民法437条 連帯債務者の一人についての法律行為の無効等

第437条 連帯債務者の一人について法律行為の無効又は取消しの原因があっても、他の連帯債務者の債務は、その効力を妨げられない。


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改正前民法433条 連帯債務者の一人についての法律行為の無効等

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施行日 令和2(2020)年4月1日

条文番号が変わりました。

cf. 改正債権法附則1条 施行期日

参考 民法(債権関係)改正法の施行期日について@法務省
 
e.g. AとBがCに対して連帯債務を負う旨の契約をCとの間で締結した場合において、契約締結の当時Aが意思無能力であったとしても、Bは、Aの負担部分について債務を免れません。

その趣旨は、連帯債務は別個独立の債務であるから、その成立原因も個別的に扱うのが当事者の意思に適うからです。

民法176条 物権の設定及び移転

第176条 物権の設定及び移転は、当事者の意思表示のみによって、その効力を生ずる。


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物権変動の原因

  1. 法律行為 e.g. 契約の締結、法律行為の取消
  2. 法律の規定 e.g. 時効完成
  3. 事実行為 e.g. 山菜や魚などの採取
  4. 自然法則 e.g. 果実が木になる、火災で家が燃える。

物権発生の態様

  1. 原始取得 e.g. 時効取得、無主物先占
  2. 承継取得 e.g. 前主の権利を前提として権利を取得する場合
    ⇒その権利の瑕疵や負担を合わせて承継します。いわば、シミのついたままで権利を取得します。
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cf. 最判平33・6・20(不動産所有権移転登記手続等請求) 全文

判示事項
 特定物の売買と所有権移転の時期

裁判要旨
 売主の所有に属する特定物を目的とする売買においては、特にその所有権の移転が将来なされるべき約旨に出たものでないかぎり、買主に対し直ちに所有権移転の効力を生ずるものと解するを相当とする

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cf. 最判昭40・11・19(昭和40(オ)614  第三者異議) 全部

判示事項
 特定物の売買後売主が物件の所有権を取得したときと買主への所有権移転の時期・方法。

裁判要旨
 売主が第三者所有の特定物を売り渡した後右物件の所有権を取得した場合には、買主への所有権移転の時期・方法について特段の約定がないかぎり、右物件の所有権は、なんらの意思表示がなくても、売主の所有権取得と同時に買主に移転する。

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代物弁済による債務消滅の効果は、単に当事者がその意思表示をするだけでは足りず、第三者に対する対抗要件を具備したときでなければ生じないものの、そのことは、代物弁済による所有権移転の効果が原則として当事者間の代物弁済契約の意思表示によって生ずることを妨げるものではないとしています。

cf. 最判昭57・6・4(昭和57(オ)111 所有権移転登記抹消登記手続) 全文

判示事項
 不動産を目的とする代物弁済と該不動産所有権移転の時期

裁判要旨
 不動産を目的とする代物弁済契約の意思表示がされたときは、これにより該不動産の所有権移転の効果が生ずる。

cf. 民法482条 代物弁済

民法438条 連帯債務者の一人との間の更改

第438条 連帯債務者の一人と債権者との間に更改があったときは、債権は、全ての連帯債務者の利益のために消滅する。


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改正前民法435条 連帯債務者の一人との間の更改

改正前民法436条 連帯債務者の一人による相殺等

第436条  連帯債務者の一人が債権者に対して債権を有する場合において、その連帯債務者が相殺を援用したときは、債権は、すべての連帯債務者の利益のために消滅する。
 
2  前項の債権を有する連帯債務者が相殺を援用しない間は、その連帯債務者の負担部分についてのみ他の連帯債務者が相殺を援用することができる。

 
cf. 民法439条 連帯債務者の一人による相殺等

民法439条 連帯債務者の一人による相殺等

第439条 連帯債務者の一人が債権者に対して債権を有する場合において、その連帯債務者が相殺を援用したときは、債権は、全ての連帯債務者の利益のために消滅する。
 
2 前項の債権を有する連帯債務者が相殺を援用しない間は、その連帯債務者の負担部分の限度において、他の連帯債務者は、債権者に対して債務の履行を拒むことができる。


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改正前民法436条 連帯債務者の一人による相殺等