第167条の2 勾留中の被告人に対し鑑定留置状が執行されたときは、被告人が留置されている間、勾留は、その執行を停止されたものとする。
2 前項の場合において、前条第一項の処分が取り消され又は留置の期間が満了したときは、第九十八条の規定を準用する。
刑事訴訟法168条 鑑定と必要な処分、許可状
第168条 鑑定人は、鑑定について必要がある場合には、裁判所の許可を受けて、人の住居若しくは人の看守する邸宅、建造物若しくは船舶内に入り、身体を検査し、死体を解剖し、墳墓を発掘し、又は物を破壊することができる。
2 裁判所は、前項の許可をするには、被告人の氏名、罪名及び立ち入るべき場所、検査すべき身体、解剖すべき死体、発掘すべき墳墓又は破壊すべき物並びに鑑定人の氏名その他裁判所の規則で定める事項を記載した許可状を発して、これをしなければならない。
3 裁判所は、身体の検査に関し、適当と認める条件を附することができる。
4 鑑定人は、第一項の処分を受ける者に許可状を示さなければならない。
5 前三項の規定は、鑑定人が公判廷でする第一項の処分については、これを適用しない。
6 第百三十一条、第百三十七条、第百三十八条及び第百四十条の規定は、鑑定人の第一項の規定によつてする身体の検査についてこれを準用する。
刑事訴訟法169条 受命裁判官
第169条 裁判所は、合議体の構成員に鑑定について必要な処分をさせることができる。但し、第百六十七条第一項に規定する処分については、この限りでない。
刑事訴訟法170条 当事者の立会い
第170条 検察官及び弁護人は、鑑定に立ち会うことができる。この場合には、第百五十七条第二項の規定を準用する。
刑事訴訟法171条 準用規定
第171条 前章の規定は、勾引に関する規定を除いて、鑑定についてこれを準用する。
刑事訴訟法172条 裁判官に対する身体検査の請求
第172条 身体の検査を受ける者が、鑑定人の第百六十八条第一項の規定によつてする身体の検査を拒んだ場合には、鑑定人は、裁判官にその者の身体の検査を請求することができる。
2 前項の請求を受けた裁判官は、第十章の規定に準じ身体の検査をすることができる。
刑事訴訟法173条 鑑定料・鑑定必要費用等
第173条 鑑定人は、旅費、日当及び宿泊料の外、鑑定料を請求し、及び鑑定に必要な費用の支払又は償還を受けることができる。
2 鑑定人は、あらかじめ鑑定に必要な費用の支払を受けた場合において、正当な理由がなく、出頭せず又は宣誓若しくは鑑定を拒んだときは、その支払を受けた費用を返納しなければならない。
刑事訴訟法174条 鑑定証人
第174条 特別の知識によつて知り得た過去の事実に関する尋問については、この章の規定によらないで、前章の規定を適用する。
刑事訴訟法175条 通訳
第175条 国語に通じない者に陳述をさせる場合には、通訳人に通訳をさせなければならない。
刑事訴訟法176条 通訳
第176条 耳の聞えない者又は口のきけない者に陳述をさせる場合には、通訳人に通訳をさせることができる。