第195条 裁判、検察若しくは警察の職務を行う者又はこれらの職務を補助する者が、その職務を行うに当たり、被告人、被疑者その他の者に対して暴行又は陵辱若しくは加虐の行為をしたときは、七年以下の拘禁刑に処する。cf. 改正前刑法195条 特別公務員暴行陵虐
2 法令により拘禁された者を看守し又は護送する者がその拘禁された者に対して暴行又は陵辱若しくは加虐の行為をしたときも、前項と同様とする。
刑法197条 収賄、受託収賄及び事前収賄
第197条 公務員が、その職務に関し、賄賂を収受し、又はその要求若しくは約束をしたときは、五年以下の拘禁刑に処する。この場合において、請託を受けたときは、七年以下の拘禁刑に処する。cf. 改正前刑法197条 収賄、受託収賄及び事前収賄
2 公務員になろうとする者が、その担当すべき職務に関し、請託を受けて、賄賂を収受し、又はその要求若しくは約束をしたときは、公務員となった場合において、五年以下の拘禁刑に処する。
判示事項
一般的職務権限を異にする他の職務に転じた公務員に対し前の職務に関して賄路を供与することと贈賄罪の成否
裁判要旨
一般的職務権限を異にする他の職務に転じた公務員に対し前の職務に関して賄路を供与した場合であつても、贈賄罪が成立する。
判示事項
市長の再選後に担当すべき職務に関し受託収賄罪が成立するとされた事例
裁判要旨
市の発注する工事に関し入札参加者の氏名及び入札の執行を管理する職務権限をもつ市長が、任期満了の前に、再選された場合に具体的にその職務を執行することが予定されていた市庁舎の建設工事の入札等につき請託を受けて賄賂を収受したときは、受託収賄罪が成立する。
ロッキード事件丸紅ルート
判示事項
一 いわゆる刑事免責を付与して得られた供述を録取した嘱託証人尋問調書の証拠能力
二 内閣総理大臣が運輸大臣に対し民間航空会社に特定機種の航空機の選定購入を勧奨するよう働き掛けることと賄賂罪における職務行為
裁判要旨
一 刑訴法はいわゆる刑事免責の制度を採用しておらず、刑事免責を付与して得られた供述を録取した嘱託証人尋問調書を事実認定の証拠とすることは許容されない。
二 内閣総理大臣が運輸大臣に対し民間航空会社に特定機種の航空機の選定購入を勧奨するよう働き掛けることは、内閣総理大臣の運輸大臣に対する指示として、賄賂罪の職務行為に当たる。
(一につき補足意見,二につき補足意見及び意見がある。)
判示事項
一 刑法第一九七条にいう「其職務」の意義
二 熊本県八代地方事務所農地課勤務の事務吏員の職務権限
裁判要旨
一 刑法第一九七条にいう「其職務」とは、当該公務員の一般的な職務権限に属するものであれば足り、本人が具体的に担当している事務であることを要しない。
二 熊本県八代地方事務所農地課勤務の事務吏員は、日常担当しない事務であつても、同課に属する農地および農業用施設等災害復旧工事につき事業主体のなす工事請負契約締結の方法、競争入札の実施、その際における予定価格の決定などを指導監督する職務権限をも有する。
判示事項
公務員が転職後前の職務に関し賄賂を収受することは収賄罪を構成するか
裁判要旨
収賄罪は公務員が職務に関し賄賂を収受するによつて成立する犯罪であつて公務員が他の職務に転じた後、前の職務に関して賄賂を収受する場合であつても、いやしくも収受の当時において公務員である以上は収賄罪はそこに成立し、賄賂に関する職務を現に担任することは収賄罪の要件でないと解するを相当とする。
判示事項
一 異性間の情交と賄賂の目的物。
二 刑訴法第四〇〇条但書に違反しない事例。
裁判要旨
一 異性間の情交は賄賂の目的物となり得る。
二 第一審判決が、収賄の公訴事実につき犯意について証明がないことを理由に無罪を言渡したのに対し、控訴裁判所が、自ら事実の取調として、右犯意の点を主要な争点とする公訴事実につき、犯罪の成否を決する上に関係を有すべき証人五名を取り調べたものである以上、その事実の取調の結果が、争点に直接触れるところにおいて第一審で取り調べた証拠以上に出ないとしても、右事実取調の結果と訴訟記録及び第一審で取り調べた証拠とによつて破棄自判し、有罪の判決をすることは刑訴第四〇〇条但書に違反しない。
