第73条 敷地権付き区分建物についての所有権又は担保権(一般の先取特権、質権又は抵当権をいう。以下この条において同じ。)に係る権利に関する登記は、第四十六条の規定により敷地権である旨の登記をした土地の敷地権についてされた登記としての効力を有する。ただし、次に掲げる登記は、この限りでない。
一 敷地権付き区分建物についての所有権又は担保権に係る権利に関する登記であって、区分建物に関する敷地権の登記をする前に登記されたもの(担保権に係る権利に関する登記にあっては、当該登記の目的等(登記の目的、申請の受付の年月日及び受付番号並びに登記原因及びその日付をいう。以下この号において同じ。)が当該敷地権となった土地の権利についてされた担保権に係る権利に関する登記の目的等と同一であるものを除く。)
二 敷地権付き区分建物についての所有権に係る仮登記であって、区分建物に関する敷地権の登記をした後に登記されたものであり、かつ、その登記原因が当該建物の当該敷地権が生ずる前に生じたもの
三 敷地権付き区分建物についての質権又は抵当権に係る権利に関する登記であって、区分建物に関する敷地権の登記をした後に登記されたものであり、かつ、その登記原因が当該建物の当該敷地権が生ずる前に生じたもの
四 敷地権付き区分建物についての所有権又は質権若しくは抵当権に係る権利に関する登記であって、区分建物に関する敷地権の登記をした後に登記されたものであり、かつ、その登記原因が当該建物の当該敷地権が生じた後に生じたもの(区分所有法第二十二条第一項本文(同条第三項において準用する場合を含む。)の規定により区分所有者の有する専有部分とその専有部分に係る敷地利用権とを分離して処分することができない場合(以下この条において「分離処分禁止の場合」という。)を除く。)
2 第四十六条の規定により敷地権である旨の登記をした土地には、敷地権の移転の登記又は敷地権を目的とする担保権に係る権利に関する登記をすることができない。ただし、当該土地が敷地権の目的となった後にその登記原因が生じたもの(分離処分禁止の場合を除く。)又は敷地権についての仮登記若しくは質権若しくは抵当権に係る権利に関する登記であって当該土地が敷地権の目的となる前にその登記原因が生じたものは、この限りでない。
3 敷地権付き区分建物には、当該建物のみの所有権の移転を登記原因とする所有権の登記又は当該建物のみを目的とする担保権に係る権利に関する登記をすることができない。ただし、当該建物の敷地権が生じた後にその登記原因が生じたもの(分離処分禁止の場合を除く。)又は当該建物のみの所有権についての仮登記若しくは当該建物のみを目的とする質権若しくは抵当権に係る権利に関する登記であって当該建物の敷地権が生ずる前にその登記原因が生じたものは、この限りでない。
不動産登記令3条 申請情報
第3条 登記の申請をする場合に登記所に提供しなければならない法第十八条の申請情報の内容は、次に掲げる事項とする。
一 申請人の氏名又は名称及び住所
二 申請人が法人であるときは、その代表者の氏名
三 代理人によって登記を申請するときは、当該代理人の氏名又は名称及び住所並びに代理人が法人であるときはその代表者の氏名
四 民法(明治二十九年法律第八十九号)第四百二十三条その他の法令の規定により他人に代わって登記を申請するときは、申請人が代位者である旨、当該他人の氏名又は名称及び住所並びに代位原因
五 登記の目的
六 登記原因及びその日付(所有権の保存の登記を申請する場合にあっては、法第七十四条第二項の規定により敷地権付き区分建物について申請するときに限る。)
七 土地の表示に関する登記又は土地についての権利に関する登記を申請するときは、次に掲げる事項
イ 土地の所在する市、区、郡、町、村及び字
ロ 地番(土地の表題登記を申請する場合、法第七十四条第一項第二号又は第三号に掲げる者が表題登記がない土地について所有権の保存の登記を申請する場合及び表題登記がない土地について所有権の処分の制限の登記を嘱託する場合を除く。)
ハ 地目
ニ 地積
八 建物の表示に関する登記又は建物についての権利に関する登記を申請するときは、次に掲げる事項
イ 建物の所在する市、区、郡、町、村、字及び土地の地番(区分建物である建物にあっては、当該建物が属する一棟の建物の所在する市、区、郡、町、村、字及び土地の地番)
ロ 家屋番号(建物の表題登記(合体による登記等における合体後の建物についての表題登記を含む。)を申請する場合、法第七十四条第一項第二号又は第三号に掲げる者が表題登記がない建物について所有権の保存の登記を申請する場合及び表題登記がない建物について所有権の処分の制限の登記を嘱託する場合を除く。)
ハ 建物の種類、構造及び床面積
ニ 建物の名称があるときは、その名称
ホ 附属建物があるときは、その所在する市、区、郡、町、村、字及び土地の地番(区分建物である附属建物にあっては、当該附属建物が属する一棟の建物の所在する市、区、郡、町、村、字及び土地の地番)並びに種類、構造及び床面積
