第270条 破産手続開始の前後を問わず、債権者を害する目的で、債務者の業務及び財産(相続財産の破産にあっては相続財産に属する財産、信託財産の破産にあっては信託財産に属する財産)の状況に関する帳簿、書類その他の物件を隠滅し、偽造し、又は変造した者は、債務者(相続財産の破産にあっては相続財産、信託財産の破産にあっては信託財産)について破産手続開始の決定が確定したときは、三年以下の懲役若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。第百五十五条第二項の規定により閉鎖された破産財団に関する帳簿を隠滅し、偽造し、又は変造した者も、同様とする。
破産法271条 審尋における説明拒絶等の罪
第271条 債務者が、破産手続開始の申立て(債務者以外の者がしたものを除く。)又は免責許可の申立てについての審尋において、裁判所が説明を求めた事項について説明を拒み、又は虚偽の説明をしたときは、三年以下の懲役若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
破産法272条 破産管財人等に対する職務妨害の罪
第272条 偽計又は威力を用いて、破産管財人、保全管理人、破産管財人代理又は保全管理人代理の職務を妨害した者は、三年以下の懲役若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
破産法273条 収賄罪
第273条 破産管財人、保全管理人、破産管財人代理又は保全管理人代理(次項において「破産管財人等」という。)が、その職務に関し、賄賂を収受し、又はその要求若しくは約束をしたときは、三年以下の懲役若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
2 前項の場合において、その破産管財人等が不正の請託を受けたときは、五年以下の懲役若しくは五百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
3 破産管財人又は保全管理人が法人である場合において、破産管財人又は保全管理人の職務を行うその役員又は職員が、その破産管財人又は保全管理人の職務に関し、賄賂を収受し、又はその要求若しくは約束をしたときは、三年以下の懲役若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。破産管財人又は保全管理人が法人である場合において、その役員又は職員が、その破産管財人又は保全管理人の職務に関し、破産管財人又は保全管理人に賄賂を収受させ、又はその供与の要求若しくは約束をしたときも、同様とする。
4 前項の場合において、その役員又は職員が不正の請託を受けたときは、五年以下の懲役若しくは五百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
5 破産債権者若しくは代理委員又はこれらの者の代理人、役員若しくは職員が、債権者集会の期日における議決権の行使又は第百三十九条第二項第二号に規定する書面等投票による議決権の行使に関し、不正の請託を受けて、賄賂を収受し、又はその要求若しくは約束をしたときは、五年以下の懲役若しくは五百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
6 前各項の場合において、犯人又は法人である破産管財人若しくは保全管理人が収受した賄賂は、没収する。その全部又は一部を没収することができないときは、その価額を追徴する。
破産法274条 贈賄罪
第274条 前条第一項又は第三項に規定する賄賂を供与し、又はその申込み若しくは約束をした者は、三年以下の懲役若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
2 前条第二項、第四項又は第五項に規定する賄賂を供与し、又はその申込み若しくは約束をした者は、五年以下の懲役若しくは五百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
破産法275条 破産者等に対する面会強請等の罪
第275条 破産者(個人である破産者に限り、相続財産の破産にあっては、相続人。以下この条において同じ。)又はその親族その他の者に破産債権(免責手続の終了後にあっては、免責されたものに限る。以下この条において同じ。)を弁済させ、又は破産債権につき破産者の親族その他の者に保証をさせる目的で、破産者又はその親族その他の者に対し、面会を強請し、又は強談威迫の行為をした者は、三年以下の懲役若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
破産法21条 破産手続開始の申立書の審査
第21条 前条第一項の書面(以下この条において「破産手続開始の申立書」という。)に同項に規定する事項が記載されていない場合には、裁判所書記官は、相当の期間を定め、その期間内に不備を補正すべきことを命ずる処分をしなければならない。民事訴訟費用等に関する法律(昭和四十六年法律第四十号)の規定に従い破産手続開始の申立ての手数料を納付しない場合も、同様とする。
2 前項の処分は、相当と認める方法で告知することによって、その効力を生ずる。
3 第一項の処分に対しては、その告知を受けた日から一週間の不変期間内に、異議の申立てをすることができる。
4 前項の異議の申立ては、執行停止の効力を有する。
5 裁判所は、第三項の異議の申立てがあった場合において、破産手続開始の申立書に第一項の処分において補正を命じた不備以外の不備があると認めるときは、相当の期間を定め、その期間内に当該不備を補正すべきことを命じなければならない。
