改正前刑法240条 強盗致死傷

第240条 強盗が、人を負傷させたときは無期又は六年以上の懲役に処し、死亡させたときは死刑又は無期懲役に処する。


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cf. 刑法240条 強盗致死傷

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原審が採用した相当因果関係説(折衷説)を採用せず、行為者や被害者の認識を不要としました。

cf. 最判昭46・6・17(昭和45(あ)1070 強盗、私文書偽造、同行使、詐欺) 全文
 
判示事項
 暴行と致死の結果との間の因果関係

裁判要旨
 致死の原因たる暴行は、必ずしもそれが死亡の唯一の原因または直接の原因であることを要するものではなく、たまたま被害者の身体に高度の病変があつたため、これとあいまつて死亡の結果を生じた場合であつても、右暴行による致死の罪の成立を妨げない。

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cf. 最判昭25・12・14(昭和25(れ)1403 強盗殺人、住居侵入) 全文

判示事項
 一 疊建具と刑法第一〇八条にいわゆる「建造物」放火未遂罪の成立
 二 強盗の機会に人を殺害した所為と強盗殺人罪の成立

裁判要旨
 一 疊建具その他家屋の従物が建造物たる家屋の一部を構成するものと認めるには、該物件が家屋の一部に建付けられているだけでは足りず更らにこれを毀損しなければ取り外すことができない状態にあることを必要とするものである。従つて、判示布団は勿論判示疊のごときは未だ家屋と一体となつてこれを構成する建造物の一部といえないこと多言を要しないから、原判決の前示判示は、建造物の放火既遂の犯罪事実を認定判示したものではなく、その放火未遂の認定判示であるといわなければならない。
 二 強盗の機会に人を殺害すれば、刑法第二四〇条後段の「強盗人ヲ死ニ致シタルトキ」にあたる。

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cf. 最決昭28・2・19(昭和26(あ)3700 強盗傷人) 全文

判示事項
 一 強盗傷人罪における暴行と認められる一事例
 二 傷害が暴行の結果と認められる一事例
 三 共同被告人が弁論分離後証人としてした供述の証拠能力

裁判要旨
 一 被害者に対し「金を出せ、騒ぐと突き刺すぞ」等と申し向けて刃渡四五糎の日本刀を突きつける所為は、人の身体に対する不法な有形力の行使であつて、強盗傷人罪における暴行にあたる。
 二 右の場合、被害者が右日本刀にしがみついて救を求め、犯人がその刀を引いたことによつて右手掌等に傷害を負わしめたときは、その所為は暴行の結果といい得る。
 三 共同被告人であつても弁論分離後証人としてした供述は、完全な証拠能力を有する。

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cf. 最決昭45・12・22(昭和45(あ)1404 強盗致傷、窃盗、同未遂) 全文

判示事項
 強盗致傷罪が成立するとされた事例

裁判要旨
 夜間人通りの少ない場所で、通行中の女性の所持しているハンドバツクを窃取する目的をもつて、自動車を運転して同女に近づき、自動車の窓からハンドバツクのさげ紐をつかんで引つぱつたが、同女がこれを奪われまいとして離さなかつたため、さらに奪取の目的を達成しようとして、右さげ紐をつかんだまま自動車を進行させ、同女を引きずつて路上に転倒させたり、車体に接触させたり、あるいは道路脇の電柱に衝突させたりして、傷害を負わせたときは、強盗致傷罪が成立する。

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cf. 最判昭24・5・28(昭和24(れ)562 強盗殺人、強盗傷人、強盗、住居侵入) 全文

判示事項
 一 共同正犯につき刑法第六〇條の掲記を遺脱した判決と擬律錯誤
 二 強盜の機會に爲した殺人の現場が屋内か屋外か明白でない場合と刑法第二四〇條
 三 所有者の提出物に對する返還請求權の抛棄とその物の沒収の可否

裁判要旨
 一 被告人を所論強盜罪の共同正犯に問擬したことは明白であるから、原判決が當該事實に對する擬律において刑法第二三六條と同時に同第六〇條を適用したことは明らかである。ただ後者を併せて掲記することを遺脱したに過ぎない。このように判決書に刑法總則の法條を遺脱しても判文全體よりその遺脱が明白な場合は所論のように擬律錯誤の違法ありというべきでない。
 二 刑法第二四〇條後段の強盜殺人罪は強盜犯人が強盜をなす機會において他人を殺害することによりて成立する罪である。原判決の摘示した事實によれば、家人が騒ぎ立てたため他の共犯者が逃走したので被告人も逃走しようとしたところ同家表入口附近で被告人に追跡して來た被害者兩名の下腹部を日本刀で突刺し死に至らしめたというのである。即ち殺害の場所は同家表入口附近といつて屋内か屋外か判文上明でないが、強盜行爲が終了して別の機會に被害者兩名を殺害したものではなく、本件強盜の機會に殺害したことは明である。然らば原判決が刑法第二四〇條に問擬したのは正當であつて所論のような違法はない。論旨は理由がない。
 三 所論日本刀及鞘が被告人Aの父右Bの所有物であつたことは記録上明かであるが、同時に右Bが生駒警察署に提出した始末書には「御署において然るべく處置して頂いて結構で御座います」という記載があつて右Bは所論日本刀の返還請求權を抛棄したものと認められる。然らば原判決が犯人以外のものの所有に屬しないとして沒収したのは正當であつて所論のような違法はない。