ヘ 建物又は附属建物が区分建物であるときは、当該建物又は附属建物が属する一棟の建物の構造及び床面積(トに掲げる事項を申請情報の内容とする場合(ロに規定する場合を除く。)を除く。)
ト 建物又は附属建物が区分建物である場合であって、当該建物又は附属建物が属する一棟の建物の名称があるときは、その名称
九 表題登記又は権利の保存、設定若しくは移転の登記(根質権、根抵当権及び信託の登記を除く。)を申請する場合において、表題部所有者又は登記名義人となる者が二人以上であるときは、当該表題部所有者又は登記名義人となる者ごとの持分
十 法第三十条の規定により表示に関する登記を申請するときは、申請人が表題部所有者又は所有権の登記名義人の相続人その他の一般承継人である旨
十一 権利に関する登記を申請するときは、次に掲げる事項
イ 申請人が登記権利者又は登記義務者(登記権利者及び登記義務者がない場合にあっては、登記名義人)でないとき(第四号並びにロ及びハの場合を除く。)は、登記権利者、登記義務者又は登記名義人の氏名又は名称及び住所
ロ 法第六十二条の規定により登記を申請するときは、申請人が登記権利者、登記義務者又は登記名義人の相続人その他の一般承継人である旨
ハ ロの場合において、登記名義人となる登記権利者の相続人その他の一般承継人が申請するときは、登記権利者の氏名又は名称及び一般承継の時における住所
ニ 登記の目的である権利の消滅に関する定め又は共有物分割禁止の定めがあるときは、その定め
ホ 権利の一部を移転する登記を申請するときは、移転する権利の一部
ヘ 敷地権付き区分建物についての所有権、一般の先取特権、質権又は抵当権に関する登記(法第七十三条第三項ただし書に規定する登記を除く。)を申請するときは、次に掲げる事項
(1) 敷地権の目的となる土地の所在する市、区、郡、町、村及び字並びに当該土地の地番、地目及び地積
(2) 敷地権の種類及び割合
十二 申請人が法第二十二条に規定する申請をする場合において、同条ただし書の規定により登記識別情報を提供することができないときは、当該登記識別情報を提供することができない理由
十三 前各号に掲げるもののほか、別表の登記欄に掲げる登記を申請するときは、同表の申請情報欄に掲げる事項
不動産登記規則46条 契印等
第46条 申請人又はその代表者若しくは代理人は、申請書が二枚以上であるときは、各用紙のつづり目に契印をしなければならない。
2 前項の契印は、申請人又はその代表者若しくは代理人が二人以上ある場合は、その一人がすれば足りる。ただし、登記権利者及び登記義務者が共同して登記の申請をするときは、登記権利者又はその代表者若しくはその代理人及び登記義務者又はその代表者若しくはその代理人の各一人がしなければならない。
3 令別表の六十五の項添付情報欄に掲げる信託目録に記録すべき情報を記載した書面が二枚以上であるときは、申請人又はその代表者若しくは代理人は、各用紙に当該用紙が何枚目であるかを記載し、各用紙のつづり目に契印をしなければならない。この場合においては、前項の規定を準用する。
不動産登記規則90条 不動産番号
第90条 登記官は、法第二十七条第四号の不動産を識別するために必要な事項として、一筆の土地又は一個の建物ごとに番号、記号その他の符号を記録することができる。
不動産登記事務取扱手続準則128条 還付通知
不動産登記事務取扱手続準則28条 申請の却下
第28条 申請の却下の決定書は,申請人に交付するもののほか,登記所に保存すべきものを1通作成しなければならない。
2 登記官は,前項の登記所に保存すべき決定書の原本の欄外に決定告知の年月日及びその方法を記載して登記官印を押印し,これを日記番号の順序に従って決定原本つづり込み帳につづり込むものとする。
3 第1項の場合には,受付帳に「却下」と記録し,書面申請にあっては,申請書に却下した旨を記載し,これを申請書類つづり込み帳につづり込むものとする。
4 登記官は,不動産登記令(平成16年政令第379号。以下「令」という。)第4条ただし書の規定により一の申請情報によって2以上の申請がされた場合において,その一部を却下するときは,受付帳に「一部却下」と記録した上,書面申請にあっては,申請書に次の各号に掲げる却下の区分に応じ,当該各号に定める記録をしなければならない。
一 2以上の登記の目的に係る申請のうち一の登記の目的に係る申請についての却下却下に係る登記の目的についての記載の上部に,別記第43号様式による印版を押印し,当該登記の目的を記録すること。
二 2以上の不動産のうち一部についての却下却下に係る不動産の所在の記載の上部に,別記第43号様式による印版を押印すること。
5 規則第38条第2項の規定により申請人に送付した決定書の原本が所在不明等を理由として返送されたときでも,何らの措置を要しない。この場合において,当該返送された決定書の原本は,当該登記の申請書(電子申請にあっては,第32条第3項に規定する電子申請管理用紙)と共に申請書類つづり込み帳につづり込むものとする。
