民法710条 財産以外の損害の賠償

第710条 他人の身体、自由若しくは名誉を侵害した場合又は他人の財産権を侵害した場合のいずれであるかを問わず、前条の規定により損害賠償の責任を負う者は、財産以外の損害に対しても、その賠償をしなければならない。


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cf. 最大判昭42・11・1(昭和38(オ)1408 慰藉料請求) 全文

判示事項
 不法行為による慰藉料請求権は相続の対象となるか

裁判要旨
 不法行為による慰藉料請求権は、被害者が生前に請求の意思を表明しなくても、相続の対象となる。

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もし、右事実が真実であることが証明されなくても、その行為者においてその事実を真実と信ずるについて相当の理由があるときは、右行為には故意もしくは過失がなく、結局、不法行為は成立しないものと解するのが相当である(このことは、刑法230条の2の規定の趣旨から十分窺うことができる。)。

cf. 最判昭41・6・23(昭和37(オ)815 名誉および信用毀損による損害賠償および慰藉料請求) 全文

判示事項
 公共の利害に関する事実の摘示と名誉毀損の成否

裁判要旨
 名誉毀損については、当該行為が公共の利害に関する事実に係りもつぱら公益を図る目的に出た場合において、摘示された事実が真実であることが証明されたときは、その行為は、違法性を欠いて、不法行為にならないものというべきである。

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cf. 最判平14・9・24(平成13(オ)851 損害賠償等請求事件) 全文

判示事項
 名誉,プライバシー等の侵害に基づく小説の出版の差止めを認めた原審の判断に違法がないとされた事例

裁判要旨
 甲をモデルとし,経歴,身体的特徴,家族関係等によって甲と同定可能な乙が全編にわたって登場する小説において,乙が顔面にしゅようを有すること,これについて通常人が嫌う生物や原形を残さない水死体の顔などに例えて表現されていること,乙の父親が逮捕された経歴を有していることなどの記述がされていることなど判示の事実関係の下では,公共の利益にかかわらない甲のプライバシーにわたる事項を表現内容に含む同小説の出版により公的立場にない甲の名誉,プライバシー及び名誉感情が侵害され,甲に重大で回復困難な損害を被らせるおそれがあるとして,同小説の出版の差止めを認めた原審の判断には,違法がない。