第248条 損害が生じたことが認められる場合において、損害の性質上その額を立証することが極めて困難であるときは、裁判所は、口頭弁論の全趣旨及び証拠調べの結果に基づき、相当な損害額を認定することができる。
民事訴訟法249条 直接主義
第249条 判決は、その基本となる口頭弁論に関与した裁判官がする。
2 裁判官が代わった場合には、当事者は、従前の口頭弁論の結果を陳述しなければならない。
3 単独の裁判官が代わった場合又は合議体の裁判官の過半数が代わった場合において、その前に尋問をした証人について、当事者が更に尋問の申出をしたときは、裁判所は、その尋問をしなければならない。
民事訴訟法250条 判決の発効
第250条 判決は、言渡しによってその効力を生ずる。
民事訴訟法251条 言渡期日
第251条 判決の言渡しは、口頭弁論の終結の日から二月以内にしなければならない。ただし、事件が複雑であるときその他特別の事情があるときは、この限りでない。
2 判決の言渡しは、当事者が在廷しない場合においても、することができる。
民事訴訟法252条 言渡しの方式
第252条 判決の言渡しは、判決書の原本に基づいてする。
もう一歩先へ
判決書の原本とは、本来裁判官が言渡しまでに作成する判決書です。
被告が原告の主張した事実を争わない場合など、実質的に争いがない事件については、判決書の原本に基づかないで、調書判決がされることがあります。
cf. 民事訴訟法254条2項 言渡しの方式の特則民事訴訟法253条 判決書
第253条 判決書には、次に掲げる事項を記載しなければならない。
一 主文
二 事実
三 理由
四 口頭弁論の終結の日
五 当事者及び法定代理人
六 裁判所
2 事実の記載においては、請求を明らかにし、かつ、主文が正当であることを示すのに必要な主張を摘示しなければならない。
民事訴訟法254条 言渡しの方式の特則
第254条 次に掲げる場合において、原告の請求を認容するときは、判決の言渡しは、第二百五十二条の規定にかかわらず、判決書の原本に基づかないですることができる。
一 被告が口頭弁論において原告の主張した事実を争わず、その他何らの防御の方法をも提出しない場合
二 被告が公示送達による呼出しを受けたにもかかわらず口頭弁論の期日に出頭しない場合(被告の提出した準備書面が口頭弁論において陳述されたものとみなされた場合を除く。)
2 前項の規定により判決の言渡しをしたときは、裁判所は、判決書の作成に代えて、裁判所書記官に、当事者及び法定代理人、主文、請求並びに理由の要旨を、判決の言渡しをした口頭弁論期日の調書に記載させなければならない。
もう一歩先へ
「判決書の原本に基づかないで」とは、本来裁判官が言渡しまでに作成する判決書(判決書の原本)の作成なしで判決を言い渡すことです。
(1項)
(1項)
この場合、判決言渡後に、裁判所書記官が主文等を記載した調書を作成し、これが判決と同様の効力を持ちます。
(2項:調書判決)
民事訴訟法255条 判決書等の送達
第255条 判決書又は前条第二項の調書は、当事者に送達しなければならない。
2 前項に規定する送達は、判決書の正本又は前条第二項の調書の謄本によってする。
民事訴訟法256条 変更の判決
第256条 裁判所は、判決に法令の違反があることを発見したときは、その言渡し後一週間以内に限り、変更の判決をすることができる。ただし、判決が確定したとき、又は判決を変更するため事件につき更に弁論をする必要があるときは、この限りでない。
2 変更の判決は、口頭弁論を経ないでする。
3 前項の判決の言渡期日の呼出しにおいては、公示送達による場合を除き、送達をすべき場所にあてて呼出状を発した時に、送達があったものとみなす。
民事訴訟法257条 更正決定
257条 判決に計算違い、誤記その他これらに類する明白な誤りがあるときは、裁判所は、申立てにより又は職権で、いつでも更正決定をすることができる。
2 更正決定に対しては、即時抗告をすることができる。ただし、判決に対し適法な控訴があったときは、この限りでない。