民法633条 請負の報酬の支払時期

第633条 報酬は、仕事の目的物の引渡しと同時に、支払わなければならない。ただし、物の引渡しを要しないときは、第六百二十四条第一項の規定を準用する。


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cf. 最判昭53・9・21(昭和52(オ)1306  損害賠償及び請負代金) 全文

判示事項
 債権額の異なる請負人の報酬債権と注文者の目的物の瑕疵修補に代わる損害賠償債権とを相殺することの許否

裁判要旨
 請負人の注文者に対する報酬債権と注文者の請負人に対する目的物の瑕疵修補に代わる損害賠償債権とは、右両債権額が異なる場合であつても相殺することが許される。

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cf. 最判平9・7・15(平成5(オ)2187 請負工事代金請求、民訴法一九八条二項の裁判申立) 全文

判示事項
 一 請負人の報酬債権と注文者の瑕疵修補に代わる損害賠償債権との相殺がされた後の報酬残債務について注文者が履行遅滞による責任を負う時期
 二 仮執行宣言に基づく給付金に商事法定利率による金員を付加してその支払を求める民訴法一九八条二項の申立てが認容された事例

裁判要旨
 一 請負人の報酬債権に対し注文者がこれと同時履行の関係にある瑕疵修補に代わる損害賠償債権を自働債権とする相殺の意思表示をした場合、注文者は、相殺後の報酬残債務について、相殺の意思表示をした日の翌日から履行遅滞による責任を負う。
 二 (省略)

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cf. 最判平9・2・14(平成5(オ)1924 工事代金) 全文

判示事項
 請負契約の注文者が瑕疵の修補に代わる損害賠償債権をもって報酬全額の支払との同時履行を主張することの可否

裁判要旨
 請負契約の目的物に瑕疵がある場合には、注文者は、瑕疵の程度や各契約当事者の交渉態度等にかんがみ信義則に反すると認められるときを除き、請負人から瑕疵の修補に代わる損害の賠償を受けるまでは、報酬全額の支払を拒むことができ、これについて履行遅滞の責任も負わない。

cf. 民法1条2項 基本原則
cf. 民法533条 同時履行の抗弁

民法203条 占有権の消滅事由

第203条 占有権は、占有者が占有の意思を放棄し、又は占有物の所持を失うことによって消滅する。ただし、占有者が占有回収の訴えを提起したときは、この限りでない。


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もう一歩先へ 1項:

所持の喪失

  • 劇場内の売店を、再三の督促にもかかわらず使用しないまま2年8か月が経過した場合には、その場所の所持を失うものと判示されています(最判昭30.11.18)。
  • 借地人が、地上の自己所有の建物を賃貸している場合には、建物が滅失したならば、借家人は建物の所持を失い、土地について借地人の自己占有となる(大判昭3.6.11)。
もう一歩先へ ただし書き:
占有者は、占有回収の訴えを提起して勝訴し、現実にその物の占有を回復したときは、現実に占有しなかった間も占有を失わず、占有が継続していたものと擬制されます。

「占有回収の訴えを提起」というためには、単に訴えを提起しただけでは足りず、①勝訴し、かつ、②その後、現実に占有を回復することも必要です(最判昭44.12.2)。

民法298条 留置権者による留置物の保管等

第298条 留置権者は、善良な管理者の注意をもって、留置物を占有しなければならない。
 
2 留置権者は、債務者の承諾を得なければ、留置物を使用し、賃貸し、又は担保に供することができない。ただし、その物の保存に必要な使用をすることは、この限りでない。
 
3 留置権者が前二項の規定に違反したときは、債務者は、留置権の消滅を請求することができる。


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民法302条 占有の喪失による留置権の消滅

第302条 留置権は、留置権者が留置物の占有を失うことによって、消滅する。ただし、第二百九十八条第二項の規定により留置物を賃貸し、又は質権の目的としたときは、この限りでない。


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占有を奪われた場合は、占有回収の訴えで目的物を取り戻すことができ、勝訴して現実に占有を回復したときは、占有を喪失しなかったことになるので、留置権は消滅しません。

cf. 民法203条ただし書き 占有権の消滅事由

民法377条 抵当権の処分の対抗要件

第377条 前条の場合には、第四百六十七条の規定に従い、主たる債務者に抵当権の処分を通知し、又は主たる債務者がこれを承諾しなければ、これをもって主たる債務者、保証人、抵当権設定者及びこれらの者の承継人に対抗することができない。
 
2 主たる債務者が前項の規定により通知を受け、又は承諾をしたときは、抵当権の処分の利益を受ける者の承諾を得ないでした弁済は、その受益者に対抗することができない。


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民法398条の11 根抵当権の処分

第398条の11 元本の確定前においては、根抵当権者は、第三百七十六条第一項の規定による根抵当権の処分をすることができない。ただし、その根抵当権を他の債権の担保とすることを妨げない。
 
2 第三百七十七条第二項の規定は、前項ただし書の場合において元本の確定前にした弁済については、適用しない。


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