6 第一項又は前項の場合において、破産手続開始の申立人が不備を補正しないときは、裁判長は、命令で、破産手続開始の申立書を却下しなければならない。
7 前項の命令に対しては、即時抗告をすることができる。
破産法9条 不服申立て
第9条 破産手続等に関する裁判につき利害関係を有する者は、この法律に特別の定めがある場合に限り、当該裁判に対し即時抗告をすることができる。その期間は、裁判の公告があった場合には、その公告が効力を生じた日から起算して二週間とする。
破産法256条 復権の決定
第256条 破産者が弁済その他の方法により破産債権者に対する債務の全部についてその責任を免れたときは、破産裁判所は、破産者の申立てにより、復権の決定をしなければならない。
2 裁判所は、前項の申立てがあったときは、その旨を公告しなければならない。
3 破産債権者は、前項の規定による公告が効力を生じた日から起算して三月以内に、裁判所に対し、第一項の申立てについて意見を述べることができる。
4 裁判所は、第一項の申立てについての裁判をしたときは、その裁判書を破産者に、その主文を記載した書面を破産債権者に、それぞれ送達しなければならない。この場合において、裁判書の送達については、第十条第三項本文の規定は、適用しない。
5 第一項の申立てについての裁判に対しては、即時抗告をすることができる。
6 前項の即時抗告についての裁判があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。この場合においては、第十条第三項本文の規定は、適用しない。
民事再生法253条 破産債権の届出を要しない旨の決定
第253条 裁判所(破産事件を取り扱う一人の裁判官又は裁判官の合議体をいう。次項において同じ。)は、前条第一項各号又は第三項に規定する破産手続開始の決定をする場合において、終了した再生手続において届出があった再生債権の内容及び原因並びに議決権の額、第百五条第一項本文に規定する異議等のある再生債権の数、再生計画による権利の変更の有無及び内容その他の事情を考慮して相当と認めるときは、当該決定と同時に、破産債権であって当該再生手続において再生債権としての届出があったもの(再生手続開始前の罰金等及び共助対象外国租税の請求権を除く。以下この条において同じ。)を有する破産債権者は当該破産債権の届出をすることを要しない旨の決定をすることができる。
2 裁判所は、前項の規定による決定をしたときは、破産法第三十二条第一項の規定による公告に、破産債権であって前項の再生手続において再生債権としての届出があったものを有する破産債権者は当該破産債権の届出をすることを要しない旨を掲げ、かつ、その旨を知れている破産債権者に通知しなければならない。
3 第一項の規定による決定があった場合には、同項の再生手続において再生債権としての届出があった債権については、当該再生債権としての届出をした者(当該再生手続において当該届出があった債権について届出名義の変更を受けた者がある場合にあっては、その者。第六項において同じ。)が、破産法第百十一条第一項に規定する債権届出期間の初日に、破産債権の届出(同項第四号に掲げる事項の届出を含む。)をしたものとみなす。
4 前項の場合においては、当該再生債権としての届出があった債権についての次の各号に掲げる事項の届出の区分に応じ、破産債権の届出としてそれぞれ当該各号に定める事項の届出をしたものとみなす。
一 第八十七条第一項第三号ロからニまでに掲げる債権についての第九十四条第一項に規定する再生債権についての議決権の額及び再生債権の原因の届出 破産法第百十一条第一項第一号に掲げる破産債権の額及び原因の届出
二 当該再生債権としての届出があった債権のうち前号に掲げる債権以外のものについての第九十四条第一項に規定する再生債権の内容としての額及び再生債権の原因の届出 破産法第百十一条第一項第一号に掲げる破産債権の額及び原因の届出
三 第八十四条第二項各号に掲げる債権についての第九十四条第一項に規定する再生債権の内容の届出 破産法第百十一条第一項第三号に掲げる劣後的破産債権である旨の届出
四 第八十七条第一項第一号、第二号又は第三号イに掲げる債権についての第九十四条第一項に規定する再生債権の内容としての額及び再生債権についての議決権の額の届出 届出があった再生債権の内容としての額から届出があった再生債権についての議決権の額を控除した額に係る部分につき破産法第百十一条第一項第三号に掲げる劣後的破産債権である旨の届出
五 約定劣後再生債権である旨の届出があった債権についての第九十四条第一項に規定するその旨の届出 破産法第百十一条第一項第三号に掲げる約定劣後破産債権である旨の届出
六 第九十四条第二項に規定する別除権の行使によって弁済を受けることができないと見込まれる債権の額の届出 破産法第百十一条第二項第二号に掲げる別除権の行使によって弁済を受けることができないと見込まれる債権の額の届出
5 前項各号(第四号を除く。)の規定にかかわらず、第一項の再生手続が小規模個人再生又は給与所得者等再生であるときは、届出があった再生債権の額及び原因並びに担保不足見込額(第二百二十五条の規定により届出をしたものとみなされる再生債権の額及び原因並びに担保不足見込額を含む。)を破産債権の額及び原因並びに破産法第百十一条第二項第二号に掲げる別除権の行使によって弁済を受けることができないと見込まれる債権の額として届出をしたものとみなす。
6 前三項の規定は、当該再生債権としての届出をした者が破産法第百十一条第一項に規定する債権届出期間内に破産債権の届出をした場合には、当該再生債権としての届出をした者が有する第三項の再生債権としての届出があった債権については、適用しない。
7 前各項の規定は、再生計画の履行完了前に再生債務者についてされる破産手続開始の決定に係る破産手続について準用する。