第101条 法令により拘禁された者を看守し又は護送する者がその拘禁された者を逃走させたときは、一年以上十年以下の拘禁刑に処する。cf. 改正前刑法101条 看守者等による逃走援助
刑法103条 犯人蔵匿等
第103条 罰金以上の刑に当たる罪を犯した者又は拘禁中に逃走した者を蔵匿し、又は隠避させた者は、三年以下の拘禁刑又は三十万円以下の罰金に処する。cf. 改正前刑法103条 犯人蔵匿等
判示事項
捜査の存否と犯人蔵匿罪の成否
裁判要旨
直に罰金以上の刑にあたる罪を犯した者であることを知りながら、官憲の発見、逮捕を免れるように、その者をかくまつた場合には、その犯罪がすでに捜査官憲に発覚して捜査が始つているかどうかに関係なく、犯人蔵匿罪が成立する。
判示事項
犯人蔵匿罪の成立と法廷刑が罰金以上の刑であることの認識の要否
裁判要旨
被告人において被蔵匿者が密入国者であることを認識してこれを蔵匿した以上、その刑が罰金以上であることの認識がなくても、犯人蔵匿罪が成立する。
判示事項
逮捕勾留中の犯人の身代りを出頭させる行為と犯人隠避教唆罪の成否
裁判要旨
犯人が逮捕勾留された後であつても、他の者を教唆して身代り犯人として警察署に出頭させ、自己が犯人である旨の虚偽の陳述をさせた行為は、犯人隠避教唆罪を構成する。
判示事項
一 證據調をした書類を公判調書に記載する方法
二 取寄決定をしないで證據調をしたことの正否
三 犯罪の嫌疑によつて捜査中の者と刑法第一〇三條の「罰金以上ノ罪ヲ犯シタル者」の意義
裁判要旨
一 しかし公判廷において證據調をした書類を公判調書に記載するには必ずしも書類の一々を個別具體的に掲記する必要はない。ということは當裁判所の判例とするところである。
二 取寄記録が現にその裁判所に有する場合に取寄決定は不要であるということは、大審院時代からの判例であつて(大正四年(れ)二一〇一號、同一一年二月二一日判決、大正一二年(れ)六〇〇號、同年五月一一日判決)。本件においても問題の書類は、一連の事件記録として本件記録とともに原審裁判所に現存し、その證據調につき別段の手續を必要としないものであるから、原審が取寄決定をせずに直ちにその書類につき證據調をしたことは違法でない。
三 上告論旨第三點は、刑法第一〇三條は蔵匿の對象者「罰金以上ノ罪ヲ犯シタル者」と規定しているのであるから、その者が罪を犯したという事實が確定される迄は、犯人蔵匿は成立しない。と主張する。なるほどその趣旨の學説もないではないが、刑法第一〇三條は司法に關係する國權の作用を妨害する書を處罰しようとするのであるから、「罪ヲ犯シタル者」は犯罪の嫌疑によつて捜査中の者をも含むと解釋しなくては立法の目的を達し得ない。
判示事項
犯人が他人を教唆して自己を蔵匿させ又は隠避させる行為と刑法103条の罪の教唆犯の成否
裁判要旨
なし
判示事項
一 刑訴法第四〇二条に違反しないとされた事例。
二 犯人に対する犯人隠避教唆罪の成立。
裁判要旨
一 第一審が懲役七月の実刑を言い渡したのを、控訴審が、懲役七月三年間執行猶予、罰金五、〇〇〇円に変更しても、第一審の判決を不利益に変更したものといえない。
二 犯人が他人を教唆して自己を隠避させた場合には、犯人隠避罪の教唆犯が成立する(昭和三五年(あ)九八号同年七月一八日第二小法廷決定、刑集一四巻九号一一八九頁参照)。
判示事項
犯人に対する犯人隠避教唆罪の成立。
裁判要旨
犯人が他人を教唆して自己を隠避させたときは、犯人隠避罪の教唆犯が成立する。
刑法104条 証拠隠滅等
第104条 他人の刑事事件に関する証拠を隠滅し、偽造し、若しくは変造し、又は偽造若しくは変造の証拠を使用した者は、三年以下の拘禁刑又は三十万円以下の罰金に処する。cf. 改正前刑法104条 証拠隠滅等
判示事項
捜査段階における参考人の隠匿と証憑湮滅罪の成立。
裁判要旨
