刑法204条 傷害

第204条 人の身体を傷害した者は、十五年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。


e-Gov 刑法

 

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cf. 最決昭55・11・13(昭和55(し)91 再審請求棄却決定に対する即時抗告棄却決定に対する特別抗告) 全文

判示事項
 一 被害者の承諾と傷害罪の成否
 二 被害者の承諾が傷害行為の違法性を阻却しないとされた事例

裁判要旨
 一 被害者が身体傷害を承諾した場合に傷害罪が成立するか否かは、単に承諾が存在するという事実だけでなく、右承諾を得た動機、目的、身体傷害の手段、方法、損傷の部位、程度など諸般の事情を照らし合せて決すべきである。
 二 過失による自動車衝突事故であるかのように装い保険金を騙取する目的で、被害者の承諾を得てその者に故意に自己の運転する自動車を衝突させて傷害を負わせた場合には、右承諾は、当該傷害行為の違法性を阻却するものではない。

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cf. 最判昭25・11・9(昭和25(れ)1196 傷害) 全文

判示事項
 一 傷害罪において暴行と傷害の結果との間に因果関係ありと認められる特異な事例
 二 傷害罪の犯意

裁判要旨
 一 被告人が被害者に対して大声で「何をボヤボヤしているのだ」等と悪口を浴せ、矢庭に拳大の瓦の破片を投げつけ、なおも「殺すぞ」等と怒鳴りながら側にあつた鍬を振りあげて追いかける気勢を示したので被害者がこれに驚いて難を避けようとして夢中で逃げ出し、約二十間走り続けるうち過つて鉄棒に躓いて顛倒し、打撲傷を負うた場合には、右傷害の結果は、被告人の暴行によつて生じたものと解するのが相当である。
 二 傷害罪は結果犯であつて、その成立には傷害の原因たる暴行についての意思があれば足り、特に傷害の意思の存在を必要としない。

 
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cf. 最決平24・11・6(平成24(あ)23 傷害,強盗,建造物侵入,窃盗被告事件) 全文

判示事項
 共謀加担後の暴行が共謀加担前に他の者が既に生じさせていた傷害を相当程度重篤化させた場合の傷害罪の共同正犯の成立範囲

裁判要旨
 他の者が被害者に暴行を加えて傷害を負わせた後に,被告人が共謀加担した上,更に暴行を加えて被害者の傷害を相当程度重篤化させた場合,被告人は,被告人の共謀及びそれに基づく行為と因果関係を有しない共謀加担前に既に生じていた傷害結果については,傷害罪の共同正犯としての責任を負うことはなく,共謀加担後の傷害を引き起こすに足りる暴行によって傷害の発生に寄与したことについてのみ,傷害罪の共同正犯としての責任を負う。

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cf. 最決平26・3・17(平成23(あ)1224 死体遺棄,傷害致死,傷害,殺人被告事件) 全文

判示事項
 1 同一被害者に対し一定の期間内に反復累行された一連の暴行によって種々の傷害を負わせた事実について,包括一罪とされた事例
 2 包括一罪を構成する一連の暴行による傷害について,訴因の特定に欠けるところはないとされた事例

裁判要旨
 1 同一被害者に対し約4か月間又は約1か月間という一定の期間内に反復累行された一連の暴行によって種々の傷害を負わせた事実については,その暴行が,被告人と被害者との一定の人間関係を背景として,共通の動機から繰り返し犯意を生じて行われたものであることなどの事情(判文参照)に鑑みると,全体を一体のものと評価し,包括して一罪と解することができる。
 2 包括一罪を構成する一連の暴行による傷害については,本件のような訴因(判文参照)であっても,共犯者,被害者,期間,場所,暴行の態様及び傷害結果を記載することをもって,その特定に欠けるところはない。

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cf. 最判昭27・6・6(昭和25(あ)1441 傷害、性病予防法違反) 全文

判示事項
 傷害罪が暴行を手段としないで成立する一事例

裁判要旨
 性病を感染させる懸念のあることを認識しながら婦女子に対し詐言を弄して性交し、その結果病毒を感染させた場合、傷害罪が成立する。

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cf. 最決平24・7・24(平成22(あ)2011 監禁致傷,傷害被告事件) 全文

判示事項
 不法に被害者を監禁し,その結果,被害者に外傷後ストレス障害(PTSD)を発症させた場合について,監禁致傷罪の成立が認められた事例

裁判要旨
 不法に被害者を監禁し,その結果,被害者が,医学的な診断基準において求められている特徴的な精神症状が継続して発現していることなどから外傷後ストレス障害(PTSD)を発症したと認められる場合,同障害の惹起は刑法にいう傷害に当たり,監禁致傷罪が成立する。

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cf. 最決平17・3・29(平成16(あ)2145 傷害被告事件) 全文

判示事項
 自宅から隣家の被害者に向けて連日連夜ラジオの音声等を大音量で鳴らし続け被害者に慢性頭痛症等を生じさせた行為が傷害罪の実行行為に当たるとされた事例

裁判要旨
 自宅から隣家の被害者に向けて,精神的ストレスによる障害を生じさせるかもしれないことを認識しながら,連日連夜,ラジオの音声及び目覚まし時計のアラーム音を大音量で鳴らし続けるなどして,被害者に精神的ストレスを与え,慢性頭痛症等を生じさせた行為(判文参照)は,傷害罪の実行行為に当たる。

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cf. 最決平24・1・30(平成22(あ)340 傷害被告事件) 全文

判示事項
 睡眠薬等を摂取させて数時間にわたり意識障害及び筋弛緩作用を伴う急性薬物中毒の症状を生じさせた行為につき傷害罪の成立が認められた事例

裁判要旨
 病院で勤務中ないし研究中であった者に対し,睡眠薬等を摂取させたことによって,約6時間又は約2時間にわたり意識障害及び筋弛緩作用を伴う急性薬物中毒の症状を生じさせた行為は,傷害罪を構成する。