家事事件手続法126条 後見開始の審判事件を本案とする保全処分

第126条 家庭裁判所(第百五条第二項の場合にあっては、高等裁判所。以下この条及び次条において同じ。)は、後見開始の申立てがあった場合において、成年被後見人となるべき者の生活、療養看護又は財産の管理のため必要があるときは、申立てにより又は職権で、担保を立てさせないで、後見開始の申立てについての審判が効力を生ずるまでの間、財産の管理者を選任し、又は事件の関係人に対し、成年被後見人となるべき者の生活、療養看護若しくは財産の管理に関する事項を指示することができる。
 
2 家庭裁判所は、後見開始の申立てがあった場合において、成年被後見人となるべき者の財産の保全のため特に必要があるときは、当該申立てをした者の申立てにより、後見開始の申立てについての審判が効力を生ずるまでの間、成年被後見人となるべき者の財産上の行為(民法第九条ただし書に規定する行為を除く。第七項において同じ。)につき、前項の財産の管理者の後見を受けることを命ずることができる。
 
3 家庭裁判所は、成年被後見人となるべき者の心身の障害によりその者の陳述を聴くことができないときは、第百七条の規定にかかわらず、その者の陳述を聴く手続を経ずに、前項の規定による審判(次項から第七項までにおいて「後見命令の審判」という。)をすることができる。
 
4 後見命令の審判は、第一項の財産の管理者(数人あるときは、そのうちの一人)に告知することによって、その効力を生ずる。
 
5 後見命令の審判は、成年被後見人となるべき者に通知しなければならない。この場合においては、成年被後見人となるべき者については、第七十四条第一項の規定は、適用しない。
 
6 審判の告知を受ける者でない者による後見命令の審判に対する即時抗告の期間は、第一項の財産の管理者が第四項の規定による告知を受けた日(二以上あるときは、当該日のうち最も遅い日)から進行する。
 
7 後見命令の審判があったときは、成年被後見人となるべき者及び第一項の財産の管理者は、成年被後見人となるべき者がした財産上の行為を取り消すことができる。この場合においては、制限行為能力者の行為の取消しに関する民法の規定を準用する。
 
8 前条第一項から第六項までの規定及び民法第二十七条から第二十九条まで(同法第二十七条第二項を除く。)の規定は、第一項の財産の管理者について準用する。この場合において、前条第三項中「成年被後見人」とあるのは、「成年被後見人となるべき者」と読み替えるものとする。


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家事事件手続法127条 成年後見人の解任の審判事件等を本案とする保全処分

第127条 家庭裁判所は、成年後見人の解任の審判事件が係属している場合において、成年被後見人の利益のため必要があるときは、成年後見人の解任の申立てをした者の申立てにより又は職権で、成年後見人の解任についての審判が効力を生ずるまでの間、成年後見人の職務の執行を停止し、又はその職務代行者を選任することができる。
 
2 前項の規定による成年後見人の職務の執行を停止する審判は、職務の執行を停止される成年後見人、他の成年後見人又は同項の規定により選任した職務代行者に告知することによって、その効力を生ずる。
 
3 家庭裁判所は、いつでも、第一項の規定により選任した職務代行者を改任することができる。
 
4 家庭裁判所は、第一項の規定により選任し、又は前項の規定により改任した職務代行者に対し、成年被後見人の財産の中から、相当な報酬を与えることができる。
 
5 前各項の規定は、成年後見監督人の解任の審判事件を本案とする保全処分について準用する。


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家事事件手続法128条 管轄

第128条 保佐開始の審判事件(別表第一の十七の項の事項についての審判事件をいう。以下同じ。)は、被保佐人となるべき者の住所地を管轄する家庭裁判所の管轄に属する。
 
2 保佐に関する審判事件(別表第一の十七の項から三十五の項までの事項についての審判事件をいう。)は、保佐開始の審判事件を除き、保佐開始の審判をした家庭裁判所(抗告裁判所が保佐開始の裁判をした場合にあっては、その第一審裁判所である家庭裁判所)の管轄に属する。ただし、保佐開始の審判事件が家庭裁判所に係属しているときは、その家庭裁判所の管轄に属する。


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