遺言書保管法7条 遺言書に係る情報の管理

第7条 遺言書保管官は、前条第一項の規定により保管する遺言書について、次項に定めるところにより、当該遺言書に係る情報の管理をしなければならない。
 
2 遺言書に係る情報の管理は、磁気ディスク(これに準ずる方法により一定の事項を確実に記録することができる物を含む。)をもって調製する遺言書保管ファイルに、次に掲げる事項を記録することによって行う。
 一 遺言書の画像情報
 二 第四条第四項第一号から第三号までに掲げる事項
 三 遺言書の保管を開始した年月日
 四 遺言書が保管されている遺言書保管所の名称及び保管番号
 
3 前条第五項の規定は、前項の規定による遺言書に係る情報の管理について準用する。この場合において、同条第五項中「廃棄する」とあるのは、「消去する」と読み替えるものとする。


e-Gov 遺言書保管法

 

もう一歩先へ 3項:
遺言書保管ファイルは遺言書そのものとは異なり遺言者の死亡の日から150年を経過すると、遺言書保管官はその情報を消去することができます。

遺言者の生死が明らかでない場合は、遺言者の出生の日から起算して120年を経過した後、150年経過した後に、消去することができることになります。

cf. 遺言書保管政令5条3項 遺言書の保管期間等

遺言書保管法9条 遺言書情報証明書の交付等

第9条 次に掲げる者(以下この条において「関係相続人等」という。)は、遺言書保管官に対し、遺言書保管所に保管されている遺言書(その遺言者が死亡している場合に限る。)について、遺言書保管ファイルに記録されている事項を証明した書面(第五項及び第十二条第一項第三号において「遺言書情報証明書」という。)の交付を請求することができる。
 一 当該遺言書の保管を申請した遺言者の相続人(民法第八百九十一条の規定に該当し又は廃除によってその相続権を失った者及び相続の放棄をした者を含む。以下この条において同じ。)
 二 前号に掲げる者のほか、当該遺言書に記載された次に掲げる者又はその相続人(ロに規定する母の相続人の場合にあっては、ロに規定する胎内に在る子に限る。)
  イ 第四条第四項第三号イに掲げる者
  ロ 民法第七百八十一条第二項の規定により認知するものとされた子(胎内に在る子にあっては、その母)
  ハ 民法第八百九十三条の規定により廃除する意思を表示された推定相続人(同法第八百九十二条に規定する推定相続人をいう。以下このハにおいて同じ。)又は同法第八百九十四条第二項において準用する同法第八百九十三条の規定により廃除を取り消す意思を表示された推定相続人
  ニ 民法第八百九十七条第一項ただし書の規定により指定された祖先の祭祀しを主宰すべき者
  ホ 国家公務員災害補償法(昭和二十六年法律第百九十一号)第十七条の五第三項の規定により遺族補償一時金を受けることができる遺族のうち特に指定された者又は地方公務員災害補償法(昭和四十二年法律第百二十一号)第三十七条第三項の規定により遺族補償一時金を受けることができる遺族のうち特に指定された者
  ヘ 信託法(平成十八年法律第百八号)第三条第二号に掲げる方法によって信託がされた場合においてその受益者となるべき者として指定された者若しくは残余財産の帰属すべき者となるべき者として指定された者又は同法第八十九条第二項の規定による受益者指定権等の行使により受益者となるべき者
  ト 保険法(平成二十年法律第五十六号)第四十四条第一項又は第七十三条第一項の規定による保険金受取人の変更により保険金受取人となるべき者
  チ イからトまでに掲げる者のほか、これらに類するものとして政令で定める者
 三 前二号に掲げる者のほか、当該遺言書に記載された次に掲げる者
  イ 第四条第四項第三号ロに掲げる者
  ロ 民法第八百三十条第一項の財産について指定された管理者
  ハ 民法第八百三十九条第一項の規定により指定された未成年後見人又は同法第八百四十八条の規定により指定された未成年後見監督人
  ニ 民法第九百二条第一項の規定により共同相続人の相続分を定めることを委託された第三者、同法第九百八条の規定により遺産の分割の方法を定めることを委託された第三者又は同法第千六条第一項の規定により遺言執行者の指定を委託された第三者
  ホ 著作権法(昭和四十五年法律第四十八号)第七十五条第二項の規定により同条第一項の登録について指定を受けた者又は同法第百十六条第三項の規定により同条第一項の請求について指定を受けた者
  ヘ 信託法第三条第二号に掲げる方法によって信託がされた場合においてその受託者となるべき者、信託管理人となるべき者、信託監督人となるべき者又は受益者代理人となるべき者として指定された者
  ト イからヘまでに掲げる者のほか、これらに類するものとして政令で定める者
 
2 前項の請求は、自己が関係相続人等に該当する遺言書(以下この条及び次条第一項において「関係遺言書」という。)を現に保管する遺言書保管所以外の遺言書保管所の遺言書保管官に対してもすることができる。
 
3 関係相続人等は、関係遺言書を保管する遺言書保管所の遺言書保管官に対し、当該関係遺言書の閲覧を請求することができる。
 
4 第一項又は前項の請求をしようとする者は、法務省令で定めるところにより、その旨を記載した請求書に法務省令で定める書類を添付して、遺言書保管官に提出しなければならない。
 
5 遺言書保管官は、第一項の請求により遺言書情報証明書を交付し又は第三項の請求により関係遺言書の閲覧をさせたときは、法務省令で定めるところにより、速やかに、当該関係遺言書を保管している旨を遺言者の相続人並びに当該関係遺言書に係る第四条第四項第三号イ及びロに掲げる者に通知するものとする。ただし、それらの者が既にこれを知っているときは、この限りでない。


e-Gov 遺言書保管法

 

