民事再生法49条 双務契約

第49条 双務契約について再生債務者及びその相手方が再生手続開始の時において共にまだその履行を完了していないときは、再生債務者等は、契約の解除をし、又は再生債務者の債務を履行して相手方の債務の履行を請求することができる。
 
2 前項の場合には、相手方は、再生債務者等に対し、相当の期間を定め、その期間内に契約の解除をするか又は債務の履行を請求するかを確答すべき旨を催告することができる。この場合において、再生債務者等がその期間内に確答をしないときは、同項の規定による解除権を放棄したものとみなす。
 
3 前二項の規定は、労働協約には、適用しない。
 
4 第一項の規定により再生債務者の債務の履行をする場合において、相手方が有する請求権は、共益債権とする。
 
5 破産法第五十四条の規定は、第一項の規定による契約の解除があった場合について準用する。この場合において、同条第一項中「破産債権者」とあるのは「再生債権者」と、同条第二項中「破産者」とあるのは「再生債務者」と、「破産財団」とあるのは「再生債務者財産」と、「財団債権者」とあるのは「共益債権者」と読み替えるものとする。


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もう一歩先へ 4項:

民事再生法50条 継続的給付を目的とする双務契約

第50条 再生債務者に対して継続的給付の義務を負う双務契約の相手方は、再生手続開始の申立て前の給付に係る再生債権について弁済がないことを理由としては、再生手続開始後は、その義務の履行を拒むことができない。
 
2 前項の双務契約の相手方が再生手続開始の申立て後再生手続開始前にした給付に係る請求権(一定期間ごとに債権額を算定すべき継続的給付については、申立ての日の属する期間内の給付に係る請求権を含む。)は、共益債権とする。
 
3 前二項の規定は、労働契約には、適用しない。


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民事再生法51条 双務契約についての破産法の準用

第51条 破産法第五十六条第五十八条及び第五十九条の規定は、再生手続が開始された場合について準用する。この場合において、同法第五十六条第一項中「第五十三条第一項及び第二項」とあるのは「民事再生法第四十九条第一項及び第二項」と、「破産者」とあるのは「再生債務者」と、同条第二項中「財団債権」とあるのは「共益債権」と、同法第五十八条第一項中「破産手続開始」とあるのは「再生手続開始」と、同条第三項において準用する同法第五十四条第一項中「破産債権者」とあるのは「再生債権者」と、同法第五十九条第一項中「破産手続」とあるのは「再生手続」と、同条第二項中「請求権は、破産者が有するときは破産財団に属し」とあるのは「請求権は」と、「破産債権」とあるのは「再生債権」と読み替えるものとする。


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民事再生法52条 取戻権

第52条 再生手続の開始は、再生債務者に属しない財産を再生債務者から取り戻す権利に影響を及ぼさない。
 
2 破産法第六十三条及び第六十四条の規定は、再生手続が開始された場合について準用する。この場合において、同法第六十三条第一項中「破産手続開始の決定」とあるのは「再生手続開始の決定」と、同項ただし書及び同法第六十四条中「破産管財人」とあるのは「再生債務者(管財人が選任されている場合にあっては、管財人)」と、同法第六十三条第二項中「第五十三条第一項及び第二項」とあるのは「民事再生法第四十九条第一項及び第二項」と、同条第三項中「第一項」とあるのは「前二項」と、「同項」とあるのは「第一項」と、同法第六十四条第一項中「破産者」とあるのは「再生債務者」と、「破産手続開始」とあるのは「再生手続開始」と読み替えるものとする。


