第76条 純資産の部は、次の各号に掲げる貸借対照表等の区分に応じ、当該各号に定める項目に区分しなければならない。
一 株式会社の貸借対照表 次に掲げる項目
イ 株主資本
ロ 評価・換算差額等
ハ 株式引受権
ニ 新株予約権
二 株式会社の連結貸借対照表 次に掲げる項目
イ 株主資本
ロ 次に掲げるいずれかの項目
(1) 評価・換算差額等
(2) その他の包括利益累計額
ハ 株式引受権
ニ 新株予約権
ホ 非支配株主持分
三 持分会社の貸借対照表 次に掲げる項目
イ 社員資本
ロ 評価・換算差額等
2 株主資本に係る項目は、次に掲げる項目に区分しなければならない。この場合において、第五号に掲げる項目は、控除項目とする。
一 資本金
二 新株式申込証拠金
三 資本剰余金
四 利益剰余金
五 自己株式
六 自己株式申込証拠金
3 社員資本に係る項目は、次に掲げる項目に区分しなければならない。
一 資本金
二 出資金申込証拠金
三 資本剰余金
四 利益剰余金
4 株式会社の貸借対照表の資本剰余金に係る項目は、次に掲げる項目に区分しなければならない。
一 資本準備金
二 その他資本剰余金
5 株式会社の貸借対照表の利益剰余金に係る項目は、次に掲げる項目に区分しなければならない。
一 利益準備金
二 その他利益剰余金
6 第四項第二号及び前項第二号に掲げる項目は、適当な名称を付した項目に細分することができる。
7 評価・換算差額等又はその他の包括利益累計額に係る項目は、次に掲げる項目その他適当な名称を付した項目に細分しなければならない。ただし、第四号及び第五号に掲げる項目は、連結貸借対照表に限る。
一 その他有価証券評価差額金
二 繰延ヘッジ損益
三 土地再評価差額金
四 為替換算調整勘定
五 退職給付に係る調整累計額
8 新株予約権に係る項目は、自己新株予約権に係る項目を控除項目として区分することができる。
9 連結貸借対照表についての次の各号に掲げるものに計上すべきものは、当該各号に定めるものとする。
一 第二項第五号の自己株式 次に掲げる額の合計額
イ 当該株式会社が保有する当該株式会社の株式の帳簿価額
ロ 連結子会社並びに持分法を適用する非連結子会社及び関連会社が保有する当該株式会社の株式の帳簿価額のうち、当該株式会社のこれらの会社に対する持分に相当する額
二 第七項第四号の為替換算調整勘定 外国にある子会社又は関連会社の資産及び負債の換算に用いる為替相場と純資産の換算に用いる為替相場とが異なることによって生じる換算差額
三 第七項第五号の退職給付に係る調整累計額 次に掲げる項目の額の合計額
イ 未認識数理計算上の差異
ロ 未認識過去勤務費用
ハ その他退職給付に係る調整累計額に計上することが適当であると認められるもの
会社法579条 持分会社の成立
第579条 持分会社は、その本店の所在地において設立の登記をすることによって成立する。
会社法406条 取締役会への報告義務
第406条 監査委員は、執行役又は取締役が不正の行為をし、若しくは当該行為をするおそれがあると認めるとき、又は法令若しくは定款に違反する事実若しくは著しく不当な事実があると認めるときは、遅滞なく、その旨を取締役会に報告しなければならない。
会社法407条 監査委員による執行役等の行為の差止め
第407条 監査委員は、執行役又は取締役が指名委員会等設置会社の目的の範囲外の行為その他法令若しくは定款に違反する行為をし、又はこれらの行為をするおそれがある場合において、当該行為によって当該指名委員会等設置会社に著しい損害が生ずるおそれがあるときは、当該執行役又は取締役に対し、当該行為をやめることを請求することができる。
2 前項の場合において、裁判所が仮処分をもって同項の執行役又は取締役に対し、その行為をやめることを命ずるときは、担保を立てさせないものとする。
会社法408条 指名委員会等設置会社と執行役又は取締役との間の訴えにおける会社の代表等
第408条 第四百二十条第三項において準用する第三百四十九条第四項の規定並びに第三百五十三条及び第三百六十四条の規定にかかわらず、指名委員会等設置会社が執行役(執行役であった者を含む。以下この条において同じ。)若しくは取締役(取締役であった者を含む。以下この条において同じ。)に対し、又は執行役若しくは取締役が指名委員会等設置会社に対して訴えを提起する場合には、当該訴えについては、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める者が指名委員会等設置会社を代表する。
