第111条 前条第二項の規定により即時抗告が提起された場合において、原審判の取消しの原因となることが明らかな事情及び原審判の執行により償うことができない損害を生ずるおそれがあることについて疎明があったときは、抗告裁判所は、申立てにより、即時抗告についての裁判が効力を生ずるまでの間、担保を立てさせて、若しくは担保を立てることを条件として、若しくは担保を立てさせないで原審判の執行の停止を命じ、又は担保を立てさせて、若しくは担保を立てることを条件として既にした執行処分の取消しを命ずることができる。審判前の保全処分の事件の記録が家庭裁判所に存する間は、家庭裁判所も、これらの処分を命ずることができる。
2 第百六条第二項及び第三項の規定は、前項の申立てについて準用する。
家事事件手続法112条 審判前の保全処分の取消し
第112条 審判前の保全処分が確定した後に、保全処分を求める事由の消滅その他の事情の変更があるときは、本案の家事審判事件(家事審判事件に係る事項について家事調停の申立てがあった場合にあっては、その家事調停事件)が係属する家庭裁判所又は審判前の保全処分をした家庭裁判所は、本案の家事審判の申立てについての審判(申立てを却下する審判を除く。)に対し即時抗告をすることができる者の申立てにより又は職権で、審判前の保全処分の取消しの審判をすることができる。
2 本案の家事審判事件が高等裁判所に係属する場合には、その高等裁判所が、前項の審判前の保全処分の取消しの審判に代わる裁判をする。
3 第百六条並びに第百九条第一項及び第二項の規定は、第一項の審判前の保全処分の取消しの審判及び前項の裁判について準用する。
