憲法15条 公務員選定罷免権、公務員の本質、普通選挙の保障、秘密投票の保障

第15条 公務員を選定し、及びこれを罷免することは、国民固有の権利である。
 
2 すべて公務員は、全体の奉仕者であつて、一部の奉仕者ではない。
 
3 公務員の選挙については、成年者による普通選挙を保障する。
 
4 すべて選挙における投票の秘密は、これを侵してはならない。選挙人は、その選択に関し公的にも私的にも責任を問はれない。


e-Gov 憲法

Un pas de plus ! もう一歩先へ 1項:
cf. 最判平7・2・28(平成5(行ツ)163 選挙人名簿不登録処分に対する異議の申出却下決定取消) 全文

判示事項
 日本国民たる住民に限り地方公共団体の議会の議員及び長の選挙権を有するものとした地方自治法一一条、一八条、公職選挙法九条二項と憲法一五条一項、九三条二項

裁判要旨
 日本国民たる住民に限り地方公共団体の議会の議員及び長の選挙権を有するものとした地方自治法一一条、一八条、公職選挙法九条二項は、憲法一五条一項、九三条二項に違反しない。

Un pas de plus ! もう一歩先へ 2項:

政令201号事件、弘前機関区事件

cf. 最大判昭28・4・8(昭和24(れ)685 昭和二三年政令第二〇一号違反) 全文

判示事項
 一 昭和二〇年勅令第五四二号と日本国憲法との関係
 二 昭和二三年政令第二〇一号は昭和二〇年勅令第五四二号に基く命令か
 三 (イ)昭和二三年七月二二日付連合国最高司令官の内閣総理大臣宛書簡は連合国最高司令官の要求といえるか。
 四 (ロ)昭和二〇年勅令第五四二号に基く命令を発し得るのは国会の議決を求めるいとまのない場合に限るか。
 五 (ハ)書簡にいわゆる公務員の意義。
 六 (ニ)政令第二〇一号が当時係属中の国又は地方公共団体を当事者とする労働争議の斡旋、調停または仲裁に関する手続を中止したことは書簡の要求範囲を逸脱したものといえるか。
 七 (ホ)政令第二〇一号が公務員の団体交渉権を禁止しながらその労働条件の改善について別途の措置を講ずるとしたことは書簡の要求範囲を逸脱したものといえるか。
 八 昭和二三年政令第二〇一号と憲法第二八条。
 九 昭和二三年政令第二〇一号と憲法第一八条。
 一〇 昭和二三年政令第二〇一号と憲法第二五条。
 一一 昭和二三年政令第二〇一号第二条第一項にいわゆる争議手段にあたる一事例。
 一二 昭和二三年政令第二〇一号と労働組合法、労働関係調整法との関係。
 一三 昭和二三年一二月三日法律第二二二号国家公務員法の一部を改正する法律附則第八条の意味。
 一四 昭和二三年政令第二〇一号にいわゆる業務の運営能率を阻害する行為の意義。

裁判要旨
 一 昭和二〇年勅令第五四二号は日本国憲法にかかわりなく憲法外において法的効力を有する。
 二 昭和二三年政令第二〇一号は昭和二〇年勅令第五四二号に基く命令である。
 三 (イ)書簡は連合国最高司令官の要求である。
 四 (ロ)昭和二〇年勅令第五四二号に基く命令を発し得るのは国会の議決に求めるいとものない場合に限らない。
 五 (ハ)書簡にいわゆる公務員とは高級官僚のみならず下級官僚及び現場官庁従業員をも意味する。
 六 (ニ)政令第二〇一号が当時係属中の国または地方公共団体を当事者とする労働争議の斡旋、調停または仲裁に関する手続を中止すると規定しても書簡の要求範囲を逸脱したものではない。
 七 (ホ)政令第二〇一号が公務員の団体交渉権を禁止しながらその労働条件の改善について別途の措置を講ずるとしたことは書簡の要求範囲を逸脱したものではない。
 八 昭和二三年政令第二〇一号は憲法第二八条に違反しない。
 九 昭和二三年政令第二〇一号は憲法第一八条に違反しない。
 一〇 公務員がその争議行為を禁止されたからとてその当然の結果として健康で文化的な最低限度の生活を営むことができなくなるというわけのものではないから、本件政令が憲法二五条に違反するという主張も採用し難い。
 一一 被告人等の所属するA組合B支部C機関区分会が国家公務員法反対、五二〇〇円ベース即時実施、芦田内閣打倒等の項目を掲げて闘争方針を定めかつ又機関区の職員が庫内手や機関車乗務員の劣悪な待遇の改善に関する政府の冷淡な態度に対し被告人等の当然の権利を奪還するため、あるいは憲法、ポツダム宣言に違反し団体交渉権を奪う政令第二〇一号の無効なものであるとの主張を掲げ、政府に対し右主張を貫徹するため、その闘争手段として、職場を離脱した場合は政令第二〇一号第二条第一項の争議手段にあたる。
 一二 昭和二三年政令第二〇一号は労働組合法、労働関係調整法にかかわりなく有効である。
 一三 昭和二三年法律第二二二号国家公務員法の一部を改正すう法律附則第八条は、国鉄従業員が日本国有鉄道法、公共企業体労働関係法が施行され国鉄従業員が公務員たる身分を喪い且つその争議行為について罰則の規定がなくなつても国家公務員たる身分を有していた当時の政令第二〇一号第一項違反行為に対する罰則の適用については依然として同令第三条によるという意味である。
 一四 昭和二三年政令第二〇一号に業務の運営能率を阻害する行為というのは具体的結果の発生を必要とするものでなく争議手段としてなされた行為が国または地方公共団体の業務の運営能率を阻害する危験性あるものであれば足りる。