刑法197条の2 第三者供賄
第197条の2 公務員が、その職務に関し、請託を受けて、第三者に賄賂を供与させ、又はその供与の要求若しくは約束をしたときは、五年以下の拘禁刑に処する。cf. 改正前刑法197条の2 第三者供賄
判示事項
一 いわゆる第三者収賄罪の成立と第三者の意義
二 いわゆる第三者収賄罪において第三者たる法人が賄賂を収受した場合の沒収、追徴の要件
裁判要旨
一 刑法第一九七条ノ二の罪が成立するためには、公務員が其の職務に関する事項につき、依頼を受けてこれを承諾し、供与者が第三者に供与した利益がその公務員の職務行為に対する代償たる性質を有すれば足り、右第三者は個人たると地方公共団体その他の法人たるとを問わない。
二 刑法第一九七条ノ二の罪において第三者たる法人の代表者が賄賂であることを知つて賄賂を法人のため受け取つたときは、その法人は同法第一九七条ノ四にいわゆる「情ヲ知リタル第三者」にあたり法人から右賄賂を沒収しまたはその価額を追徴することができる。
刑法197条の3 加重収賄及び事後収賄
第197条の3 公務員が前二条の罪を犯し、よって不正な行為をし、又は相当の行為をしなかったときは、一年以上の有期拘禁刑に処する。cf. 改正前刑法197条の3 加重収賄及び事後収賄
2 公務員が、その職務上不正な行為をしたこと又は相当の行為をしなかったことに関し、賄賂を収受し、若しくはその要求若しくは約束をし、又は第三者にこれを供与させ、若しくはその供与の要求若しくは約束をしたときも、前項と同様とする。
3 公務員であった者が、その在職中に請託を受けて職務上不正な行為をしたこと又は相当の行為をしなかったことに関し、賄賂を収受し、又はその要求若しくは約束をしたときは、五年以下の拘禁刑に処する。
刑法197条の4 あっせん収賄
第197条の4 公務員が請託を受け、他の公務員に職務上不正な行為をさせるように、又は相当の行為をさせないようにあっせんをすること又はしたことの報酬として、賄賂を収受し、又はその要求若しくは約束をしたときは、五年以下の拘禁刑に処する。cf. 改正前刑法197条の4 あっせん収賄
判示事項
公務員の地位利用と斡旋収賄罪
裁判要旨
刑法第一九七条ノ四の斡旋収賄罪が成立するためには、その要件として、公務員が積極的にその地位を利用して斡旋することは必要でないが、少なくとも公務員としての立場で斡旋することを必要とし、単なる私人としての行為は右の罪を構成しないものと解するのが相当である。
判示事項
公務員が請託を受けて公正取引委員会の委員長に対し同委員会が調査中の審査事件を告発しないように働き掛けることとあっせん収賄罪の成否
裁判要旨
公務員が,請託を受けて,公正取引委員会が私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律違反の疑いで調査中の審査事件について,同委員会の委員長に対し,これを告発しないように働き掛けることは,刑法(平成7年法律第91号による改正前のもの)197条ノ4にいう「職務上相当ノ行為ヲ為サザラシム可ク」あっせんすることに当たる。
刑法198条 贈賄
刑法199条 殺人
刑法201条 予備
刑法202条 自殺関与及び同意殺人
第202条 人を教唆し若しくは幇助して自殺させ、又は人をその嘱託を受け若しくはその承諾を得て殺した者は、六月以上七年以下の拘禁刑に処する。
刑法204条 傷害
第204条 人の身体を傷害した者は、十五年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処する。
cf.
改正前刑法204条 傷害