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民事再生法93条 相殺の禁止

第93条 再生債権者は、次に掲げる場合には、相殺をすることができない。
 一 再生手続開始後に再生債務者に対して債務を負担したとき。
 二 支払不能(再生債務者が、支払能力を欠くために、その債務のうち弁済期にあるものにつき、一般的かつ継続的に弁済することができない状態をいう。以下同じ。)になった後に契約によって負担する債務を専ら再生債権をもってする相殺に供する目的で再生債務者の財産の処分を内容とする契約を再生債務者との間で締結し、又は再生債務者に対して債務を負担する者の債務を引き受けることを内容とする契約を締結することにより再生債務者に対して債務を負担した場合であって、当該契約の締結の当時、支払不能であったことを知っていたとき。
 三 支払の停止があった後に再生債務者に対して債務を負担した場合であって、その負担の当時、支払の停止があったことを知っていたとき。ただし、当該支払の停止があった時において支払不能でなかったときは、この限りでない。
 四 再生手続開始、破産手続開始又は特別清算開始の申立て(以下この条及び次条において「再生手続開始の申立て等」という。)があった後に再生債務者に対して債務を負担した場合であって、その負担の当時、再生手続開始の申立て等があったことを知っていたとき。
 
2 前項第二号から第四号までの規定は、これらの規定に規定する債務の負担が次の各号に掲げる原因のいずれかに基づく場合には、適用しない。
 一 法定の原因
 二 支払不能であったこと又は支払の停止若しくは再生手続開始の申立て等があったことを再生債権者が知った時より前に生じた原因
 三 再生手続開始の申立て等があった時より一年以上前に生じた原因


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民事再生法93条の2 相殺の禁止

第93条の2 再生債務者に対して債務を負担する者は、次に掲げる場合には、相殺をすることができない。
 一 再生手続開始後に他人の再生債権を取得したとき。
 二 支払不能になった後に再生債権を取得した場合であって、その取得の当時、支払不能であったことを知っていたとき。
 三 支払の停止があった後に再生債権を取得した場合であって、その取得の当時、支払の停止があったことを知っていたとき。ただし、当該支払の停止があった時において支払不能でなかったときは、この限りでない。
 四 再生手続開始の申立て等があった後に再生債権を取得した場合であって、その取得の当時、再生手続開始の申立て等があったことを知っていたとき。
 
2 前項第二号から第四号までの規定は、これらの規定に規定する再生債権の取得が次の各号に掲げる原因のいずれかに基づく場合には、適用しない。
 一 法定の原因
 二 支払不能であったこと又は支払の停止若しくは再生手続開始の申立て等があったことを再生債務者に対して債務を負担する者が知った時より前に生じた原因
 三 再生手続開始の申立て等があった時より一年以上前に生じた原因
 四 再生債務者に対して債務を負担する者と再生債務者との間の契約


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民事再生法127条 再生債権者を害する行為の否認

第127条 次に掲げる行為(担保の供与又は債務の消滅に関する行為を除く。)は、再生手続開始後、再生債務者財産のために否認することができる。
 一 再生債務者が再生債権者を害することを知ってした行為。ただし、これによって利益を受けた者が、その行為の当時、再生債権者を害することを知らなかったときは、この限りでない。
 二 再生債務者が支払の停止又は再生手続開始、破産手続開始若しくは特別清算開始の申立て(以下この節において「支払の停止等」という。)があった後にした再生債権者を害する行為。ただし、これによって利益を受けた者が、その行為の当時、支払の停止等があったこと及び再生債権者を害することを知らなかったときは、この限りでない。
 
2 再生債務者がした債務の消滅に関する行為であって、債権者の受けた給付の価額が当該行為によって消滅した債務の額より過大であるものは、前項各号に掲げる要件のいずれかに該当するときは、再生手続開始後、その消滅した債務の額に相当する部分以外の部分に限り、再生債務者財産のために否認することができる。
 
3 再生債務者が支払の停止等があった後又はその前六月以内にした無償行為及びこれと同視すべき有償行為は、再生手続開始後、再生債務者財産のために否認することができる。


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cf. 破産法160条 破産債権者を害する行為の否認

民事再生法127条の2 相当の対価を得てした財産の処分行為の否認

第127条の2 再生債務者が、その有する財産を処分する行為をした場合において、その行為の相手方から相当の対価を取得しているときは、その行為は、次に掲げる要件のいずれにも該当する場合に限り、再生手続開始後、再生債務者財産のために否認することができる。
 一 当該行為が、不動産の金銭への換価その他の当該処分による財産の種類の変更により、再生債務者において隠匿、無償の供与その他の再生債権者を害することとなる処分(以下「隠匿等の処分」という。)をするおそれを現に生じさせるものであること。
 二 再生債務者が、当該行為の当時、対価として取得した金銭その他の財産について、隠匿等の処分をする意思を有していたこと。
 三 相手方が、当該行為の当時、再生債務者が前号の隠匿等の処分をする意思を有していたことを知っていたこと。
 
