第373条 被告は、訴訟を通常の手続に移行させる旨の申述をすることができる。ただし、被告が最初にすべき口頭弁論の期日において弁論をし、又はその期日が終了した後は、この限りでない。
2 訴訟は、前項の申述があった時に、通常の手続に移行する。
3 次に掲げる場合には、裁判所は、訴訟を通常の手続により審理及び裁判をする旨の決定をしなければならない。
一 第三百六十八条第一項の規定に違反して少額訴訟による審理及び裁判を求めたとき。
二 第三百六十八条第三項の規定によってすべき届出を相当の期間を定めて命じた場合において、その届出がないとき。
三 公示送達によらなければ被告に対する最初にすべき口頭弁論の期日の呼出しをすることができないとき。
四 少額訴訟により審理及び裁判をするのを相当でないと認めるとき。
4 前項の決定に対しては、不服を申し立てることができない。
5 訴訟が通常の手続に移行したときは、少額訴訟のため既に指定した期日は、通常の手続のために指定したものとみなす。
民事訴訟法374条 少額訴訟についての判決の言渡し
民事訴訟法375条 少額訴訟についての判決による支払の猶予
第375条 裁判所は、請求を認容する判決をする場合において、被告の資力その他の事情を考慮して特に必要があると認めるときは、判決の言渡しの日から三年を超えない範囲内において、認容する請求に係る金銭の支払について、その時期の定め若しくは分割払の定めをし、又はこれと併せて、その時期の定めに従い支払をしたとき、若しくはその分割払の定めによる期限の利益を次項の規定による定めにより失うことなく支払をしたときは訴え提起後の遅延損害金の支払義務を免除する旨の定めをすることができる。
2 前項の分割払の定めをするときは、被告が支払を怠った場合における期限の利益の喪失についての定めをしなければならない。
3 前二項の規定による定めに関する裁判に対しては、不服を申し立てることができない。
民事訴訟法376条 少額訴訟についての仮執行の宣言
第376条 請求を認容する判決については、裁判所は、職権で、担保を立てて、又は立てないで仮執行をすることができることを宣言しなければならない。
2 第七十六条、第七十七条、第七十九条及び第八十条の規定は、前項の担保について準用する。
民事訴訟法377条 少額訴訟のついての控訴の禁止
第377条 少額訴訟の終局判決に対しては、控訴をすることができない。
民事訴訟法378条 少額訴訟のついての異議
民事訴訟法379条 少額訴訟についての異議後の審理及び裁判
第379条 適法な異議があったときは、訴訟は、口頭弁論の終結前の程度に復する。この場合においては、通常の手続によりその審理及び裁判をする。
2 第三百六十二条、第三百六十三条、第三百六十九条、第三百七十二条第二項及び第三百七十五条の規定は、前項の審理及び裁判について準用する。
民事訴訟法380条 少額訴訟についての異議後の判決に対する不服申立て
民事訴訟法381条 少額訴訟についての過料
第381条 少額訴訟による審理及び裁判を求めた者が第三百六十八条第三項の回数について虚偽の届出をしたときは、裁判所は、決定で、十万円以下の過料に処する。
2 前項の決定に対しては、即時抗告をすることができる。
3 第百八十九条の規定は、第一項の規定による過料の裁判について準用する。
民事訴訟法382条 支払督促の要件
第382条 金銭その他の代替物又は有価証券の一定の数量の給付を目的とする請求については、裁判所書記官は、債権者の申立てにより、支払督促を発することができる。ただし、日本において公示送達によらないでこれを送達することができる場合に限る。