第235条 他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、十年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
cf.
刑法235条 窃盗
判示事項
窃盗の着手があつたものと認められた事例。
裁判要旨
犯人が被害者方店舗内において所携の懐中電燈により真暗な店内を照らし、電気器具類の積んであることが判つたが、なるべく金を盗りたいので店内煙草売場の方に行きかけた、との事実があれば、窃盗の着手行為があつたものと認めるのが相当である。
判示事項
窃盗の実行に着手したと認められる一事例
裁判要旨
ズボンの尻ポケツトから現金をすり取ろうとして手を差しのべその外側に触れた以上窃盗の実行に着手したものである。
判示事項
窃盗の実行に着手したと認められる事例。
裁判要旨
電柱に架設中の電話線を切断しようとした以上、窃盗の実行に着手したものである。
判示事項
窃盜既遂の時期
裁判要旨
凡そ不法に領得する意思を以つて、事實上他の支配内に存する物體を自己の支配内に移したときは、茲に窃盜罪は既遂の域に達するものであつて、必らずしも犯人が之を自由に處分し得べき安全なる位置にまで置くことを必要とするものではない。
判示事項
是非弁別能力を有する刑事未成年者を利用して窃盗を行つた者につき窃盗の間接正犯が成立するとされた事例
裁判要旨
自己の日頃の言動に畏怖し意思を抑圧されている一二歳の養女を利用して窃盗を行つたと認められる判示の事実関係のもとにおいては、たとえ同女が是非善悪の判断能力を有する者であつたとしても、右利用者につき窃盗の間接正犯が成立する。
間接正犯が成立するとしています。
cf. 最決昭31・7・3(昭和29(あ)1774 窃盗) 全文判示事項
他人の所有管理にかかる物件を不法領得の意思をもつて、恰も自己の所有物の如く装い第三者に売却搬出せしめた所為と窃盗罪の成否
裁判要旨
他人の所有管理にかかる物件につき、管理処分権なき者が、不法領得の意思をもつて恰も自己の所有物の如く装いこれを善意の第三者に売却搬出せしめた所為は、窃盗罪を構成する。
判示事項
人を殺害した後被害者が身につけていた財物を奪取した行為が窃盗罪にあたるとされた事例
裁判要旨
野外において人を殺害した後、領得の意思を生じ、右犯行直後その現場で、被害者が身につけていた腕時計を奪取する行為は、窃盗罪を構成する。
窃取にかかるキャッシュカードを使用し、現金自動預払機等から現金を窃取するために預貯金の残高照会をした行為につき、窃盗罪及び窃盗未遂罪が成立し、これらを併合罪とする。
cf. 名古屋高裁平13・9・17(平成13(う)164 窃盗未遂,窃盗被告) 全文判示事項
二時間餘の短時間内に同一場所で同一機會を利用して爲した窃盜に對し併合罪を問擬した判決の擬律錯誤の違法
裁判要旨
原審の確定した事實によると被告人は長男Aと共謀の上昭和二二年一二月一四日午後一〇時頃から翌一五日午前零時頃までの間三回にわたつて栃木懸鹽谷郡a村大字b字c所在B農業會b(第d號)倉庫で同農業會倉庫係C保管の水粳玄米四斗入三俵づつ合計九俵を窃取したものであるというのであつて原審は右事實を併合罪として處斷しているのである。ところが右三回にわたる窃盜行爲は僅か二時間餘の短時間のうちに同一場所で爲されたもので同一機會を利用したものであることは舉示の證據からも窺はれるのであり、且ついずれも米俵の窃取という全く同種の動作であるから單一の犯意の發現たる一連の動作であると認めるのが、相當であつて、原判決舉示の證據によるもそれが別個獨立の犯意に出でたものであると認むべき別段の事由を發見することはできないのである。然らば右のような事實關係においてはこれを一罪と認定するのが相當であつて獨立した三個の犯罪と認定すべきではない。それ故原審が證據上別段の事由の認められないに拘わらず右三回の窃取行爲を獨立した三個の犯罪行爲と認定したことは實驗則に反して事實を認定した違法があると云わなければならない。
