会社法346条 役員等に欠員を生じた場合の措置

第346条 役員(監査等委員会設置会社にあっては、監査等委員である取締役若しくはそれ以外の取締役又は会計参与。以下この条において同じ。)が欠けた場合又はこの法律若しくは定款で定めた役員の員数が欠けた場合には、任期の満了又は辞任により退任した役員は、新たに選任された役員(次項の一時役員の職務を行うべき者を含む。)が就任するまで、なお役員としての権利義務を有する。
 
2 前項に規定する場合において、裁判所は、必要があると認めるときは、利害関係人の申立てにより、一時役員の職務を行うべき者を選任することができる。

3 裁判所は、前項の一時役員の職務を行うべき者を選任した場合には、株式会社がその者に対して支払う報酬の額を定めることができる。
 
4 会計監査人が欠けた場合又は定款で定めた会計監査人の員数が欠けた場合において、遅滞なく会計監査人が選任されないときは、監査役は、一時会計監査人の職務を行うべき者を選任しなければならない。
 
5 第三百三十七条及び第三百四十条の規定は、前項の一時会計監査人の職務を行うべき者について準用する。
 
6 監査役会設置会社における第四項の規定の適用については、同項中「監査役」とあるのは、「監査役会」とする。
 
7 監査等委員会設置会社における第四項の規定の適用については、同項中「監査役」とあるのは、「監査等委員会」とする。
 
8 指名委員会等設置会社における第四項の規定の適用については、同項中「監査役」とあるのは、「監査委員会」とする。


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もう一歩先へ 1項:
「解任」の場合には、本条1項の権利義務規定は適用されません。
 
「役員」とは取締役、会計参与及び監査役をいい(会社法329条1項かっこ書)、会計監査人は含まないので、会計監査人については、本条1項の権利義務規定は適用さません。

cf. 会社法329条1項 役員及び会計監査人の選任
もう一歩先へ 2項:
「一時役員」は、「一時役員等の職務を行う者に関する登記」として株式会社登記簿の役員区に「仮取締役」として登記されます。
 
cf. 商業登記規則別表第5

仮取締役の「選任登記」は、仮取締役選任の裁判を行った裁判所の書記官が嘱託します。
 
cf. 会社法937条1項2号イ 裁判による登記の嘱託

後任取締役の就任により仮取締役が退任した場合は、登記官の職権で抹消の登記がされます。いわゆる職権抹消です。後任取締役の就任の登記をするだけで良いということです。
 
cf. 商業登記規則68条1項 仮取締役又は取締役職務代行者等の登記
 
似て非なる職務代行者
 
cf. 会社法352条 取締役の職務を代行する者の権限

もう一歩先へ 4項:
会計監査人は役員ではないため、会計監査人に欠員が生じた場合は、1~3項ではなく、4項以下を適用することになります。
 
cf. 会社法329条1項 役員及び会計監査人の選任

cf. 商業登記法55条 一時会計監査人の職務を行うべき者の変更の登記