一 監査委員が当該訴えに係る訴訟の当事者である場合 取締役会が定める者(株主総会が当該訴えについて指名委員会等設置会社を代表する者を定めた場合にあっては、その者)
二 前号に掲げる場合以外の場合 監査委員会が選定する監査委員
2 前項の規定にかかわらず、執行役又は取締役が指名委員会等設置会社に対して訴えを提起する場合には、監査委員(当該訴えを提起する者であるものを除く。)に対してされた訴状の送達は、当該指名委員会等設置会社に対して効力を有する。
3 第四百二十条第三項において準用する第三百四十九条第四項の規定並びに第三百五十三条及び第三百六十四条の規定にかかわらず、次の各号に掲げる株式会社が指名委員会等設置会社である場合において、当該各号に定める訴えを提起するときは、当該訴えについては、監査委員会が選定する監査委員が当該指名委員会等設置会社を代表する。
一 株式交換等完全親会社(第八百四十九条第二項第一号に規定する株式交換等完全親会社をいう。次項第一号及び第五項第三号において同じ。) その株式交換等完全子会社(第八百四十七条の二第一項に規定する株式交換等完全子会社をいう。第五項第三号において同じ。)の取締役、執行役又は清算人(清算人であった者を含む。以下この条において同じ。)の責任(第八百四十七条の二第一項各号に掲げる行為の効力が生じた時までにその原因となった事実が生じたものに限る。)を追及する訴え
二 最終完全親会社等(第八百四十七条の三第一項に規定する最終完全親会社等をいう。次項第二号及び第五項第四号において同じ。) その完全子会社等(同条第二項第二号に規定する完全子会社等をいい、同条第三項の規定により当該完全子会社等とみなされるものを含む。第五項第四号において同じ。)である株式会社の取締役、執行役又は清算人に対する特定責任追及の訴え(同条第一項に規定する特定責任追及の訴えをいう。)
4 第四百二十条第三項において準用する第三百四十九条第四項の規定にかかわらず、次の各号に掲げる株式会社が指名委員会等設置会社である場合において、当該各号に定める請求をするときは、監査委員会が選定する監査委員が当該指名委員会等設置会社を代表する。
一 株式交換等完全親会社 第八百四十七条第一項の規定による請求(前項第一号に規定する訴えの提起の請求に限る。)
二 最終完全親会社等 第八百四十七条第一項の規定による請求(前項第二号に規定する特定責任追及の訴えの提起の請求に限る。)
5 第四百二十条第三項において準用する第三百四十九条第四項の規定にかかわらず、次に掲げる場合には、監査委員が指名委員会等設置会社を代表する。
一 指名委員会等設置会社が第八百四十七条第一項、第八百四十七条の二第一項若しくは第三項(同条第四項及び第五項において準用する場合を含む。)又は第八百四十七条の三第一項の規定による請求(執行役又は取締役の責任を追及する訴えの提起の請求に限る。)を受ける場合(当該監査委員が当該訴えに係る訴訟の相手方となる場合を除く。)
二 指名委員会等設置会社が第八百四十九条第四項の訴訟告知(執行役又は取締役の責任を追及する訴えに係るものに限る。)並びに第八百五十条第二項の規定による通知及び催告(執行役又は取締役の責任を追及する訴えに係る訴訟における和解に関するものに限る。)を受ける場合(当該監査委員がこれらの訴えに係る訴訟の当事者である場合を除く。)
三 株式交換等完全親会社である指名委員会等設置会社が第八百四十九条第六項の規定による通知(その株式交換等完全子会社の取締役、執行役又は清算人の責任を追及する訴えに係るものに限る。)を受ける場合
四 最終完全親会社等である指名委員会等設置会社が第八百四十九条第七項の規定による通知(その完全子会社等である株式会社の取締役、執行役又は清算人の責任を追及する訴えに係るものに限る。)を受ける場合
会社法405条 監査委員会による調査
第405条 監査委員会が選定する監査委員は、いつでも、執行役等及び支配人その他の使用人に対し、その職務の執行に関する事項の報告を求め、又は指名委員会等設置会社の業務及び財産の状況の調査をすることができる。
