刑法244条 親族間の犯罪に関する特例

第244条 配偶者、直系血族又は同居の親族との間で第二百三十五条の罪、第二百三十五条の二の罪又はこれらの罪の未遂罪を犯した者は、その刑を免除する。
 
2 前項に規定する親族以外の親族との間で犯した同項に規定する罪は、告訴がなければ公訴を提起することができない。
 
3 前二項の規定は、親族でない共犯については、適用しない。


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改正前刑法246条 詐欺

第246条 人を欺いて財物を交付させた者は、十年以下の懲役に処する。
 
2 前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。


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cf. 刑法246条 詐欺
 

Un pas de plus ! もう一歩先へ 1項:
cf. 最決平15・3・12(平成10(あ)488  詐欺被告事件) 全文

判示事項
 誤った振込みがあることを知った受取人がその情を秘して預金の払戻しを受けた場合と詐欺罪の成否

裁判要旨
 誤った振込みがあることを知った受取人が,その情を秘して預金の払戻しを請求し,その払戻しを受けた場合には,詐欺罪が成立する。

 
Un pas de plus ! もう一歩先へ 2項:

所持金なく代金支払いの意思がないのに払うように装って宿泊・飲食等をした後、自動車で帰宅する知人を見送ると欺いて逃走した行為について刑法246条2項の詐欺利得罪の成立を認めたことは「債権者を欺罔して債務免除の意思表示をなさしめること」がないため誤っているが、宿泊・飲食した時点で刑法246条1項の詐欺罪が既遂に達したものと認められるとしています

cf. 最決昭30・7・7(昭和30(あ)478 詐欺) 全文

判示事項
 刑法第二四六条第二項の詐欺罪において債務の支払を免れたとするための要件

裁判要旨
 刑法第二四六条第二項の詐欺罪において、財産上不法の利益が、債務の支払を免れたことであるとするには、相手方たる債権者を欺罔して債務免除の意思表示をさせることを要し、単に逃走して事実上支払をしなかつただけで足りるものではない。

Un pas de plus ! もう一歩先へ

窃取した郵便貯金通帳を利用して郵便局員から払戻名目で金銭を騒取した事案につき、窃盗罪と詐欺罪 の成立を認める。そして、両罪は併合罪になるとする

cf. 最判昭25・2・24(昭和24(れ)2852 偽造公文書行使、公文書偽造、公文書毀棄、偽造私文書行使、私文書偽造、詐欺、窃盗) 全文

判示事項
 窃取または騙取した郵便貯金通帳を利用して預金を引出した行爲と詐欺罪の成立

裁判要旨
 論旨は窃取しまたは騙取した郵便貯金通帳を利用して預金を引出す行爲は賍物の處分行爲として罪とならないと主張するのである。しかし賍物を處分することは財産罪に伴う事後處分に過ぎないから別罪を構成しないことは勿論であるが窃取または騙取した郵便貯金通帳を利用して郵便局係員を欺罔し眞實名儀人において貯金の拂戻を請求するものと誤信せしめて貯金の拂戻名儀の下に金員を騙取することは更に新法益を侵害する行爲であるからここに亦犯罪の成立を認むべきであつてこれをもつて賍物の單なる事後處分と同視することはできないのである。然らば原審が所論郵便貯金通帳を利用して預金を引出した行爲に對し詐欺罪をもつて問疑したことは正常であるから論旨は理由がない。

 
Un pas de plus ! もう一歩先へ
cf. 最判平22・3・17(平成21(あ)178 職業安定法違反,詐欺,組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律違反) 全文

判示事項
 1 街頭募金詐欺について包括一罪と解することができるとされた事例
 2 包括一罪を構成する街頭募金詐欺について,その罪となるべき事実の特定に欠けるところはないとされた事例

