刑法43条 未遂減免

第43条 犯罪の実行に着手してこれを遂げなかった者は、その刑を減軽することができる。ただし、自己の意思により犯罪を中止したときは、その刑を減軽し、又は免除する。


e-Gov 刑法

 

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cf. 最大判昭29・1・20(昭和24(れ)1881 強盗、同予備、窃盗) 全文

判示事項
 一 予備罪と中止未遂の関係
 二 第一審判決の不定期刑を第二審が定期刑にする場合と旧刑訴第四〇三条

裁判要旨
 一 予備罪には中止未遂の観念を容れる余地がない。
 二 第一審が旧少年法第八条に従い、懲役二年六月以上四年以下の不定期刑を言い渡した被告人が控訴の申立をした事件において、第二審がその判決時において既に成人となつていた被告人に対し、右不定期刑の中間位である三年三月より重い懲役四年の定期刑を言い渡したときは旧刑訴第四〇三条に違反する。註。田中、井上、谷村各裁判官は中間説に同調

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cf. 最決昭32・9・10(昭和30(あ)1418 尊属殺人未遂) 全文

判示事項
 障がい未遂と認むべき一事例

裁判要旨
 被告人の犯行完成の意力を抑圧した原因が、本件のように、犯罪の完成を妨害するに足る性質の障がいに基くものと認められる場合は、いわゆる中止未遂ではなく、障がい未遂にあたると解するを相当とする。

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cf. 福岡高判昭61・3・6(昭和60(う)643 殺人未遂被告事件) 全文

判示事項
 中止未遂と認められた事例

裁判要旨
 判文摘示のとおり、未必的殺意をもつて被害者の頸部を果物ナイフで突き刺したところ、流血を見て驚愕するとともに悔悟の情から、右頸部にタオルを当てたり救急車を呼んで医師の手当てを受けさせたりして被害者の一命を取り止めた場合には、任意の意思に基づく中止行為として中止未遂にあたる。

 
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cf. 最判昭24・5・17(昭和23(れ)2017 強盗予備) 全文

判示事項
 強盜の豫備をなし其の以後の行爲を中止した者の責任

裁判要旨
 しかし原審の認定したクロールエチールの買入A、B、C、等を仲間に引入れた事實、日本刀の入手等によつて既に豫備としては既遂になつて居るのである。従つて其以後の行為を中止したからといつて未遂にならない。原審が中止未遂の法條を適用しなかつたのは當然である。なほ原審公判調書を見ても辯護人が所論のような主張をした形跡はないから、原判決に舊刑事訴訟法第三六〇條第二項違反はない。