家事事件手続法125条 管理者の改任等

第125条 家庭裁判所は、いつでも、第三者が成年被後見人に与えた財産の管理に関する処分の審判事件において選任した管理者を改任することができる。
 
2 家庭裁判所は、第三者が成年被後見人に与えた財産の管理に関する処分の審判事件において選任した管理者(前項の規定により改任された管理者を含む。以下この条において「財産の管理者」という。)に対し、財産の状況の報告及び管理の計算を命ずることができる。
 
3 前項の報告及び計算に要する費用は、成年被後見人の財産の中から支弁する。
 
4 家庭裁判所は、財産の管理者に対し、その提供した担保の増減、変更又は免除を命ずることができる。
 
5 財産の管理者の不動産又は船舶の上に抵当権の設定を命ずる審判が効力を生じたときは、裁判所書記官は、その設定の登記を嘱託しなければならない。設定した抵当権の変更又は消滅の登記についても、同様とする。
 
6 民法第六百四十四条第六百四十六条第六百四十七条及び第六百五十条の規定は、財産の管理者について準用する。
 
7 家庭裁判所は、成年被後見人が財産を管理することができるようになったとき、管理すべき財産がなくなったときその他財産の管理を継続することが相当でなくなったときは、成年被後見人、財産の管理者若しくは利害関係人の申立てにより又は職権で、財産の管理者の選任その他の財産の管理に関する処分の取消しの審判をしなければならない。


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家事事件手続法190条の2 相続財産の保存に関する処分の審判事件

第190条の2 相続財産の保存に関する処分の審判事件は、相続が開始した地を管轄する家庭裁判所の管轄に属する。
 
2 第百二十五条第一項から第六項まで、第百四十六条の二及び第百四十七条の規定は、相続財産の保存に関する処分の審判事件について準用する。この場合において、第百二十五条第三項中「成年被後見人の財産」とあるのは、「相続財産」と読み替えるものとする。


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刑法39条 心神喪失及び心神耗弱

第39条 心神喪失者の行為は、罰しない。
 
2 心神耗弱者の行為は、その刑を減軽する。

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cf. 最決昭58・9・13(昭和58(あ)753  窃盗) 全文

判示事項
 一 心神喪失又は心神耗弱の判断の性質
 二 責任能力判断の前提となる生物学的要素及び心理学的要素についての判断権

裁判要旨
 一 刑法三九条にいう心神喪失又は心神耗弱に該当するかどうかは法律判断であつて、専ら裁判所に委ねられるべき問題である。
 二 刑法三九条にいう心神喪失又は心神耗弱に該当するかどうかの法律判断の前提となる生物学的、心理学的要素についての評価は、右法律判断との関係で究極的には裁判所に委ねられるべき問題である。

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cf. 最決昭59・7・3(昭和58(あ)1761  殺人、殺人未遂) 全文

判示事項
 精神分裂病者と責任能力

裁判要旨
 被告人が犯行当時精神分裂病に罹患していたからといつて、そのことだけで直ちに被告人が心神喪失の状態にあつたとされるものではなく、その責任能力の有無・程度は、被告人の犯行当時の病状、犯行前の生活状態、犯行の動機・態様等を総合して判定すべきである。

 
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cf. 最判平21・12・8(平成20(あ)1718 殺人,殺人未遂,銃砲刀剣類所持等取締法違反被告事件) 全文

判示事項
 1 精神鑑定の意見の一部を採用した場合と責任能力の有無・程度の判断
 2 責任能力の有無・程度について原判決の判断手法に誤りがないとされた事例

裁判要旨
 1 裁判所は,特定の精神鑑定の意見の一部を採用した場合においても,責任能力の有無・程度について,当該意見の他の部分に拘束されることなく,被告人の犯行当時の病状,犯行前の生活状態,犯行の動機・態様等を総合して判定することができる。
 2 精神医学者の精神鑑定における意見のうち被告人が心神喪失の状態にあったとする部分を前提資料や推論過程に疑問があるとして採用せず,責任能力の有無・程度について,被告人の犯行当時の病状,犯行前後の言動や犯行の動機,従前の生活状態から推認される人格傾向等を総合考慮して,統合失調症による病的体験と犯行との関係,被告人の本来の人格傾向と犯行との関連性の程度等を検討し,被告人が心神耗弱の状態にあったと認定した原判決の判断手法に誤りはない。

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いわゆる原因において自由な行為(原自行)を認めたものと解される

cf. 最決昭43・2・27(昭和42(あ)1814 恐喝、道路交通法違反) 全文

判示事項
 酒酔い運転につき刑法第三九条第二項の適用がないとされた事例

裁判要旨
 酒酔い運転の行為当時に飲酒酩酊により心神耗弱の状態にあつたとしても、飲酒の際酒酔い運転の意思が認められる場合には、刑法第三九条第二項を適用して刑の減軽をすべきではない。

