第125条 追認をすることができる時以後に、取り消すことができる行為について次に掲げる事実があったときは、追認をしたものとみなす。ただし、異議をとどめたときは、この限りでない。
一 全部又は一部の履行
二 履行の請求
三 更改
四 担保の供与
五 取り消すことができる行為によって取得した権利の全部又は一部の譲渡
六 強制執行
もう一歩先へ
もう一歩先へ
法定追認は、取消権者が取消権を有することを知っていたことは原則として不要です。
そのため、改正前民法の同条の「前条の規定により」を削除することによって、法定追認の要件は意思表示による追認の要件と異なるという判例(大判大正12年6月11日)の解釈が否定されることを避けています。
cf. 民法124条 追認の要件 もう一歩先へ
法定追認は、その前提に追認する意思があったんだろうと思われる場合に、追認の効果が発生します。
例えば未成年者がバイクを買った場合に、子供がバイクを買ったということを知りながら、保護者がバイクを受けった場合は、受け取った行為そのものが追認を意味すると見ても十分です。少なくとも契約を取消すのならば、取消すことと矛盾するような態度は取引の安全を害します。
もう一歩先へ
詐欺・強迫・制限行為能力等、取消しができる場合に、これを取消すことによってその者を保護するという趣旨を実現するために、相手方の一方的な意思によっては追認が生じることのないようになっています。