改正前刑法227条 被略取者引渡し等

第227条 第二百二十四条、第二百二十五条又は前三条の罪を犯した者を幇助する目的で、略取され、誘拐され、又は売買された者を引き渡し、収受し、輸送し、蔵匿し、又は隠避させた者は、三月以上五年以下の懲役に処する。
 
2 第二百二十五条の二第一項の罪を犯した者を幇助する目的で、略取され又は誘拐された者を引き渡し、収受し、輸送し、蔵匿し、又は隠避させた者は、一年以上十年以下の懲役に処する。
 
3 営利、わいせつ又は生命若しくは身体に対する加害の目的で、略取され、誘拐され、又は売買された者を引き渡し、収受し、輸送し、又は蔵匿した者は、六月以上七年以下の懲役に処する。
 
4 第二百二十五条の二第一項の目的で、略取され又は誘拐された者を収受した者は、二年以上の有期懲役に処する。略取され又は誘拐された者を収受した者が近親者その他略取され又は誘拐された者の安否を憂慮する者の憂慮に乗じて、その財物を交付させ、又はこれを要求する行為をしたときも、同様とする。


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cf. 刑法227条 被略取者引渡し等

刑法228条の2 解放による刑の減軽

第228条の2 第二百二十五条の二又は第二百二十七条第二項若しくは第四項の罪を犯した者が、公訴が提起される前に、略取され又は誘拐された者を安全な場所に解放したときは、その刑を減軽する。


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cf. 最決昭54・6・26(昭和53(あ)1407 身代金目的拐取) 全文

判示事項
 一 刑法二二八条の二にいう「安全ナル場所」の意義
 二 刑法二二八条の二にいう「安全ナル場所」に解放したとされた事例

裁判要旨
 一 刑法二二八条の二にいう「安全ナル場所」とは、被拐取者がその近親者及び警察当局などによつて安全に救出されると認められる場所をいい、その場合の安全とは、被拐取者が救出されるまでの間に具体的かつ実質的な危険にさらされるおそれのないことを意味し、漠然とした抽象的な危険や単なる不安感ないし危惧感を伴うというだけでは、ただちに、安全性に欠けるとはいえない。
 二 身代金目的の誘拐犯人が、小学校一年生の被拐取者を、夜間、同児の自宅から直線距離で数キロメートル離れた農村地帯の脇道上に解放した場合であつても、その場所自体が危険なものでなく、付近民家の者らによつて救出される蓋然性も見込まれるものであつたことのほか、犯人が同児をその自宅に復帰させるため種々努力したことなど判示の事情のもとにおいては、右解放行為は刑法二二八条の二にいう「安全ナル場所」に解放したものといえる。

司法書士法施行規則42条 資料及び執務状況の調査

第42条 法務大臣(法第七十一条の二の規定により法第四十九条第一項及び第二項に規定する懲戒の手続に関する権限の委任を受けた法務局又は地方法務局の長を含む。次項及び第三項において同じ。)は、必要があると認めるときは、法第四十七条又は第四十八条第一項の規定による処分に関し、司法書士又は司法書士法人の保存する事件簿その他の関係資料若しくは執務状況を調査し、又はその職員にこれをさせることができる。
 
2 法務大臣は、前項の規定による調査を、司法書士会に委嘱することができる。
 
3 司法書士会は、前項の規定による調査の委嘱を受けたときは、その調査の結果を、意見を付して、委嘱をした法務大臣に報告しなければならない。
 
4 司法書士又は司法書士法人は、正当の理由がないのに、第一項及び第二項の規定による調査を拒んではならない。


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司法書士法施行規則37条の7 権限の委任等

第37条の7 次に掲げる法務大臣の権限は、法務局又は地方法務局の長に委任する。ただし、第二号及び第三号に掲げる権限については、法務大臣が自ら行うことを妨げない。
 
 一 法第四十九条第一項の規定による通知の受理
 
 二 法第四十九条第二項の規定による調査
 
 三 法第五十条第一項の規定による通告
 
 四 法第六十条の規定による報告の受理


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cf. 司法書士法71条の2 権限の委任 

刑法230条の2 公共の利害に関する場合の特例

第230条の2 前条第一項の行為が公共の利害に関する事実に係り、かつ、その目的が専ら公益を図ることにあったと認める場合には、事実の真否を判断し、真実であることの証明があったときは、これを罰しない。
 