2 前項の規定の適用については、当該行為の相手方が次に掲げる者のいずれかであるときは、その相手方は、当該行為の当時、再生債務者が同項第二号の隠匿等の処分をする意思を有していたことを知っていたものと推定する。
 一 再生債務者が法人である場合のその理事、取締役、執行役、監事、監査役、清算人又はこれらに準ずる者
 二 再生債務者が法人である場合にその再生債務者について次のイからハまでに掲げる者のいずれかに該当する者
  イ 再生債務者である株式会社の総株主の議決権の過半数を有する者
  ロ 再生債務者である株式会社の総株主の議決権の過半数を子株式会社又は親法人及び子株式会社が有する場合における当該親法人
  ハ 株式会社以外の法人が再生債務者である場合におけるイ又はロに掲げる者に準ずる者
 三 再生債務者の親族又は同居者


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cf. 破産法161条 相当の対価を得てした財産の処分行為の否認

民事再生法127条の3 特定の債権者に対する担保の供与等の否認

第127条の3 次に掲げる行為(既存の債務についてされた担保の供与又は債務の消滅に関する行為に限る。)は、再生手続開始後、再生債務者財産のために否認することができる。
 一 再生債務者が支払不能になった後又は再生手続開始、破産手続開始若しくは特別清算開始の申立て(以下この節において「再生手続開始の申立て等」という。)があった後にした行為。ただし、債権者が、その行為の当時、次のイ又はロに掲げる区分に応じ、それぞれ当該イ又はロに定める事実を知っていた場合に限る。
  イ 当該行為が支払不能になった後にされたものである場合 支払不能であったこと又は支払の停止があったこと。
  ロ 当該行為が再生手続開始の申立て等があった後にされたものである場合 再生手続開始の申立て等があったこと。
 二 再生債務者の義務に属せず、又はその時期が再生債務者の義務に属しない行為であって、支払不能になる前三十日以内にされたもの。ただし、債権者がその行為の当時他の再生債権者を害することを知らなかったときは、この限りでない。
 
2 前項第一号の規定の適用については、次に掲げる場合には、債権者は、同号に掲げる行為の当時、同号イ又はロに掲げる場合の区分に応じ、それぞれ当該イ又はロに定める事実(同号イに掲げる場合にあっては、支払不能であったこと及び支払の停止があったこと)を知っていたものと推定する。
 一 債権者が前条第二項各号に掲げる者のいずれかである場合
 二 前項第一号に掲げる行為が再生債務者の義務に属せず、又はその方法若しくは時期が再生債務者の義務に属しないものである場合
 
3 第一項各号の規定の適用については、支払の停止(再生手続開始の申立て等の前一年以内のものに限る。)があった後は、支払不能であったものと推定する。


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cf. 破産法162条 特定の債権者に対する担保の供与等の否認

民事再生法128条 手形債務支払の場合等の例外

第128条 前条第一項第一号の規定は、再生債務者から手形の支払を受けた者がその支払を受けなければ手形上の債務者の一人又は数人に対する手形上の権利を失う場合には、適用しない。
 
2 前項の場合において、最終の償還義務者又は手形の振出しを委託した者が振出しの当時支払の停止等があったことを知り、又は過失によって知らなかったときは、第五十六条第一項の規定により否認権を行使する権限を付与された監督委員(以下「否認権限を有する監督委員」という。)又は管財人は、これらの者に再生債務者が支払った金額を償還させることができる。
 
3 前条第一項の規定は、再生債務者が再生手続開始前の罰金等につき、その徴収の権限を有する者に対してした担保の供与又は債務の消滅に関する行為には、適用しない。


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cf. 破産法163条 手形債務支払の場合等の例外