2 監査委員会が選定する監査委員は、監査委員会の職務を執行するため必要があるときは、指名委員会等設置会社の子会社に対して事業の報告を求め、又はその子会社の業務及び財産の状況の調査をすることができる。
3 前項の子会社は、正当な理由があるときは、同項の報告又は調査を拒むことができる。
4 第一項及び第二項の監査委員は、当該各項の報告の徴収又は調査に関する事項についての監査委員会の決議があるときは、これに従わなければならない。
会社法500条 債務の弁済の制限
会社法325条の2 電子提供措置をとる旨の定款の定め
第325条の2 株式会社は、取締役が株主総会(種類株主総会を含む。)の招集の手続を行うときは、次に掲げる資料(以下この款において「株主総会参考書類等」という。)の内容である情報について、電子提供措置(電磁的方法により株主(種類株主総会を招集する場合にあっては、ある種類の株主に限る。)が情報の提供を受けることができる状態に置く措置であって、法務省令で定めるものをいう。以下この款、第九百十一条第三項第十二号の二及び第九百七十六条第十九号において同じ。)をとる旨を定款で定めることができる。この場合において、その定款には、電子提供措置をとる旨を定めれば足りる。
一 株主総会参考書類
二 議決権行使書面
三 第四百三十七条の計算書類及び事業報告
四 第四百四十四条第六項の連結計算書類
相対的記載事項
cf.
会社法29条 定款の相対的記載事項及び任意的記載事項
もう一歩先へ
本条の電子提供制度は、株主の数が10数名程度の会社にとってはデメリットの方が大きいと考えられます。それは非公開会社であってもこの制度を設けると株主総会の招集通知を株主総会の日の2周間前までに発しなければならなくなるからです。
cf.
会社法325条の4 株主総会の招集の通知等の特則
この制度を設けなければ、非公開会社の取締役会設置会社であれば1周間前までに、取締役会非設置会社であればもっと短い期間を定款で定めることができます。
会社法325条の5 書面交付請求
第325条の5 電子提供措置をとる旨の定款の定めがある株式会社の株主(第二百九十九条第三項(第三百二十五条において準用する場合を含む。)の承諾をした株主を除く。)は、株式会社に対し、第三百二十五条の三第一項各号(第三百二十五条の七において準用する場合を含む。)に掲げる事項(以下この条において「電子提供措置事項」という。)を記載した書面の交付を請求することができる。
2 取締役は、第三百二十五条の三第一項の規定により電子提供措置をとる場合には、第二百九十九条第一項の通知に際して、前項の規定による請求(以下この条において「書面交付請求」という。)をした株主(当該株主総会において議決権を行使することができる者を定めるための基準日(第百二十四条第一項に規定する基準日をいう。)を定めた場合にあっては、当該基準日までに書面交付請求をした者に限る。)に対し、当該株主総会に係る電子提供措置事項を記載した書面を交付しなければならない。
3 株式会社は、電子提供措置事項のうち法務省令で定めるものの全部又は一部については、前項の規定により交付する書面に記載することを要しない旨を定款で定めることができる。
4 書面交付請求をした株主がある場合において、その書面交付請求の日(当該株主が次項ただし書の規定により異議を述べた場合にあっては、当該異議を述べた日)から一年を経過したときは、株式会社は、当該株主に対し、第二項の規定による書面の交付を終了する旨を通知し、かつ、これに異議のある場合には一定の期間(以下この条において「催告期間」という。)内に異議を述べるべき旨を催告することができる。ただし、催告期間は、一箇月を下ることができない。
5 前項の規定による通知及び催告を受けた株主がした書面交付請求は、催告期間を経過した時にその効力を失う。ただし、当該株主が催告期間内に異議を述べたときは、この限りでない。
もう一歩先へ 1項、3項:
会社法855条 被告
第855条 前条第一項の訴え(次条及び第九百三十七条第一項第一号ヌにおいて「株式会社の役員の解任の訴え」という。)については、当該株式会社及び前条第一項の役員を被告とする。
もう一歩先へ
株主総会決議取消しの訴えの被告は当該株式会社ですが(これは、当該決議が取締役の選任に係る場合であっても異なりません)、役員解任の訴えの場合には、株式会社及び当該役員の双方を被告としなければなりません。
cf.
会社法834条17号 被告