会社法868条 非訟事件の管轄

第868条 この法律の規定による非訟事件(次項から第六項までに規定する事件を除く。)は、会社の本店の所在地を管轄する地方裁判所の管轄に属する。
 
2 親会社社員(会社である親会社の株主又は社員に限る。)によるこの法律の規定により株式会社が作成し、又は備え置いた書面又は電磁的記録についての次に掲げる閲覧等(閲覧、謄写、謄本若しくは抄本の交付、事項の提供又は事項を記載した書面の交付をいう。第八百七十条第二項第一号において同じ。)の許可の申立てに係る事件は、当該株式会社の本店の所在地を管轄する地方裁判所の管轄に属する。
 一 当該書面の閲覧若しくは謄写又はその謄本若しくは抄本の交付
 二 当該電磁的記録に記録された事項を表示したものの閲覧若しくは謄写又は電磁的方法による当該事項の提供若しくは当該事項を記載した書面の交付
 
3 第百七十九条の八第一項の規定による売渡株式等の売買価格の決定の申立てに係る事件は、対象会社の本店の所在地を管轄する地方裁判所の管轄に属する。
 
4 第七百五条第四項及び第七百六条第四項の規定、第七百七条、第七百十一条第三項、第七百十三条並びに第七百十四条第一項及び第三項(これらの規定を第七百十四条の七において準用する場合を含む。)の規定並びに第七百十八条第三項、第七百三十二条、第七百四十条第一項及び第七百四十一条第一項の規定による裁判の申立てに係る事件は、社債を発行した会社の本店の所在地を管轄する地方裁判所の管轄に属する。
 
5 第八百二十二条第一項の規定による外国会社の清算に係る事件並びに第八百二十七条第一項の規定による裁判及び同条第二項において準用する第八百二十五条第一項の規定による保全処分に係る事件は、当該外国会社の日本における営業所の所在地(日本に営業所を設けていない場合にあっては、日本における代表者の住所地)を管轄する地方裁判所の管轄に属する。
 
6 第八百四十三条第四項の申立てに係る事件は、同条第一項各号に掲げる行為の無効の訴えの第一審の受訴裁判所の管轄に属する。


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もう一歩先へ 1項:
非訟事件は、通常の訴訟手続(事実の認否により法律要件を満たし法律効果が認められるかを判断する手続)によらず、裁判所が、簡便迅速に事後的立場で決定することにより、事件の処理をする類型であり、会社法上の非訟事件とは、会社法第7篇第3章の規定(本条以下)による非訟事件を指します。
 
主なものとして、次のような類型があるとされます。
清算人選任、社債権者集会決議認可、債務弁済許可、株式価格決定、検査薬選任、株主総会招集許可、仮取締役・仮監査役選任、取締役会議事録閲覧謄写許可、帳簿資料保存者選任等。