第98条 前条に規定する者が拘禁場若しくは拘束のための器具を損壊し、暴行若しくは脅迫をし、又は二人以上通謀して、逃走したときは、三月以上五年以下の懲役に処する。
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cf.
最判昭54・12・25(昭和54(あ)965 窃盗、詐欺、加重逃走未遂) 全文
判示事項
一 拘禁場又は械具の損壊による加重逃走罪における実行の着手
二 拘禁場又は械具の損壊による加重逃走罪につき実行の着手があつたとされた事例
裁判要旨
一 拘禁場又は械具の損壊による加重逃走罪については、逃走の手段としての損壊が開始されたときには、逃走行為自体に着手した事実がなくとも、実行の着手がある。
二 未決の囚人が、逃走の目的をもつて、拘禁場である木造舎房の房壁に設置された換気孔の周辺のモルタル部分を削り取り損壊したが、脱出可能な穴を開けることができず、逃走の目的を遂げなかつた場合(判文参照)には、加重逃走罪の実行の着手があつたといえる。