第31条 民事訴訟法第六十九条から第七十四条までの規定(裁判所書記官の処分に対する異議の申立てについての決定に対する即時抗告に関する部分を除く。)は、手続費用の負担について準用する。この場合において、同法第七十二条中「当事者が裁判所において和解をした場合」とあるのは「調停が成立した場合」と、「和解の費用又は訴訟費用」とあるのは「家事事件手続法(平成二十三年法律第五十二号)第二十九条第三項の調停費用又は同条第四項の訴訟費用」と、同法第七十三条第一項中「裁判及び和解」とあるのは「裁判及び調停の成立」と、「補助参加の申出の取下げ又は補助参加についての異議の取下げ」とあるのは「家事事件手続法第四十一条第一項若しくは第四十二条第一項の規定による参加の申出の取下げ又は同条第二項の規定による参加の許可の申立ての取下げ」と、同条第二項中「第六十一条から第六十六条まで及び」とあるのは「家事事件手続法第三十一条第一項において準用する」と読み替えるものとする。
2 前項において準用する民事訴訟法第六十九条第三項の規定による即時抗告並びに同法第七十一条第四項(前項において準用する同法第七十二条後段において準用する場合を含む。)、第七十三条第二項及び第七十四条第二項の異議の申立てについての裁判に対する即時抗告は、執行停止の効力を有する。
家事事件手続法28条 手続費用の負担
第28条 手続費用(家事審判に関する手続の費用(以下「審判費用」という。)及び家事調停に関する手続の費用(以下「調停費用」という。)をいう。以下同じ。)は、各自の負担とする。
2 裁判所は、事情により、前項の規定によれば当事者及び利害関係参加人(第四十二条第七項に規定する利害関係参加人をいう。第一号において同じ。)がそれぞれ負担すべき手続費用の全部又は一部を、その負担すべき者以外の者であって次に掲げるものに負担させることができる。
一 当事者又は利害関係参加人
二 前号に掲げる者以外の審判を受ける者となるべき者
三 前号に掲げる者に準ずる者であって、その裁判により直接に利益を受けるもの
3 前二項の規定によれば検察官が負担すべき手続費用は、国庫の負担とする。
家事事件手続法29条 手続費用の負担の裁判等
第29条 裁判所は、事件を完結する裁判において、職権で、その審級における審判費用(調停手続を経ている場合にあっては、調停費用を含む。)の全部について、その負担の裁判をしなければならない。ただし、事情により、事件の一部又は中間の争いに関する裁判において、その費用についての負担の裁判をすることができる。
2 上級の裁判所が本案の裁判を変更する場合には、手続の総費用(調停手続を経ている場合にあっては、調停費用を含む。)について、その負担の裁判をしなければならない。事件の差戻し又は移送を受けた裁判所がその事件を完結する裁判をする場合も、同様とする。
3 調停が成立した場合において、調停費用(審判手続を経ている場合にあっては、審判費用を含む。)の負担について特別の定めをしなかったときは、その費用は、各自が負担する。
4 第二百四十四条の規定により調停を行うことができる事件についての訴訟が係属する裁判所が第二百五十七条第二項又は第二百七十四条第一項の規定により事件を調停に付した場合において、調停が成立し、その訴訟についての訴訟費用の負担について特別の定めをしなかったときは、その費用は、各自が負担する。
家事事件手続法264条 家事調停委員の専門的意見の聴取
第264条 調停委員会は、必要があると認めるときは、当該調停委員会を組織していない家事調停委員の専門的な知識経験に基づく意見を聴取することができる。
2 前項の規定により意見を聴取する家事調停委員は、家庭裁判所が指定する。
3 前項の規定による指定を受けた家事調停委員は、調停委員会に出席して意見を述べるものとする。
家事事件手続法248条 調停委員会
第248条 調停委員会は、裁判官一人及び家事調停委員二人以上で組織する。
2 調停委員会を組織する家事調停委員は、家庭裁判所が各事件について指定する。
3 調停委員会の決議は、過半数の意見による。可否同数の場合には、裁判官の決するところによる。
4 調停委員会の評議は、秘密とする。
家事事件手続法188条 推定相続人の廃除の審判事件及び推定相続人の廃除の取消しの審判事件
第188条 推定相続人の廃除の審判事件及び推定相続人の廃除の審判の取消しの審判事件は、被相続人の住所地を管轄する家庭裁判所の管轄に属する。ただし、これらの審判事件が被相続人の死亡後に申し立てられた場合にあっては、相続が開始した地を管轄する家庭裁判所の管轄に属する。
2 第百十八条の規定は、前項に規定する審判事件における被相続人について準用する。
3 家庭裁判所は、推定相続人の廃除の審判事件においては、申立てが不適法であるとき又は申立てに理由がないことが明らかなときを除き、廃除を求められた推定相続人の陳述を聴かなければならない。この場合における陳述の聴取は、審問の期日においてしなければならない。
4 推定相続人の廃除の審判事件における手続については、申立人及び廃除を求められた推定相続人を当事者とみなして、第六十七条及び第六十九条から第七十二条までの規定を準用する。
5 次の各号に掲げる審判に対しては、当該各号に定める者は、即時抗告をすることができる。
一 推定相続人の廃除の審判 廃除された推定相続人
二 推定相続人の廃除又はその審判の取消しの申立てを却下する審判 申立人
cf.