判示事項
自動車金融により所有権を取得した貸主による自動車の引揚行為と窃盗罪の成否
裁判要旨
買戻約款付自動車売買契約により自動車金融をしていた貸主が、借主の買戻権喪失により自動車の所有権を取得した後、借主の事実上の支配内にある自動車を承諾なしに引き揚げた行為は、刑法二四二条にいう他人の占有に属する物を窃取したものとして窃盗罪を構成する。
木材の流失を防ぐために電線を勝手に切断し、これを用いて木材を繋ぎ止めた事案において不法領得の意思を認めており、利用・処分意思は必ずしも経済的用法や、本来の用法に従うものである必要はないことを明らかにした。
cf. 最決昭35・9・9(昭和32(あ)1135 窃盗) 全文判示事項
窃盗罪の成立する事例
裁判要旨
河川の流れに入り、大水で漂流中の木材一本(トガの木、直径三尺、長さ二間)を拾得して河岸に引揚げた上、その流失を防ぐため、附近の柱に巻きつけてあつた他人所有の電線三本長さ二一メートル(同所からの揚水用モーターに送電するためのもので、当時は大水に備え一時支柱から外し、本柱にまきつけてあつた。)中の約一二メートル(時価約金一、二〇〇円相当)を勝手に切断し、これを用いて前記木材を繋留した場合には、右電線を不法に領得する意思がなかつたものとはいえず、同電線窃盗の罪が成立するものと解するのが相当である。
判示事項
一 窃盗罪の成立に必要な不正領得の意思
二 窃盗犯人に不正領得の意思が認められる一事例
三 強盗傷人と窃盗の二罪を構成する例
裁判要旨
一 そもそも、刑法上窃盗罪の成立に必要な不法領得の意思とは、権利者を排除し他人の物を自己の所有物と同様にその経済的用法に従いこれを利用し又は処分する意思をいうのであつて、永久的にその物の経済的利益を保持する意思であることを必要としないのであるから、被告人等が対岸に該船を乗り捨てる意思で前記肥料船に対するAの所持を奪つた以上、一時的にも該船の権利を排除し終局的に自ら該船に対する完全な支配を取得して所有者と同様の実を挙げる意思即ち右にいわゆる不正領得の意思がなかつたという訳にはゆかない。
二 被告人等が本件強盗傷人の罪を犯す当時には未だ本件窃盗を犯す意思は全然なく、右強盗傷人が既遂となり逃走の途中偶然の機会において新たに本件窃盗の犯意を生じたものであることは原判決挙示の証拠上疑いのないところであるばかりでなく、それらの行為自体からみても、はた又被害法益の点からみても、本件強盗傷人と窃盗の二罪を構成し、所論のように単一の犯罪を構成するものと認めるべきでないことは多言を要しないところである。
判示事項
一 刑法上の占有の意義
二 占有離脱物と認められない一事例
裁判要旨
一 刑法上の占有は人が物を実力的に支配する関係であつて、その支配の態様は物の形状その他の具体的事情によつて一様ではないが、必ずしも物の現実の所持または監視を必要とするものではなく、物が占有者の支配力の及ぶ場所に存在するを以つて足りる。
二 被害者がバスを待つ間に写真機を身辺約三〇糎の個所に置き、行列の移動に連れて改札口の方に進んだが、改札口の手前約三・六六米の所に来たとき、写真機を置き忘れたことに気づき直ちに引き返したところ、既にその場から持ち去られていたもので行列が動き始めてからその場所に引き返すまでの時間は約五分、写真機を置いた場所と引き返した点との距離は約一九・五八米に過ぎないような場合は、未だ被害者の占有を離れたものとはいえない。
これは被告人自身が殺害した事案です。
cf. 最判昭41・4・8(昭和40(あ)1573 強姦致傷、強姦、殺人、死体遺棄、窃盗) 全文判示事項
人を殺害した後被害者が身につけていた財物を奪取した行為が窃盗罪にあたるとされた事例
裁判要旨
野外において人を殺害した後、領得の意思を生じ、右犯行直後その現場で、被害者が身につけていた腕時計を奪取する行為は、窃盗罪を構成する。
