刑事訴訟法350条の16 申立ての要件と手続

第350条の16 検察官は、公訴を提起しようとする事件について、事案が明白であり、かつ、軽微であること、証拠調べが速やかに終わると見込まれることその他の事情を考慮し、相当と認めるときは、公訴の提起と同時に、書面により即決裁判手続の申立てをすることができる。ただし、死刑又は無期若しくは短期一年以上の懲役若しくは禁錮に当たる事件については、この限りでない。
 
2 前項の申立ては、即決裁判手続によることについての被疑者の同意がなければ、これをすることができない。
 
3 検察官は、被疑者に対し、前項の同意をするかどうかの確認を求めるときは、これを書面でしなければならない。この場合において、検察官は、被疑者に対し、即決裁判手続を理解させるために必要な事項(被疑者に弁護人がないときは、次条の規定により弁護人を選任することができる旨を含む。)を説明し、通常の規定に従い審判を受けることができる旨を告げなければならない。
 
4 被疑者に弁護人がある場合には、第一項の申立ては、被疑者が第二項の同意をするほか、弁護人が即決裁判手続によることについて同意をし又はその意見を留保しているときに限り、これをすることができる。
 
5 被疑者が第二項の同意をし、及び弁護人が前項の同意をし又はその意見を留保するときは、書面でその旨を明らかにしなければならない。
 
6 第一項の書面には、前項の書面を添付しなければならない。


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刑事訴訟法350条の17 同意確認のための公的弁護人の選任

第350条の17 前条第三項の確認を求められた被疑者が即決裁判手続によることについて同意をするかどうかを明らかにしようとする場合において、被疑者が貧困その他の事由により弁護人を選任することができないときは、裁判官は、その請求により、被疑者のため弁護人を付さなければならない。ただし、被疑者以外の者が選任した弁護人がある場合は、この限りでない。
 
2 第三十七条の三の規定は、前項の請求をする場合についてこれを準用する。


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刑事訴訟法350条の20 弁護人に対する同意の確認

第350条の20 裁判所は、即決裁判手続の申立てがあつた事件について、弁護人が即決裁判手続によることについてその意見を留保しているとき、又は即決裁判手続の申立てがあつた後に弁護人が選任されたときは、弁護人に対し、できる限り速やかに、即決裁判手続によることについて同意をするかどうかの確認を求めなければならない。
 
2 弁護人は、前項の同意をするときは、書面でその旨を明らかにしなければならない。


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刑事訴訟法350条の22 即決裁判手続による審判の決定

第350条の22 裁判所は、即決裁判手続の申立てがあつた事件について、第二百九十一条第五項の手続に際し、被告人が起訴状に記載された訴因について有罪である旨の陳述をしたときは、次に掲げる場合を除き、即決裁判手続によつて審判をする旨の決定をしなければならない。
 
 一 第三百五十条の十六第二項又は第四項の同意が撤回されたとき。
 
 二 第三百五十条の二十第一項に規定する場合において、同項の同意がされなかつたとき、又はその同意が撤回されたとき。
 
 三 前二号に掲げるもののほか、当該事件が即決裁判手続によることができないものであると認めるとき。
 
 四 当該事件が即決裁判手続によることが相当でないものであると認めるとき。


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刑事訴訟法350条の24 公判審理の方式

第350の24 第三百五十条の二十二の決定のための審理及び即決裁判手続による審判については、第二百八十四条、第二百八十五条、第二百九十六条、第二百九十七条、第三百条から第三百二条まで及び第三百四条から第三百七条までの規定は、これを適用しない。
 
2 即決裁判手続による証拠調べは、公判期日において、適当と認める方法でこれを行うことができる。


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刑事訴訟法350条の25 即決裁判手続による審判の決定の取消し

第350条の25 裁判所は、第三百五十条の二十二の決定があつた事件について、次の各号のいずれかに該当することとなつた場合には、当該決定を取り消さなければならない。
 
 一 判決の言渡し前に、被告人又は弁護人が即決裁判手続によることについての同意を撤回したとき。
 二 判決の言渡し前に、被告人が起訴状に記載された訴因について有罪である旨の陳述を撤回したとき。
 三 前二号に掲げるもののほか、当該事件が即決裁判手続によることができないものであると認めるとき。
 四 当該事件が即決裁判手続によることが相当でないものであると認めるとき。
 
2 前項の規定により第三百五十条の二十二の決定が取り消されたときは、公判手続を更新しなければならない。ただし、検察官及び被告人又は弁護人に異議がないときは、この限りでない。


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