商法581条 荷受人の権利義務等

第581条 荷受人は、運送品が到達地に到着し、又は運送品の全部が滅失したときは、物品運送契約によって生じた荷送人の権利と同一の権利を取得する。
 
2 前項の場合において、荷受人が運送品の引渡し又はその損害賠償の請求をしたときは、荷送人は、その権利を行使することができない。
 
3 荷受人は、運送品を受け取ったときは、運送人に対し、運送賃等を支払う義務を負う。


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商法584条 運送人の責任の消滅

第584条 運送品の損傷又は一部滅失についての運送人の責任は、荷受人が異議をとどめないで運送品を受け取ったときは、消滅する。ただし、運送品に直ちに発見することができない損傷又は一部滅失があった場合において、荷受人が引渡しの日から二週間以内に運送人に対してその旨の通知を発したときは、この限りでない。
 
2 前項の規定は、運送品の引渡しの当時、運送人がその運送品に損傷又は一部滅失があることを知っていたときは、適用しない。
 
3 運送人が更に第三者に対して運送を委託した場合において、荷受人が第一項ただし書の期間内に運送人に対して同項ただし書の通知を発したときは、運送人に対する第三者の責任に係る同項ただし書の期間は、運送人が当該通知を受けた日から二週間を経過する日まで延長されたものとみなす。


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商法585条 運送人の責任の消滅

第585条 運送品の滅失等についての運送人の責任は、運送品の引渡しがされた日(運送品の全部滅失の場合にあっては、その引渡しがされるべき日)から一年以内に裁判上の請求がされないときは、消滅する。
 
2 前項の期間は、運送品の滅失等による損害が発生した後に限り、合意により、延長することができる。
 
3 運送人が更に第三者に対して運送を委託した場合において、運送人が第一項の期間内に損害を賠償し又は裁判上の請求をされたときは、運送人に対する第三者の責任に係る同項の期間は、運送人が損害を賠償し又は裁判上の請求をされた日から三箇月を経過する日まで延長されたものとみなす。


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商法569条 用語の意義

第569条 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
 
 一 運送人 陸上運送、海上運送又は航空運送の引受けをすることを業とする者をいう。
 
 二 陸上運送 陸上における物品又は旅客の運送をいう。
 
 三 海上運送 第六百八十四条に規定する船舶(第七百四十七条に規定する非航海船を含む。)による物品又は旅客の運送をいう。
 
 四 航空運送 航空法(昭和二十七年法律第二百三十一号)第二条第一項に規定する航空機による物品又は旅客の運送をいう。


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商法576条 損害賠償の額

第576条 運送品の滅失又は損傷の場合における損害賠償の額は、その引渡しがされるべき地及び時における運送品の市場価格(取引所の相場がある物品については、その相場)によって定める。ただし、市場価格がないときは、その地及び時における同種類で同一の品質の物品の正常な価格によって定める。
 
2 運送品の滅失又は損傷のために支払うことを要しなくなった運送賃その他の費用は、前項の損害賠償の額から控除する。
 
3 前二項の規定は、運送人の故意又は重大な過失によって運送品の滅失又は損傷が生じたときは、適用しない。


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商法577条 高価品の特則

第577条 貨幣、有価証券その他の高価品については、荷送人が運送を委託するに当たりその種類及び価額を通知した場合を除き、運送人は、その滅失、損傷又は延着について損害賠償の責任を負わない。
 
2 前項の規定は、次に掲げる場合には、適用しない。
 一 物品運送契約の締結の当時、運送品が高価品であることを運送人が知っていたとき。
 二 運送人の故意又は重大な過失によって高価品の滅失、損傷又は延着が生じたとき。


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商法592条 引渡しを受けた手荷物に関する運送人の責任等

第592条 運送人は、旅客から引渡しを受けた手荷物については、運送賃を請求しないときであっても、物品運送契約における運送人と同一の責任を負う。
 
2 運送人の被用者は、前項に規定する手荷物について、物品運送契約における運送人の被用者と同一の責任を負う。
 
3 第一項に規定する手荷物が到達地に到着した日から一週間以内に旅客がその引渡しを請求しないときは、運送人は、その手荷物を供託し、又は相当の期間を定めて催告をした後に競売に付することができる。この場合において、運送人がその手荷物を供託し、又は競売に付したときは、遅滞なく、旅客に対してその旨の通知を発しなければならない。
 
4 損傷その他の事由による価格の低落のおそれがある手荷物は、前項の催告をしないで競売に付することができる。
 
5 前二項の規定により手荷物を競売に付したときは、運送人は、その代価を供託しなければならない。ただし、その代価の全部又は一部を運送賃に充当することを妨げない。
 
6 旅客の住所又は居所が知れないときは、第三項の催告及び通知は、することを要しない。


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商法747条 非航海船による物品運送への準用

第747条 この節の規定は、商行為をする目的で専ら湖川、港湾その他の海以外の水域において航行の用に供する船舶(端舟その他ろかいのみをもって運転し、又は主としてろかいをもって運転する舟を除く。以下この編において「非航海船」という。)によって物品を運送する場合について準用する。


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