2 前項の規定の適用については、公訴が提起されるに至っていない人の犯罪行為に関する事実は、公共の利害に関する事実とみなす。
 
3 前条第一項の行為が公務員又は公選による公務員の候補者に関する事実に係る場合には、事実の真否を判断し、真実であることの証明があったときは、これを罰しない。


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cf. 最大判昭44・6・25(昭和41(あ)2472 名誉毀損) 全文

判示事項
 事実を真実と誤信したことにつき相当の理由がある場合と名誉毀損罪の成否

裁判要旨
 刑法二三〇条ノ二第一項にいう事実が真実であることの証明がない場合でも、行為者がその事実を真実であると誤信し、その誤信したことについて、確実な資料、根拠に照らし相当の理由があるときは、犯罪の故意がなく、名誉毀損の罪は成立しないものと解するのが相当である。

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cf. 最判昭43・1・18(昭和42(あ)361 名誉毀損、私文書偽造、同行使、公正証書原本不実記載、同行使) 全文

判示事項
 人の噂であるという表現を用いて名誉を毀損した場合と刑法第二三〇条ノ二にいわゆる事実の証明の対象

裁判要旨
 「人の噂であるから真偽は別として」という表現を用いて公務員の名誉を毀損する事実を摘示した場合において、刑法第二三〇条ノ二所定の事実の証明の対象となるのは、風評そのものの存在ではなく、その風評の内容たる事実が真実であることと解すべきである。

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cf. 最判昭56・4・16(昭和55(あ)273 名誉毀損) 全文

判示事項
 一 私人の私生活上の行状と刑法二三〇条の二項一項にいう「公共ノ利害ニ関スル事実」
 二 刑法二三〇条の二第一項にいう「公共ノ利害ニ関スル事実」にあたるとされた事例
 三 刑法二三〇条の二第一項にいう「公共ノ利害ニ関スル事実」にあたるか否かの判断方法

裁判要旨
 一 私人の私生活上の行状であつても、そのたずさわる社会的活動の性質及びこれを通じて社会に及ぼす影響力の程度などのいかんによつては、その社会的活動に対する批判ないし評価の一資料として、刑法二三〇条の二第一項にいう「公共ノ利害ニ関スル事実」にあたる場合がある。
 二 多数の信徒を擁するわが国有数の宗教団体の教義ないしあり方を批判しその誤りを指摘するにあたり、その例証として摘示した「右宗教団体の会長(当時)の女性関係が乱脈をきわめており、同会長と関係のあつた女性二名が同会長によつて国会に送り込まれていること」などの事実は、同会長が、右宗教団体において、その教義を身をもつて実践すべき信仰上のほぼ絶対的な指導者であつて、公私を問わずその言動が信徒の精神生活等に重大な影響を与える立場にあつたなど判示の事実関係のもとにおいては、刑法二三〇条の二第一項にいう「公共ノ利害ニ関スル事実」にあたる。
 三 刑法二三〇条の二第一項にいう「公共ノ利害ニ関スル事実」にあたるか否かは、摘示された事実自体の内容・性質に照らして客観的に判断されるべきであり、これを摘示する際の表現方法や事実調査の程度などは、同条にいわゆる公益目的の有無の認定等に関して考慮されるべきことがらであつて、摘示された事実が「公共ノ利害ニ関スル事実」にあたるか否かの判断を左右するものではない。

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cf. 最決平22・3・15(平成21(あ)360 名誉毀損被告事件) 全文

判示事項
 1 インターネットの個人利用者による名誉毀損と摘示事実を真実と誤信したことについての相当の理由
 2 インターネットの個人利用者による名誉毀損行為につき,摘示事実を真実と誤信したことについて相当の理由がないとされた事例

裁判要旨
 1 インターネットの個人利用者による表現行為の場合においても,他の表現手段を利用した場合と同様に,行為者が摘示した事実を真実であると誤信したことについて,確実な資料,根拠に照らして相当の理由があると認められるときに限り,名誉毀損罪は成立しないものと解するのが相当であって,より緩やかな要件で同罪の成立を否定すべきではない。
 2 インターネットの個人利用者が,摘示した事実を真実であると誤信してした名誉毀損行為について,その根拠とした資料の中には一方的立場から作成されたにすぎないものもあることなどの本件事実関係(判文参照)の下においては,上記誤信について,確実な資料,根拠に照らして相当の理由があるとはいえない。