第386条 左の場合には、控訴裁判所は、決定で控訴を棄却しなければならない。
一 第三百七十六条第一項に定める期間内に控訴趣意書を差し出さないとき。
二 控訴趣意書がこの法律若しくは裁判所の規則で定める方式に違反しているとき、又は控訴趣意書にこの法律若しくは裁判所の規則の定めるところに従い必要な疎明資料若しくは保証書を添附しないとき。
三 控訴趣意書に記載された控訴の申立の理由が、明らかに第三百七十七条乃至第三百八十二条及び第三百八十三条に規定する事由に該当しないとき。
2 前条第二項の規定は、前項の決定についてこれを準用する。
刑事訴訟法387条 弁護人の資格
第387条 控訴審では、弁護士以外の者を弁護人に選任することはできない。
刑事訴訟法388条 弁論能力
第388条 控訴審では、被告人のためにする弁論は、弁護人でなければ、これをすることができない。
刑事訴訟法389条 弁論
第389条 公判期日には、検察官及び弁護人は、控訴趣意書に基いて弁論をしなければならない。
刑事訴訟法390条 被告人の出頭
第390条 控訴審においては、被告人は、公判期日に出頭することを要しない。ただし、裁判所は、五十万円(刑法、暴力行為等処罰に関する法律及び経済関係罰則の整備に関する法律の罪以外の罪については、当分の間、五万円)以下の罰金又は科料に当たる事件以外の事件について、被告人の出頭がその権利の保護のため重要であると認めるときは、被告人の出頭を命ずることができる。
刑事訴訟法390条の2 判決宣告期日への被告人の出頭命令
第390条の2 前条の規定にかかわらず、控訴裁判所は、拘禁刑以上の刑に当たる罪で起訴されている被告人であつて、保釈又は勾留の執行停止をされているものについては、判決を宣告する公判期日への出頭を命じなければならない。ただし、重い疾病又は傷害その他やむを得ない事由により被告人が当該公判期日に出頭することが困難であると認めるときは、この限りでない。
刑事訴訟法391条 弁護人の不出頭等
第391条 弁護人が出頭しないとき、又は弁護人の選任がないときは、この法律により弁護人を要する場合又は決定で弁護人を附した場合を除いては、検察官の陳述を聴いて判決をすることができる。
刑事訴訟法392条 調査の範囲
第392条 控訴裁判所は、控訴趣意書に包含された事項は、これを調査しなければならない。
2 控訴裁判所は、控訴趣意書に包含されない事項であつても、第三百七十七条乃至第三百八十二条及び第三百八十三条に規定する事由に関しては、職権で調査をすることができる。
刑事訴訟法393条 事実の取調べ
第393条 控訴裁判所は、前条の調査をするについて必要があるときは、検察官、被告人若しくは弁護人の請求により又は職権で事実の取調をすることができる。但し、第三百八十二条の二の疎明があつたものについては、刑の量定の不当又は判決に影響を及ぼすべき事実の誤認を証明するために欠くことのできない場合に限り、これを取り調べなければならない。
2 控訴裁判所は、必要があると認めるときは、職権で、第一審判決後の刑の量定に影響を及ぼすべき情状につき取調をすることができる。
3 前二項の取調は、合議体の構成員にこれをさせ、又は地方裁判所、家庭裁判所若しくは簡易裁判所の裁判官にこれを嘱託することができる。この場合には、受命裁判官及び受託裁判官は、裁判所又は裁判長と同一の権限を有する。
4 第一項又は第二項の規定による取調をしたときは、検察官及び弁護人は、その結果に基いて弁論をすることができる。
刑事訴訟法394条 証拠能力
第394条 第一審において証拠とすることができた証拠は、控訴審においても、これを証拠とすることができる。