民事再生法253条 破産債権の届出を要しない旨の決定

第253条 裁判所(破産事件を取り扱う一人の裁判官又は裁判官の合議体をいう。次項において同じ。)は、前条第一項各号又は第三項に規定する破産手続開始の決定をする場合において、終了した再生手続において届出があった再生債権の内容及び原因並びに議決権の額、第百五条第一項本文に規定する異議等のある再生債権の数、再生計画による権利の変更の有無及び内容その他の事情を考慮して相当と認めるときは、当該決定と同時に、破産債権であって当該再生手続において再生債権としての届出があったもの(再生手続開始前の罰金等及び共助対象外国租税の請求権を除く。以下この条において同じ。)を有する破産債権者は当該破産債権の届出をすることを要しない旨の決定をすることができる。
 
2 裁判所は、前項の規定による決定をしたときは、破産法第三十二条第一項の規定による公告に、破産債権であって前項の再生手続において再生債権としての届出があったものを有する破産債権者は当該破産債権の届出をすることを要しない旨を掲げ、かつ、その旨を知れている破産債権者に通知しなければならない。
 
3 第一項の規定による決定があった場合には、同項の再生手続において再生債権としての届出があった債権については、当該再生債権としての届出をした者(当該再生手続において当該届出があった債権について届出名義の変更を受けた者がある場合にあっては、その者。第六項において同じ。)が、破産法第百十一条第一項に規定する債権届出期間の初日に、破産債権の届出(同項第四号に掲げる事項の届出を含む。)をしたものとみなす。
 
4 前項の場合においては、当該再生債権としての届出があった債権についての次の各号に掲げる事項の届出の区分に応じ、破産債権の届出としてそれぞれ当該各号に定める事項の届出をしたものとみなす。
 一 第八十七条第一項第三号ロからニまでに掲げる債権についての第九十四条第一項に規定する再生債権についての議決権の額及び再生債権の原因の届出 破産法第百十一条第一項第一号に掲げる破産債権の額及び原因の届出
 二 当該再生債権としての届出があった債権のうち前号に掲げる債権以外のものについての第九十四条第一項に規定する再生債権の内容としての額及び再生債権の原因の届出 破産法第百十一条第一項第一号に掲げる破産債権の額及び原因の届出
 三 第八十四条第二項各号に掲げる債権についての第九十四条第一項に規定する再生債権の内容の届出 破産法第百十一条第一項第三号に掲げる劣後的破産債権である旨の届出
 四 第八十七条第一項第一号、第二号又は第三号イに掲げる債権についての第九十四条第一項に規定する再生債権の内容としての額及び再生債権についての議決権の額の届出 届出があった再生債権の内容としての額から届出があった再生債権についての議決権の額を控除した額に係る部分につき破産法第百十一条第一項第三号に掲げる劣後的破産債権である旨の届出
 五 約定劣後再生債権である旨の届出があった債権についての第九十四条第一項に規定するその旨の届出 破産法第百十一条第一項第三号に掲げる約定劣後破産債権である旨の届出
 六 第九十四条第二項に規定する別除権の行使によって弁済を受けることができないと見込まれる債権の額の届出 破産法第百十一条第二項第二号に掲げる別除権の行使によって弁済を受けることができないと見込まれる債権の額の届出
 
5 前項各号(第四号を除く。)の規定にかかわらず、第一項の再生手続が小規模個人再生又は給与所得者等再生であるときは、届出があった再生債権の額及び原因並びに担保不足見込額(第二百二十五条の規定により届出をしたものとみなされる再生債権の額及び原因並びに担保不足見込額を含む。)を破産債権の額及び原因並びに破産法第百十一条第二項第二号に掲げる別除権の行使によって弁済を受けることができないと見込まれる債権の額として届出をしたものとみなす。
 
6 前三項の規定は、当該再生債権としての届出をした者が破産法第百十一条第一項に規定する債権届出期間内に破産債権の届出をした場合には、当該再生債権としての届出をした者が有する第三項の再生債権としての届出があった債権については、適用しない。
 
7 前各項の規定は、再生計画の履行完了前に再生債務者についてされる破産手続開始の決定に係る破産手続について準用する。


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