捜査段階における参考人も刑法第一〇四条にいわゆる他人の刑事被告事件に関する証憑に該当し、これを隠匿すれば証憑湮滅罪が成立する。
判示事項
自己の刑事被告事件に関する証憑偽造の教唆犯の成立。
裁判要旨
犯人が他人を教唆して、自己の刑事被告事件に関する証憑を偽造させたときは、刑法第一〇四条の証憑偽造罪の教唆犯が成立する。
刑法175条 わいせつ物頒布等
第175条 わいせつな文書、図画、電磁的記録に係る記録媒体その他の物を頒布し、又は公然と陳列した者は、二年以下の拘禁刑若しくは二百五十万円以下の罰金若しくは科料に処し、又は拘禁刑及び罰金を併科する。電気通信の送信によりわいせつな電磁的記録その他の記録を頒布した者も、同様とする。cf. 改正前刑法175条 わいせつ物頒布等
2 有償で頒布する目的で、前項の物を所持し、又は同項の電磁的記録を保管した者も、同項と同様とする。
刑法174条 公然わいせつ
第174条 公然とわいせつな行為をした者は、六月以下の拘禁刑若しくは三十万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。cf. 改正前刑法174条 公然わいせつ
判示事項
夜間密閉した部屋において数十名の客を相手になされた場合と公然猥褻罪の成否
裁判要旨
原判決挙示の証拠によれば不特定多数の人を勧誘した結果各判示の日判示料亭において集まつたそれぞれ数十名の客の面前で判示の所為に及んだことが認められるので第一審判決事実認定の部にいわゆる数十名の客とは不特定の客の趣旨であると解せられ、従つて右所為がたとえ夜間一定の部屋を密閉してなされたとしても公然猥褻罪の成立を妨げるものではない。
判示事項
刑法第一七四条および第一七五条にいう公然の意義
裁判要旨
刑法第一七四条および第一七五条にいう公然とは、不特定または多数の人が認識することのできる状態をいう。
刑法105条の2 証人等威迫
第105条の2 自己若しくは他人の刑事事件の捜査若しくは審判に必要な知識を有すると認められる者又はその親族に対し、当該事件に関して、正当な理由がないのに面会を強請し、又は強談威迫の行為をした者は、二年以下の拘禁刑又は三十万円以下の罰金に処する。cf. 改正前刑法105条の2 証人等威迫
判示事項
刑法105条の2にいう「威迫」の方法
裁判要旨
刑法105条の2にいう「威迫」には,不安,困惑の念を生じさせる文言を記載した文書を送付して相手にその内容を了知させる方法による場合が含まれる。
判示事項
刑法第一〇五条ノ二にいわゆる証人威迫罪の成立要件
裁判要旨
刑法第一〇五条ノ二にいわゆる証人威迫罪の成立には、証人らが公判審理の段階において威迫された後に証拠調を受ける可能性のあることまたは公判の結果に影響を及ぼそうとの目的があることを必要としない。
刑法106条 騒乱
第106条 多衆で集合して暴行又は脅迫をした者は、騒乱の罪とし、次の区別に従って処断する。cf. 改正前刑法106条 騒乱
一 首謀者は、一年以上十年以下の拘禁刑に処する。
二 他人を指揮し、又は他人に率先して勢いを助けた者は、六月以上七年以下の拘禁刑に処する。
三 付和随行した者は、十万円以下の罰金に処する。
刑法107条 多衆不解散
第107条 暴行又は脅迫をするため多衆が集合した場合において、権限のある公務員から解散の命令を三回以上受けたにもかかわらず、なお解散しなかったときは、首謀者は三年以下の拘禁刑に処し、その他の者は十万円以下の罰金に処する。cf. 改正前刑法107条 多衆不解散
刑法108条 現住建造物等放火
刑法109条 非現住建造物等放火
第109条 放火して、現に人が住居に使用せず、かつ、現に人がいない建造物、艦船又は鉱坑を焼損した者は、二年以上の有期拘禁刑に処する。cf. 改正前刑法109条 非現住建造物等放火
2 前項の物が自己の所有に係るときは、六月以上七年以下の拘禁刑に処する。ただし、公共の危険を生じなかったときは、罰しない。