6 登記官は,規則第38条第3項ただし書の規定により添付書面を還付しなかった場合は,申請書の適宜の余白にその理由を記載するものとする。この場合において,還付しなかった添付書面は,当該登記の申請書と共に申請書類つづり込み帳につづり込むものとする。
7 捜査機関が申請書又は規則第38条第3項ただし書の規定により還付しなかった添付書面の押収をしようとするときは,これに応じるものとする。この場合には,押収に係る書面の写しを作成し,当該写しに当該捜査機関の名称及び押収の年月日を記載した上,当該書面が捜査機関から返還されるまでの間,前項の規定により申請書類つづり込み帳につづり込むべき箇所に当該写しをつづり込むものとする。
8 法第25条第10号の規定により却下する場合には,期間満了日の翌日の日付をもってするものとする。法第23条第1項の通知(以下「事前通知」という。)を受けるべき者から申請の内容が真実でない旨の申出があったとき又は通知を受けるべき者の所在不明若しくは受取拒絶を理由に当該通知書が返戻されたときも,同様とする。
不動産登記法15条 法務省令への委任
第15条 この章に定めるもののほか、登記簿及び登記記録並びに地図、建物所在図及び地図に準ずる図面の記録方法その他の登記の事務に関し必要な事項は、法務省令で定める。
不動産登記規則38条 申請の却下
第38条 登記官は、申請を却下するときは、決定書を作成して、これを申請人ごとに交付するものとする。ただし、代理人によって申請がされた場合は、当該代理人に交付すれば足りる。
2 前項の交付は、当該決定書を送付する方法によりすることができる。
3 登記官は、書面申請がされた場合において、申請を却下したときは、添付書面を還付するものとする。ただし、偽造された書面その他の不正な登記の申請のために用いられた疑いがある書面については、この限りでない。
偽造された書面等は、犯罪防止や捜査機関の証拠とするため還付されません。
不動産登記法44条 建物の表示に関する登記の登記事項
第44条 建物の表示に関する登記の登記事項は、第二十七条各号に掲げるもののほか、次のとおりとする。
一 建物の所在する市、区、郡、町、村、字及び土地の地番(区分建物である建物にあっては、当該建物が属する一棟の建物の所在する市、区、郡、町、村、字及び土地の地番)
二 家屋番号
三 建物の種類、構造及び床面積
四 建物の名称があるときは、その名称
五 附属建物があるときは、その所在する市、区、郡、町、村、字及び土地の地番(区分建物である附属建物にあっては、当該附属建物が属する一棟の建物の所在する市、区、郡、町、村、字及び土地の地番)並びに種類、構造及び床面積
六 建物が共用部分又は団地共用部分であるときは、その旨
七 建物又は附属建物が区分建物であるときは、当該建物又は附属建物が属する一棟の建物の構造及び床面積
八 建物又は附属建物が区分建物である場合であって、当該建物又は附属建物が属する一棟の建物の名称があるときは、その名称
九 建物又は附属建物が区分建物である場合において、当該区分建物について区分所有法第二条第六項に規定する敷地利用権(登記されたものに限る。)であって、区分所有法第二十二条第一項本文(同条第三項において準用する場合を含む。)の規定により区分所有者の有する専有部分と分離して処分することができないもの(以下「敷地権」という。)があるときは、その敷地権
2 前項第三号、第五号及び第七号の建物の種類、構造及び床面積に関し必要な事項は、法務省令で定める。
不動産登記事務取扱手続準則78条 建物の個数の基準
第78条 効用上一体として利用される状態にある数棟の建物は,所有者の意思に反しない限り,1個の建物として取り扱うものとする。
2 1棟の建物に構造上区分された数個の部分で独立して住居,店舗,事務所又は倉庫その他の建物としての用途に供することができるものがある場合には,その各部分は,各別にこれを1個の建物として取り扱うものとする。ただし,所有者が同一であるときは,その所有者の意思に反しない限り,1棟の建物の全部又は隣接する数個の部分を1個の建物として取り扱うものとする。
3 数個の専有部分に通ずる廊下(例えば,アパートの各室に通ずる廊下)又は階段室,エレベーター室,屋上等建物の構造上区分所有者の全員又はその一部の共用に供されるべき建物の部分は,各別に1個の建物として取り扱うことができない。
例えば、母屋と離れて蔵がある場合に、所有者が同じであり、母屋に従属する形で蔵が利用されていれば、これらの建物は、所有者の意思に反しない限り、1個の建物として取り扱うものとしています。
この場合には、母屋を主たる建物とし、蔵を附属建物として、一つの登記記録に記録して公示されます。
cf. 不動産登記法44条1項5号 建物の表示に関する登記の登記事項