裁判要旨
 1 街頭募金の名の下に通行人から現金をだまし取ろうと企てた者が,約2か月間にわたり,事情を知らない多数の募金活動員を通行人の多い複数の場所に配置し,募金の趣旨を立看板で掲示させるとともに,募金箱を持たせて寄付を勧誘する発言を連呼させ,これに応じた通行人から現金をだまし取ったという本件街頭募金詐欺については,(1)不特定多数の通行人一般に対し一括して同一内容の定型的な働き掛けを行って寄付を募るという態様のものであること,(2)1個の意思,企図に基づき継続して行われた活動であること,(3)被害者が投入する寄付金を個々に区別して受領するものではないことなどの特徴(判文参照)にかんがみると,これを一体のものと評価して包括一罪と解することができる。
 2 包括一罪を構成する判示のような街頭募金詐欺の罪となるべき事実については,募金に応じた多数人を被害者とした上,被告人の行った募金の方法,その方法により募金を行った期間,場所及びこれにより得た総金額を摘示することをもってその特定に欠けるところはない。

 

Un pas de plus ! もう一歩先へ
cf. 最決昭29.2.27(昭和27(あ)2972 詐欺、窃盗) 全文

判示事項
 窃盗犯人が賍物を自己の所有物として第三者より金員を騙取した場合と詐欺罪の成否。

裁判要旨
 窃盗犯人が賍物を自己の所有物と詐り第三者を欺罔して金員を騙取した場合においては、窃盗罪のほかに詐欺罪が成立する。

改正前刑法246条の2 電子計算機使用詐欺

第246条の2 前条に規定するもののほか、人の事務処理に使用する電子計算機に虚偽の情報若しくは不正な指令を与えて財産権の得喪若しくは変更に係る不実の電磁的記録を作り、又は財産権の得喪若しくは変更に係る虚偽の電磁的記録を人の事務処理の用に供して、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者は、十年以下の懲役に処する。


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改正前刑法249条 恐喝

第249条 人を恐喝して財物を交付させた者は、十年以下の懲役に処する。
 
2 前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。


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cf. 刑法249条 恐喝

Un pas de plus ! もう一歩先へ
cf. 最判昭24・1・11(昭和23(れ)1369 強盗、同未遂、恐喝) 全文

判示事項
 恐喝罪における交付の意義

裁判要旨
 恐喝取財罪の本質は、被恐喝者の畏怖に因る瑕疵ある同意を利用する財物の領得行爲であると解すべきであるから、その領得行爲の形式が被恐喝者において自から財物を提供した場合は勿論、被恐喝者が畏怖して默認し居るに乗じ恐喝者において財物を奪取した場合においても亦本罪の成立を妨ぐるものではないと謂わねばならぬ。それ故本罪の正條たる刑法第二四九條第一項の「交付せしめ」との語義は以上の各場合を包含する趣旨と解するを正當とし、亦原判決事實摘示中の「交付せしめて之を喝取し」との用辭は、右刑法正條の用語例に從いたるものと解するを相當とする。

Un pas de plus ! もう一歩先へ

詐欺的手段と恐喝手段とが併用された場合、「その畏怖の結果として相手方が財物を交付するに至つた場合は詐欺罪ではなく恐喝罪となる」としている。

cf. 最判昭24・2・8(昭和23(れ)1241 恐喝) 全文

判示事項
 一 警察官を装うて他人の所持する盜品を取上げる行爲と恐喝罪
 二 他人の所持する盜品に對する恐喝罪の成立

裁判要旨

 一 他人が窃取した綿糸を運搬して來るところを、被告人が警察官を装うて之を畏怖させその綿糸を交付させた行爲は、恐喝罪をもつて問擬すべきである。被告人の施用した手段の中に虚僞の部分即ち警察官と稱した部分があつても、その部分も相手方に畏怖の念を生ぜしめる一材料となり、その畏怖の結果として相手方が財物を交付するに至つた場合は詐欺罪ではなく、恐喝罪となるのである。
 二 本件において被害者Aの持つていた綿糸は盜品であるから、Aがそれについて正當な權利を有しないことは明らかである。しかし正當な権利を有しない者の所持であつても、その所持は所持として法律上の保護を受けるのであつて、例へば窃盜したものだからそれを強取しても處罰に値しないとはいえないのである。恐喝罪にしても同様であつて、賍物を所持する者に對し恐喝の手段を用いてその賍物を交付させた場合には矢張り恐喝罪となるのである。