第309条 検察官、被告人又は弁護人は、証拠調に関し異議を申し立てることができる。
2 検察官、被告人又は弁護人は、前項に規定する場合の外、裁判長の処分に対して異議を申し立てることができる。
3 裁判所は、前二項の申立について決定をしなければならない。
刑事訴訟法310条 証拠調べを終わった証拠の提出
第310条 証拠調を終つた証拠書類又は証拠物は、遅滞なくこれを裁判所に提出しなければならない。但し、裁判所の許可を得たときは、原本に代え、その謄本を提出することができる。
刑事訴訟法311条 被告人の黙秘権・供述拒否権、任意の供述
第311条 被告人は、終始沈黙し、又は個々の質問に対し、供述を拒むことができる。
2 被告人が任意に供述をする場合には、裁判長は、何時でも必要とする事項につき被告人の供述を求めることができる。
3 陪席の裁判官、検察官、弁護人、共同被告人又はその弁護人は、裁判長に告げて、前項の供述を求めることができる。
刑事訴訟法312条 起訴状の変更
第312条 裁判所は、検察官の請求があるときは、公訴事実の同一性を害しない限度において、起訴状に記載された訴因又は罰条の追加、撤回又は変更を許さなければならない。
2 裁判所は、審理の経過に鑑み適当と認めるときは、訴因又は罰条を追加又は変更すべきことを命ずることができる。
3 第一項の請求は、書面を提出してしなければならない。
4 検察官は、第一項の請求と同時に、被告人に送達するものとして、前項の書面(以下「訴因変更等請求書面」という。)の謄本を裁判所に提出しなければならない。
5 裁判所は、前項の規定による訴因変更等請求書面の謄本の提出があつたときは、遅滞なくこれを被告人に送達しなければならない。
6 第三項の規定にかかわらず、被告人が在廷する公判廷においては、第一項の請求は、口頭ですることができる。この場合においては、第四項の規定は、適用しない。
7 裁判所は、訴因又は罰条の追加又は変更により被告人の防御に実質的な不利益を生ずるおそれがあると認めるときは、被告人又は弁護人の請求により、決定で、被告人に十分な防御の準備をさせるため必要な期間公判手続を停止しなければならない。
刑事訴訟法312条の2 訴因変更等の手続における個人特定事項の秘匿措置
第312条の2 検察官は、訴因変更等請求書面に記載された第二百七十一条の二第一項第一号又は第二号に掲げる者の個人特定事項について、必要と認めるときは、裁判所に対し、前条第五項の規定による訴因変更等請求書面の謄本の送達により当該個人特定事項が被告人に知られないようにするための措置をとることを求めることができる。
2 前項の規定による求めは、裁判所に対し、訴因変更等請求書面とともに、被告人に送達するものとして、当該求めに係る個人特定事項の記載がない訴因変更等請求書面の抄本その他の訴因変更等請求書面の謄本に代わるもの(以下この条において「訴因変更等請求書面抄本等」という。)を提出して行わなければならない。
3 裁判所は、前項の規定による訴因変更等請求書面抄本等の提出があつたときは、前条第五項の規定にかかわらず、遅滞なく訴因変更等請求書面抄本等を被告人に送達しなければならない。
4 第二百七十一条の三から第二百七十一条の八までの規定は、第二項の規定による訴因変更等請求書面抄本等の提出がある場合について準用する。この場合において、第二百七十一条の三第三項中「前条第一項第一号ハ(1)」とあるのは「第二百七十一条の二第一項第一号ハ(1)」と、第二百七十一条の五第一項中「第二百七十一条の二第四項」とあるのは「第三百十二条の二第三項」と、第二百七十一条の六第五項及び第二百七十一条の八第一項中「同条第一項第一号」とあるのは「第二百七十一条の二第一項第一号」と読み替えるものとする。
刑事訴訟法313条 弁論の分離・併合・再開
第313条 裁判所は、適当と認めるときは、検察官、被告人若しくは弁護人の請求により又は職権で、決定を以て、弁論を分離し若しくは併合し、又は終結した弁論を再開することができる。
2 裁判所は、被告人の権利を保護するため必要があるときは、裁判所の規則の定めるところにより、決定を以て弁論を分離しなければならない。
刑事訴訟法313条の2 併合事件における弁護人選任の効力
第313条の2 この法律の規定に基づいて裁判所若しくは裁判長又は裁判官が付した弁護人の選任は、弁論が併合された事件についてもその効力を有する。ただし、裁判所がこれと異なる決定をしたときは、この限りでない。
2 前項ただし書の決定をするには、あらかじめ、検察官及び被告人又は弁護人の意見を聴かなければならない。
刑事訴訟法314条 公判手続の停止
第314条 被告人が心神喪失の状態に在るときは、検察官及び弁護人の意見を聴き、決定で、その状態の続いている間公判手続を停止しなければならない。但し、無罪、免訴、刑の免除又は公訴棄却の裁判をすべきことが明らかな場合には、被告人の出頭を待たないで、直ちにその裁判をすることができる。
2 被告人が病気のため出頭することができないときは、検察官及び弁護人の意見を聴き、決定で、出頭することができるまで公判手続を停止しなければならない。但し、第二百八十四条及び第二百八十五条の規定により代理人を出頭させた場合は、この限りでない。
3 犯罪事実の存否の証明に欠くことのできない証人が病気のため公判期日に出頭することができないときは、公判期日外においてその取調をするのを適当と認める場合の外、決定で、出頭することができるまで公判手続を停止しなければならない。
4 前三項の規定により公判手続を停止するには、医師の意見を聴かなければならない。
刑事訴訟法315条 公判手続の更新
第315条 開廷後裁判官がかわつたときは、公判手続を更新しなければならない。但し、判決の宣告をする場合は、この限りでない。
刑事訴訟法315条の2 簡易公判手続の決定の取消しと手続の更新
第315条の2 第二百九十一条の二の決定が取り消されたときは、公判手続を更新しなければならない。但し、検察官及び被告人又は弁護人に異議がないときは、この限りでない。