民法957条 相続債権者及び受遺者に対する弁済

第957条 第九百五十二条第二項の公告があったときは、相続財産の清算人は、全ての相続債権者及び受遺者に対し、二箇月以上の期間を定めて、その期間内にその請求の申出をすべき旨を公告しなければならない。この場合において、その期間は、同項の規定により相続人が権利を主張すべき期間として家庭裁判所が公告した期間内に満了するものでなければならない
 
2 第九百二十七条第二項から第四項まで及び第九百二十八条から第九百三十五条まで(第九百三十二条ただし書を除く。)の規定は、前項の場合について準用する。


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改正前民法957条 相続債権者及び受遺者に対する弁済

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民法等の一部を改正する法律(令和3年法律第24号)

成立 2021(令和3)年4月21日
公布 2021(令和3)年4月28日
施行日 2023(令和5)年4月1日
 
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本条の相続債権者及び受遺者への請求申出の公告・催告は、家庭裁判所が行うものでないことから、その記載内容について、相続清算人の選任及び相続人の権利主張催告の公告のような定めがありません。

cf. 家事事件手続規則109条 相続財産の清算人の選任等の公告・法第二百三条等

相続清算人としては、上記の公告を参考に必要事項や法律上定められている事項を記載することとなります。

もう一歩先へ 2項:
知れている相続債権者及び受遺者に対する個別の催告(民法927条3項)は、時効の更新事由としての承認の効力を有します。権利の存在及び額を認めている者に対して行うからです。

善管注意義務を負っている相続財産清算人としては、消滅時効に関する時効期間の経過の有無を確認したうえで、個別の催告をする必要があります。

cf. 民法927条3項 相続債権者及び受遺者に対する公告及び催告
cf. 家事事件手続法208
cf. 家事事件手続法125条6項 管理者の改任等
cf. 民法644条 受任者の注意義務