Un pas de plus ! もう一歩先へ 2項:

全農林警職法事件

cf. 最大判昭48・4・25(昭和43(あ)2780 国家公務員法違反) 全文

判示事項
 一、国家公務員法(昭和四〇年法律第六九号による改正前のもの)九八条五項、一一〇条一項一七号の合憲性
 二、国家公務員法(昭和四〇年法律第六九号による改正前のもの)一一〇条一項一七号にいう「あおり」および「企て」の意義
 三、国家公務員法(昭和四〇年法律第六九号による改正前のもの)九八条五項、一一〇条一項一七号の法意
 四、政治的目的のための争議行為と憲法二八条

裁判要旨
 一 国家公務員法(昭和四〇年法律第六九号による改正前のもの)九八条五項、一一〇条一項一七号は憲法二八条に、国家公務員法(昭和四〇年法律第六九号による改正前のもの)一一〇条一項一七号は憲法一八条、二一条、三一条に違反しない。
 二 国家公務員法(昭和四〇年法律第六九号による改正前のもの)一一〇条一項一七号にいう「あおり」とは、同法九八条五項前段に規定する違法行為を実行させる目的をもつて、他人に対し、その行為を実行する決意を生じさせるような、または、すでに生じている決意を助長させるような勢いのある刺激を与えることをいい、「企て」とは、右違法行為を共謀し、そそのかし、または、あおる行為の遂行を計画準備することであつて、違法行為発生の危険性が具体的に生じたと認めうる状態に達したものをいう。
 三 国家公務員法(昭和四〇年法律第六九号による改正前のもの)九八条五項、一一〇条一項一七号は、公務員の争議行為のうち同法によつて違法とされるものとされないものとを区別し、さらに違法とされる争議行為についても違法性の強いものと弱いものとを区別したうえ、刑事制裁を科さるのはそのうち違法性の強い争議行為に限るものとし、あるいは、あおり行為等につき、争議行為の企画、共謀、説得、慫慂、指令等を争議行為にいわゆる通常随伴するものとして争議行為自体と同一視し、これを刑事制裁の対象から除くものとする趣旨ではない。
 四 私企業の労働者であると、公務員を含むその他の勤労者であるとを問わず、使用者に対する経済的地位の向上の要請とは直接関係のない警察官職務執行法の改正に対する反対のような政治的目的のために争議行為を行なうことは、憲法二八条とは無関係なものである。

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特別権力関係理論によって公務員の人権に対する制約を正当化した最高裁判所の判決

cf. 最判昭32・5・10(昭和29(オ)973 懲戒免職処分取消請求) 全文

判示事項
 公務員の懲戒処分と懲戒権者の裁量権

裁判要旨
 公務員の懲戒権者が懲戒処分を発動するかどうか、懲戒処分のうちいずれの処分を選ぶべきかを決定することは、その処分が全く事実上の根拠に基かないと認められる場合であるか、もしくは社会観念上著しく妥当を欠き懲戒権者に任された裁量権の範囲を超えるものと認められる場合を除き、懲戒権者の裁量に任されているものと解するのが相当である。