第157条 差押債権者が第三債務者に対し差し押さえた債権に係る給付を求める訴え(以下「取立訴訟」という。)を提起したときは、受訴裁判所は、第三債務者の申立てにより、他の債権者で訴状の送達の時までにその債権を差し押さえたものに対し、共同訴訟人として原告に参加すべきことを命ずることができる。
2 前項の裁判は、口頭弁論を経ないですることができる。
3 取立訴訟の判決の効力は、第一項の規定により参加すべきことを命じられた差押債権者で参加しなかつたものにも及ぶ。
4 前条第二項又は第三項の規定により供託の義務を負う第三債務者に対する取立訴訟において、原告の請求を認容するときは、受訴裁判所は、請求に係る金銭の支払は供託の方法によりすべき旨を判決の主文に掲げなければならない。
5 強制執行又は競売において、前項に規定する判決の原告が配当等を受けるべきときは、その配当等の額に相当する金銭は、供託しなければならない。
民事執行法41条 債務者が死亡した場合の強制執行の続行
第41条 強制執行は、その開始後に債務者が死亡した場合においても、続行することができる。
2 前項の場合において、債務者の相続人の存在又はその所在が明らかでないときは、執行裁判所は、申立てにより、相続財産又は相続人のために、特別代理人を選任することができる。
3 民事訴訟法第三十五条第二項及び第三項の規定は、前項の特別代理人について準用する。
民事執行法122条 動産執行の開始等
第122条 動産(登記することができない土地の定着物、土地から分離する前の天然果実で一月以内に収穫することが確実であるもの及び裏書の禁止されている有価証券以外の有価証券を含む。以下この節、次章及び第四章において同じ。)に対する強制執行(以下「動産執行」という。)は、執行官の目的物に対する差押えにより開始する。
2 動産執行においては、執行官は、差押債権者のためにその債権及び執行費用の弁済を受領することができる。
民事執行法38条 第三者異議の訴え
第38条 強制執行の目的物について所有権その他目的物の譲渡又は引渡しを妨げる権利を有する第三者は、債権者に対し、その強制執行の不許を求めるために、第三者異議の訴えを提起することができる。
2 前項に規定する第三者は、同項の訴えに併合して、債務者に対する強制執行の目的物についての訴えを提起することができる。
3 第一項の訴えは、執行裁判所が管轄する。
4 前二条の規定は、第一項の訴えに係る執行停止の裁判について準用する。
民事執行法123条 債務者の占有する動産の差押え
第123条 債務者の占有する動産の差押えは、執行官がその動産を占有して行う。
2 執行官は、前項の差押えをするに際し、債務者の住居その他債務者の占有する場所に立ち入り、その場所において、又は債務者の占有する金庫その他の容器について目的物を捜索することができる。この場合において、必要があるときは、閉鎖した戸及び金庫その他の容器を開くため必要な処分をすることができる。
3 執行官は、相当であると認めるときは、債務者に差し押さえた動産(以下「差押物」という。)を保管させることができる。この場合においては、差押えは、差押物について封印その他の方法で差押えの表示をしたときに限り、その効力を有する。
4 執行官は、前項の規定により債務者に差押物を保管させる場合において、相当であると認めるときは、その使用を許可することができる。
5 執行官は、必要があると認めるときは、第三項の規定により債務者に保管させた差押物を自ら保管し、又は前項の規定による許可を取り消すことができる。
民事執行法190条 動産競売の要件
第190条 動産を目的とする担保権の実行としての競売(以下「動産競売」という。)は、次に掲げる場合に限り、開始する。
一 債権者が執行官に対し当該動産を提出した場合
二 債権者が執行官に対し当該動産の占有者が差押えを承諾することを証する文書を提出した場合
三 債権者が執行官に対し次項の許可の決定書の謄本を提出し、かつ、第百九十二条において準用する第百二十三条第二項の規定による捜索に先立つて又はこれと同時に当該許可の決定が債務者に送達された場合
2 執行裁判所は、担保権の存在を証する文書を提出した債権者の申立てがあつたときは、当該担保権についての動産競売の開始を許可することができる。ただし、当該動産が第百二十三条第二項に規定する場所又は容器にない場合は、この限りでない。
3 前項の許可の決定は、債務者に送達しなければならない。
4 第二項の申立てについての裁判に対しては、執行抗告をすることができる。
民事執行法133条 先取特権者等の配当要求
第133条 先取特権又は質権を有する者は、その権利を証する文書を提出して、配当要求をすることができる。
民事執行法154条 配当要求
第154条 執行力のある債務名義の正本を有する債権者及び文書により先取特権を有することを証明した債権者は、配当要求をすることができる。
2 前項の配当要求があつたときは、その旨を記載した文書は、第三債務者に送達しなければならない。
3 配当要求を却下する裁判に対しては、執行抗告をすることができる。
民事執行法193条 債権及びその他の財産権についての担保権の実行の要件等
第193条 第百四十三条に規定する債権及び第百六十七条第一項に規定する財産権(以下この項において「その他の財産権」という。)を目的とする担保権の実行は、担保権の存在を証する文書(権利の移転について登記等を要するその他の財産権を目的とする担保権で一般の先取特権以外のものについては、第百八十一条第一項第一号から第三号まで、第二項又は第三項に規定する文書)が提出されたときに限り、開始する。担保権を有する者が目的物の売却、賃貸、滅失若しくは損傷又は目的物に対する物権の設定若しくは土地収用法(昭和二十六年法律第二百十九号)による収用その他の行政処分により債務者が受けるべき金銭その他の物に対して民法その他の法律の規定によつてするその権利の行使についても、同様とする。
2 前章第二節第四款第一目(第百四十六条第二項、第百五十二条及び第百五十三条を除く。)及び第百八十二条から第百八十四条までの規定は前項に規定する担保権の実行及び行使について、第百四十六条第二項、第百五十二条及び第百五十三条の規定は前項に規定する一般の先取特権の実行及び行使について準用する。
民事執行法43条 不動産執行の方法
第43条 不動産(登記することができない土地の定着物を除く。以下この節において同じ。)に対する強制執行(以下「不動産執行」という。)は、強制競売又は強制管理の方法により行う。これらの方法は、併用することができる。
2 金銭の支払を目的とする債権についての強制執行については、不動産の共有持分、登記された地上権及び永小作権並びにこれらの権利の共有持分は、不動産とみなす。