家事事件手続法107条 陳述の聴取

第107条 審判前の保全処分のうち仮の地位を定める仮処分を命ずるものは、審判を受ける者となるべき者の陳述を聴かなければ、することができない。ただし、その陳述を聴く手続を経ることにより保全処分の目的を達することができない事情があるときは、この限りでない。


e-Gov 家事事件手続法

家事事件手続法108条 記録の閲覧等

第108条 家庭裁判所(第百五条第二項の場合にあっては、高等裁判所)は、第四十七条第三項の規定にかかわらず、審判前の保全処分の事件について、当事者から同条第一項又は第二項の規定による許可の申立てがあった場合には、審判前の保全処分の事件における審判を受ける者となるべき者に対し、当該事件が係属したことを通知し、又は審判前の保全処分を告知するまでは、相当と認めるときに限り、これを許可することができる。


e-Gov 家事事件手続法

家事事件手続法109条 審判

第109条 審判前の保全処分は、疎明に基づいてする。
 
2 審判前の保全処分については、第七十四条第二項ただし書の規定は、適用しない。
 
3 審判前の保全処分の執行及び効力は、民事保全法(平成元年法律第九十一号)その他の仮差押え及び仮処分の執行及び効力に関する法令の規定に従う。この場合において、同法第四十五条中「仮に差し押さえるべき物又は係争物の所在地を管轄する地方裁判所」とあるのは、「本案の家事審判事件(家事審判事件に係る事項について家事調停の申立てがあった場合にあっては、その家事調停事件)が係属している家庭裁判所(当該家事審判事件が高等裁判所に係属しているときは、原裁判所)」とする。


e-Gov 家事事件手続法

家事事件手続法110条 即時抗告

第110条 審判前の保全処分(第百五条第二項の審判に代わる裁判を除く。次項において同じ。)の申立人は、申立てを却下する審判に対し、即時抗告をすることができる。ただし、次に掲げる保全処分の申立てを却下する審判については、この限りでない。
 
 一 第百二十六条第一項(第百三十四条第一項及び第百四十三条第一項において準用する場合を含む。)、第百五十八条第一項(第二百四十二条第三項において準用する場合を含む。)及び第二百条第一項の規定による財産の管理者の選任又は財産の管理等に関する指示の保全処分
 二 第百二十七条第一項(第百三十五条第百四十四条第百八十一条及び第二百二十五条第一項において準用する場合を含む。)、第百六十六条第一項(同条第五項において準用する場合を含む。)、第百七十四条第一項(第二百四十二条第三項において準用する場合を含む。)、第百七十五条第三項及び第二百十五条第一項の規定による職務代行者の選任の保全処分
 
2 本案の家事審判の申立てについての審判(申立てを却下する審判を除く。)に対し即時抗告をすることができる者は、審判前の保全処分(前項各号に掲げる保全処分を命ずる審判を除く。)に対し、即時抗告をすることができる。


e-Gov 家事事件手続法

家事事件手続法111条 即時抗告に伴う執行停止

第111条 前条第二項の規定により即時抗告が提起された場合において、原審判の取消しの原因となることが明らかな事情及び原審判の執行により償うことができない損害を生ずるおそれがあることについて疎明があったときは、抗告裁判所は、申立てにより、即時抗告についての裁判が効力を生ずるまでの間、担保を立てさせて、若しくは担保を立てることを条件として、若しくは担保を立てさせないで原審判の執行の停止を命じ、又は担保を立てさせて、若しくは担保を立てることを条件として既にした執行処分の取消しを命ずることができる。審判前の保全処分の事件の記録が家庭裁判所に存する間は、家庭裁判所も、これらの処分を命ずることができる。
 
2 第百六条第二項及び第三項の規定は、前項の申立てについて準用する。


e-Gov 家事事件手続法

家事事件手続法112条 審判前の保全処分の取消し

第112条 審判前の保全処分が確定した後に、保全処分を求める事由の消滅その他の事情の変更があるときは、本案の家事審判事件(家事審判事件に係る事項について家事調停の申立てがあった場合にあっては、その家事調停事件)が係属する家庭裁判所又は審判前の保全処分をした家庭裁判所は、本案の家事審判の申立てについての審判(申立てを却下する審判を除く。)に対し即時抗告をすることができる者の申立てにより又は職権で、審判前の保全処分の取消しの審判をすることができる。
 
2 本案の家事審判事件が高等裁判所に係属する場合には、その高等裁判所が、前項の審判前の保全処分の取消しの審判に代わる裁判をする。
 
3 第百六条並びに第百九条第一項及び第二項の規定は、第一項の審判前の保全処分の取消しの審判及び前項の裁判について準用する。


e-Gov 家事事件手続法

家事事件手続法113条 即時抗告等

第113条 前条第一項の審判前の保全処分の取消しの審判の申立人は、申立てを却下する審判(第百十条第一項各号に掲げる保全処分の取消しの申立てを却下する審判を除く。)に対し、即時抗告をすることができる。
 
2 審判前の保全処分の申立人は、前条第一項の審判前の保全処分の取消しの審判(第百十条第一項各号に掲げる保全処分の取消しの審判を除く。)及び第百十五条において準用する民事保全法第三十三条の規定による原状回復の審判に対し、即時抗告をすることができる。
 
3 第百十一条の規定は、前二項の規定による即時抗告に伴う執行停止について準用する。


e-Gov 家事事件手続法

家事事件手続法114条 調書の作成

第114条 裁判所書記官は、審判前の保全処分の手続の期日について、調書を作成しなければならない。ただし、裁判長においてその必要がないと認めるときは、この限りでない。
 
2 審判前の保全処分の手続については、第四十六条の規定は、適用しない。


e-Gov 家事事件手続法

家事事件手続法115条 民事保全法の準用

第115条 民事保全法第四条の規定は審判前の保全処分に関する手続における担保について、同法第十四条、第十五条及び第二十条から第二十四条まで(同法第二十三条第四項を除く。)の規定は審判前の保全処分について、同法第三十三条の規定は審判前の保全処分の取消しの裁判について、同法第三十四条の規定は第百十二条第一項の審判前の保全処分の取消しの審判について準用する。


e-Gov 家事事件手続法

家事事件手続法117条 管轄

第117条 後見開始の審判事件(別表第一の一の項の事項についての審判事件をいう。次項及び次条第一号において同じ。)は、成年被後見人となるべき者の住所地を管轄する家庭裁判所の管轄に属する。
 
2 成年後見に関する審判事件(別表第一の一の項から十六の二の項までの事項についての審判事件をいう。)は、後見開始の審判事件を除き、後見開始の審判をした家庭裁判所(抗告裁判所が後見開始の裁判をした場合にあっては、その第一審裁判所である家庭裁判所)の管轄に属する。ただし、後見開始の審判事件が家庭裁判所に係属しているときは、その家庭裁判所の管轄に属する。


e-Gov 家事事件手続法