もう一歩先へ 2項:
関係相続人等は、遺言書情報証明書の交付の請求を、遺言者の死亡後、全国どこの遺言書保管所に対してもすることができます。手数料は1400円(収入印紙で納付)。郵送によることもできます。

cf. 遺言書保管法12条 手数料
もう一歩先へ 3項:

遺言者の死亡後、関係相続人等は関係遺言書(遺言書原本)の閲覧請求をすることができます。手数料は1700円(収入印紙で納付)。

cf. 遺言書保管政令9条 関係相続人等による遺言書保管ファイルの記録の閲覧

遺言者の生存中は、遺言者のみが遺言書を閲覧することができます。

cf. 遺言書保管法6条2項 遺言書の保管等

cf. 遺言書保管省令39条 関係相続人等による遺言書の閲覧の方法

モニターによる遺言書保管ファイルの記録の閲覧は、全国どこの遺言書保管所に対しても請求することができます。

cf. 遺言書保管政令9条2項 関係相続人等による遺言書保管ファイルの記録の閲覧

遺言書保管省令11条 遺言書の保管の申請書の記載事項

第11条 法第四条第四項第四号の法務省令で定める事項は、次に掲げる事項とする。
 
 一 遺言者の戸籍の筆頭に記載された者の氏名
 
 二 遺言者の電話番号その他の連絡先
 
 三 申請をする遺言書保管官の所属する遺言書保管所が遺言者の住所地及び本籍地を管轄しないとき(次号の場合を除く。)は、遺言者が所有する不動産の所在地(当該遺言書保管所が管轄するものに限る。)
 
 四 遺言者の作成した他の遺言書が現に遺言書保管所に保管されているときは、その旨
 
 五 遺言書に法第九条第一項第二号(イを除く。)及び第三号(イを除く。)に掲げる者の記載があるときは、その氏名又は名称及び住所
 
 六 遺言書の総ページ数
 
 七 手数料の額
 
 八 申請の年月日
 
 九 遺言書保管所の表示


e-Gov 遺言書保管省令

遺言書保管省令12条 遺言書の保管の申請書の添付書類

第12条 法第四条第五項の法務省令で定める書類は、次に掲げる書類とする。
 一 前条第一号に掲げる事項を証明する書類
 二 遺言書が外国語により記載されているときは、日本語による翻訳文
 
2 法第四条第五項に規定する同条第四項第二号に掲げる事項を証明する書類及び前項第一号に掲げる書類で官庁又は公署の作成したものは、その作成後三月以内のものに限る。


e-Gov 遺言書保管省令

遺言書保管法4条 遺言書の保管の申請

第4条 遺言者は、遺言書保管官に対し、遺言書の保管の申請をすることができる。
 
2 前項の遺言書は、法務省令で定める様式に従って作成した無封のものでなければならない。
 
3 第一項の申請は、遺言者の住所地若しくは本籍地又は遺言者が所有する不動産の所在地を管轄する遺言書保管所(遺言者の作成した他の遺言書が現に遺言書保管所に保管されている場合にあっては、当該他の遺言書が保管されている遺言書保管所)の遺言書保管官に対してしなければならない。
 
4 第一項の申請をしようとする遺言者は、法務省令で定めるところにより、遺言書に添えて、次に掲げる事項を記載した申請書を遺言書保管官に提出しなければならない。
 一 遺言書に記載されている作成の年月日
 二 遺言者の氏名、出生の年月日、住所及び本籍(外国人にあっては、国籍)
 三 遺言書に次に掲げる者の記載があるときは、その氏名又は名称及び住所
   イ 受遺者
   ロ 民法第千六条第一項の規定により指定された遺言執行者
 四 前三号に掲げるもののほか、法務省令で定める事項
 
5 前項の申請書には、同項第二号に掲げる事項を証明する書類その他法務省令で定める書類を添付しなければならない。
 
6 遺言者が第一項の申請をするときは、遺言書保管所に自ら出頭して行わなければならない。


e-Gov 遺言書保管法

 

もう一歩先へ 1項:
遺言書の保管の申請の際に、遺言者の死亡時に当該遺言者が指定する者に対し遺言書を保管している旨を通知することの申出をすることができます。

cf. 遺言書保管手続準則19条 指定する者への通知に関する申出等

遺言書の保管申請をした場合、遺言者又は遺言者が死亡している場合に、特別の事由があるときは、その申請書又はその添付書類の閲覧を請求することが可能です。

cf. 遺言書保管政令10条1項、3項 申請書等の閲覧
もう一歩先へ 4項2号
外国人も保管申請ができます。
もう一歩先へ 6項:
遺言書の保管の申請は、代理人が行うことができず、必ず、遺言書を作成した本人が出頭してしなければなりません。

申請書の作成については、司法書士法第3条第1項第2号により、司法書士が代理して作成することができます。

遺言書保管法1条 趣旨

第1条 この法律は、法務局(法務局の支局及び出張所、法務局の支局の出張所並びに地方法務局及びその支局並びにこれらの出張所を含む。次条第一項において同じ。)における遺言書(民法(明治二十九年法律第八十九号)第九百六十八条自筆証書によってした遺言に係る遺言書をいう。以下同じ。)の保管及び情報の管理に関し必要な事項を定めるとともに、その遺言書の取扱いに関し特別の定めをするものとする。


e-Gov 遺言書保管法