加の申出の取下げ又は同条第二項の規定による参加の許可の申立ての取下げ」と、同条第二項中「第六十一条から第六十六条まで及び」とあるのは「家事事件手続法第三十一条第一項において準用する」と読み替えるものとする。
2 前項において準用する民事訴訟法第六十九条第三項の規定による即時抗告並びに同法第七十一条第四項(前項において準用する同法第七十二条後段において準用する場合を含む。)、第七十三条第二項及び第七十四条第二項の異議の申立てについての裁判に対する即時抗告は、執行停止の効力を有する。
家事事件手続法28条 手続費用の負担
第28条 手続費用(家事審判に関する手続の費用(以下「審判費用」という。)及び家事調停に関する手続の費用(以下「調停費用」という。)をいう。以下同じ。)は、各自の負担とする。
2 裁判所は、事情により、前項の規定によれば当事者及び利害関係参加人(第四十二条第七項に規定する利害関係参加人をいう。第一号において同じ。)がそれぞれ負担すべき手続費用の全部又は一部を、その負担すべき者以外の者であって次に掲げるものに負担させることができる。
一 当事者又は利害関係参加人
二 前号に掲げる者以外の審判を受ける者となるべき者
三 前号に掲げる者に準ずる者であって、その裁判により直接に利益を受けるもの
3 前二項の規定によれば検察官が負担すべき手続費用は、国庫の負担とする。
家事事件手続法29条 手続費用の負担の裁判等
第29条 裁判所は、事件を完結する裁判において、職権で、その審級における審判費用(調停手続を経ている場合にあっては、調停費用を含む。)の全部について、その負担の裁判をしなければならない。ただし、事情により、事件の一部又は中間の争いに関する裁判において、その費用についての負担の裁判をすることができる。
2 上級の裁判所が本案の裁判を変更する場合には、手続の総費用(調停手続を経ている場合にあっては、調停費用を含む。)について、その負担の裁判をしなければならない。事件の差戻し又は移送を受けた裁判所がその事件を完結する裁判をする場合も、同様とする。
3 調停が成立した場合において、調停費用(審判手続を経ている場合にあっては、審判費用を含む。)の負担について特別の定めをしなかったときは、その費用は、各自が負担する。
4 第二百四十四条の規定により調停を行うことができる事件についての訴訟が係属する裁判所が第二百五十七条第二項又は第二百七十四条第一項の規定により事件を調停に付した場合において、調停が成立し、その訴訟についての訴訟費用の負担について特別の定めをしなかったときは、その費用は、各自が負担する。
家事事件手続法264条 家事調停委員の専門的意見の聴取
第264条 調停委員会は、必要があると認めるときは、当該調停委員会を組織していない家事調停委員の専門的な知識経験に基づく意見を聴取することができる。
2 前項の規定により意見を聴取する家事調停委員は、家庭裁判所が指定する。
3 前項の規定による指定を受けた家事調停委員は、調停委員会に出席して意見を述べるものとする。
家事事件手続法248条 調停委員会
第248条 調停委員会は、裁判官一人及び家事調停委員二人以上で組織する。
2 調停委員会を組織する家事調停委員は、家庭裁判所が各事件について指定する。
3 調停委員会の決議は、過半数の意見による。可否同数の場合には、裁判官の決するところによる。
4 調停委員会の評議は、秘密とする。