別表第1の86
家事事件手続法277条 合意に相当する審判の対象及び要件
第277条 人事に関する訴え(離婚及び離縁の訴えを除く。)を提起することができる事項についての家事調停の手続において、次の各号に掲げる要件のいずれにも該当する場合には、家庭裁判所は、必要な事実を調査した上、第一号の合意を正当と認めるときは、当該合意に相当する審判(以下「合意に相当する審判」という。)をすることができる。ただし、当該事項に係る身分関係の当事者の一方が死亡した後は、この限りでない。
一 当事者間に申立ての趣旨のとおりの審判を受けることについて合意が成立していること。
二 当事者の双方が申立てに係る無効若しくは取消しの原因又は身分関係の形成若しくは存否の原因について争わないこと。
2 前項第一号の合意は、第二百五十八条第一項において準用する第五十四条第一項及び第二百七十条第一項に規定する方法によっては、成立させることができない。
3 第一項の家事調停の手続が調停委員会で行われている場合において、合意に相当する審判をするときは、家庭裁判所は、その調停委員会を組織する家事調停委員の意見を聴かなければならない。
4 第二百七十二条第一項から第三項までの規定は、家庭裁判所が第一項第一号の規定による合意を正当と認めない場合について準用する。
家事事件手続法82条 家事審判の申立ての取下げ
第82条 家事審判の申立ては、特別の定めがある場合を除き、審判があるまで、その全部又は一部を取り下げることができる。
2 別表第二に掲げる事項についての家事審判の申立ては、審判が確定するまで、その全部又は一部を取り下げることができる。ただし、申立ての取下げは、審判がされた後にあっては、相手方の同意を得なければ、その効力を生じない。
3 前項ただし書、第百五十三条(第百九十九条第一項において準用する場合を含む。)及び第百九十九条第二項の規定により申立ての取下げについて相手方の同意を要する場合においては、家庭裁判所は、相手方に対し、申立ての取下げがあったことを通知しなければならない。ただし、申立ての取下げが家事審判の手続の期日において口頭でされた場合において、相手方がその期日に出頭したときは、この限りでない。
4 前項本文の規定による通知を受けた日から二週間以内に相手方が異議を述べないときは、申立ての取下げに同意したものとみなす。同項ただし書の規定による場合において、申立ての取下げがあった日から二週間以内に相手方が異議を述べないときも、同様とする。
5 民事訴訟法第二百六十一条第三項及び第二百六十二条第一項の規定は、家事審判の申立ての取下げについて準用する。この場合において、同法第二百六十一条第三項ただし書中「口頭弁論、弁論準備手続又は和解の期日(以下この章において「口頭弁論等の期日」という。)」とあるのは、「家事審判の手続の期日」と読み替えるものとする。
家事事件手続法217条 管轄
第217条 任意後見契約の効力を発生させるための任意後見監督人の選任の審判事件(別表第一の百十一の項の事項についての審判事件をいう。次項及び次条において同じ。)は、任意後見契約法第二条第二号の本人(以下この節において単に「本人」という。)の住所地を管轄する家庭裁判所の管轄に属する。
2 任意後見契約法に規定する審判事件(別表第一の百十一の項から百二十一の項までの事項についての審判事件をいう。)は、任意後見契約の効力を発生させるための任意後見監督人の選任の審判事件を除き、任意後見契約の効力を発生させるための任意後見監督人の選任の審判をした家庭裁判所(抗告裁判所が当該任意後見監督人を選任した場合にあっては、その第一審裁判所である家庭裁判所)の管轄に属する。ただし、任意後見契約の効力を発生させるための任意後見監督人の選任の審判事件が家庭裁判所に係属しているときは、その家庭裁判所の管轄に属する。