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cf. 大阪高判昭56・9・30(昭和56(う)517  覚せい剤取締法違反被告事件) 全文

判示事項
 覚せい剤の使用及び所持につき刑法三九条の適用がないとされた事例

裁判要旨
 覚せい剤の使用及び所持について、犯行当時覚せい剤中毒等により少なくとも心神耗弱の状態にあつても、責任能力がある当時における覚せい剤の反復使用、継続所持の意思が実現されたものと認められる場合には、刑法三九条を適用すべきではない。

 
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cf. 最大判昭26・1・17(昭和25(れ)548 殺人、賍物故買) 全文

判示事項
 一 酩酊すると暴行する習癖のある注意義務
 二 殺人の公訴事実中には過失致死の事実も含まれるか

裁判要旨
 一 本件被告人の如く、多量に飲酒するときは病的酩酊に陥り、因つて心神喪失状態において他人に犯罪の害悪を及ぼす危険ある素質を有する者は、居常右心神喪失の原因となる飲酒を抑止又は制限する等前示危険の発生を未然に防止するよう注意する義務あるものといわねばならない。しからば、たとえ原判決認定のように、本件殺人の所為は被告人の心身喪失時の所為であつたとしても、(イ)被告人にして既に前示のような己れの素質を自覚していたものであり且つ(ロ)本件事前の飲酒につき前示注意義務を怠つたがためであるとするならば、被告人は過失致死の罪責を免れ得ないものといわねばならない。
 二 殺人の公訴事実中には過失致死の事実をも包含するものと解するを至当とすべきである。

刑法42条 自首等

第42条 罪を犯した者が捜査機関に発覚する前に自首したときは、その刑を減軽することができる。
 
2 告訴がなければ公訴を提起することができない罪について、告訴をすることができる者に対して自己の犯罪事実を告げ、その措置にゆだねたときも、前項と同様とする。


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刑法43条 未遂減免

第43条 犯罪の実行に着手してこれを遂げなかった者は、その刑を減軽することができる。ただし、自己の意思により犯罪を中止したときは、その刑を減軽し、又は免除する。


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cf. 最大判昭29・1・20(昭和24(れ)1881 強盗、同予備、窃盗) 全文

判示事項
 一 予備罪と中止未遂の関係
 二 第一審判決の不定期刑を第二審が定期刑にする場合と旧刑訴第四〇三条

裁判要旨
 一 予備罪には中止未遂の観念を容れる余地がない。
 二 第一審が旧少年法第八条に従い、懲役二年六月以上四年以下の不定期刑を言い渡した被告人が控訴の申立をした事件において、第二審がその判決時において既に成人となつていた被告人に対し、右不定期刑の中間位である三年三月より重い懲役四年の定期刑を言い渡したときは旧刑訴第四〇三条に違反する。註。田中、井上、谷村各裁判官は中間説に同調

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cf. 最決昭32・9・10(昭和30(あ)1418 尊属殺人未遂) 全文

判示事項
 障がい未遂と認むべき一事例

裁判要旨
 被告人の犯行完成の意力を抑圧した原因が、本件のように、犯罪の完成を妨害するに足る性質の障がいに基くものと認められる場合は、いわゆる中止未遂ではなく、障がい未遂にあたると解するを相当とする。

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cf. 福岡高判昭61・3・6(昭和60(う)643 殺人未遂被告事件) 全文

判示事項
 中止未遂と認められた事例

裁判要旨
 判文摘示のとおり、未必的殺意をもつて被害者の頸部を果物ナイフで突き刺したところ、流血を見て驚愕するとともに悔悟の情から、右頸部にタオルを当てたり救急車を呼んで医師の手当てを受けさせたりして被害者の一命を取り止めた場合には、任意の意思に基づく中止行為として中止未遂にあたる。

 
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cf. 最判昭24・5・17(昭和23(れ)2017 強盗予備) 全文

判示事項
 強盜の豫備をなし其の以後の行爲を中止した者の責任

裁判要旨
 しかし原審の認定したクロールエチールの買入A、B、C、等を仲間に引入れた事實、日本刀の入手等によつて既に豫備としては既遂になつて居るのである。従つて其以後の行為を中止したからといつて未遂にならない。原審が中止未遂の法條を適用しなかつたのは當然である。なほ原審公判調書を見ても辯護人が所論のような主張をした形跡はないから、原判決に舊刑事訴訟法第三六〇條第二項違反はない。