判示事項
窃盗罪を構成する事例
裁判要旨
譲渡担保にとつた貨物自動車の所有権が債権者に帰属したとしても、債務者側において引き続き占有保管している右自動車を無断で債権者が運び去る所為は、窃盗罪を構成する。
判示事項
1 パチスロ店内で,パチスロ機から不正な方法によりメダルを窃取した者の共同正犯である者が,上記犯行を隠ぺいする目的をもって,その隣のパチスロ機において,自ら通常の方法により遊戯していた場合,この通常の遊戯方法により取得したメダルについて窃盗罪が成立するか
2 窃取した財物と窃取したとはいえない財物とが混在している場合における窃盗罪の成立範囲について判示した事例
裁判要旨
1 パチスロ店内で,パチスロ機に針金を差し込んで誤動作させるなどの方法によりメダルを窃取した者の共同正犯である者が,上記犯行を隠ぺいする目的をもって,その隣のパチスロ機において,自ら通常の方法により遊戯していた場合,この通常の遊戯方法により取得したメダルについては,窃盗罪は成立しない。
2 パチスロ機の下皿内に窃取したメダル72枚が入っており,ドル箱内に窃取したものと窃取したとはいえないものとが混在したメダル414枚が入っているとの本件事実関係の下においては,窃盗罪が成立する範囲は,下皿内のメダル72枚のほか,ドル箱内のメダル414枚の一部にとどまる。
判示事項
海中に取り落した物件について所持の認められる一事例
裁判要旨
海中に取り落した物件については、落主の意にもとづきこれを引き揚げようとする者が、その落下場所の大体の位置を指示し、その引揚方を人に依頼した結果、その人が該物件をその附近で発見したときは、依頼者がその発見された事実を知らなくても、依頼者はその物件に対し所持即ち事実上の支配管理を有するものと解すべきである。
「窃盗罪は、不法に他人の所持を侵してその物を自己の所持に移すことによつて成立する。所持とは一定の人の物に対する事実上の支配関係をいう」
cf. 最判昭24・7・5(昭和24(れ)314 窃盗) 全文判示事項
窃盜罪における目的物判示の程度
裁判要旨
窃盜罪の目的物の判示としては、その物が自己以外の者の事實上の支配下にあることを明らかにすれば足り、その所有者が何人であるかは必らずしも判示することを要しない。
判示事項
一 刑法上の占有の意義
二 占有離脱物と認められない一事例
裁判要旨
一 刑法上の占有は人が物を実力的に支配する関係であつて、その支配の態様は物の形状その他の具体的事情によつて一様ではないが、必ずしも物の現実の所持または監視を必要とするものではなく、物が占有者の支配力の及ぶ場所に存在するを以つて足りる。
二 被害者がバスを待つ間に写真機を身辺約三〇糎の個所に置き、行列の移動に連れて改札口の方に進んだが、改札口の手前約三・六六米の所に来たとき、写真機を置き忘れたことに気づき直ちに引き返したところ、既にその場から持ち去られていたもので行列が動き始めてからその場所に引き返すまでの時間は約五分、写真機を置いた場所と引き返した点との距離は約一九・五八米に過ぎないような場合は、未だ被害者の占有を離れたものとはいえない。
判示事項
投票用紙の持出と不法領得の意思。
裁判要旨
市議会議員選挙に際し、特定の候補者に当選を得しめるため、後日その候補者の氏名を記入して投票中に混入し投票数を増加する目的をもつて、投票所管理者の保管する市選挙管理委員会所有にかかる市議会議員選挙の投票用紙をひそかに持ち出したときは、不法領得の意思なしというを得ず、窃盗罪を構成する。
判示事項
窃盗罪の成立に必要な不正領得の意思があるとされた事例
裁判要旨
他人所有の普通乗用自動車を、数時間にわたつて完全に自己の支配下に置く意図のもとに、駐車場から所有者に無断で乗り出し、その後約四時間余りの間乗り廻していたなどの事情があるときは、たとえ、使用後に元の場所に戻しておくつもりであつたとしても、右自動車に対する不正領得の意思があつたということができる。
