第732条 配偶者のある者は、重ねて婚姻をすることができない。
民法744条 不適法な婚姻の取消し
民法770条 裁判上の離婚
第770条 夫婦の一方は、次に掲げる場合に限り、離婚の訴えを提起することができる。
一 配偶者に不貞な行為があったとき。
二 配偶者から悪意で遺棄されたとき。
三 配偶者の生死が三年以上明らかでないとき。
四 配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき。
五 その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき。
2 裁判所は、前項第一号から第四号までに掲げる事由がある場合であっても、一切の事情を考慮して婚姻の継続を相当と認めるときは、離婚の請求を棄却することができる。
被後見人に対する裁判上の離婚
成年被後見人が離婚について理解も意思表示もできない場合には、成年後見人を相手に離婚訴訟を提起することになります(人事訴訟法第14条第1項)。成年後見人は身分行為の代理をすることはできませんが、訴訟なら代理できます。
もし成年後見人が当該訴えに係る訴訟の相手方となるときは、成年後見人を監督する「成年後見監督人」を相手に訴訟を提起します(人事訴訟法第14条第2項)。
cf. 人事訴訟法14条 人事訴訟における訴訟能力等民法32条 失踪の宣告の取消し
第32条 失踪者が生存すること又は前条に規定する時と異なる時に死亡したことの証明があったときは、家庭裁判所は、本人又は利害関係人の請求により、失踪の宣告を取り消さなければならない。この場合において、その取消しは、失踪の宣告後その取消し前に善意でした行為の効力に影響を及ぼさない。
2 失踪の宣告によって財産を得た者は、その取消しによって権利を失う。ただし、現に利益を受けている限度においてのみ、その財産を返還する義務を負う。
cf. 民法770条 裁判上の離婚
cf. 民法732条 重婚の禁止
cf. 民法744条 不適法な婚姻の取消し
この場合は、現存利益の範囲で返還義務を負います。民法703条と同じ趣旨になります。
cf. 民法703条 不当利得の返還義務悪意の場合は不当利得の悪意の受益者(民法704条)となり、受けた利益に利息を付して返還する義務を負います。
cf. 民法704条 悪意の受益者の返還義務等cf. 戸籍法94条 失踪宣告又は失踪宣告取消の裁判が確定した場合の届出
民法119条 無効な行為の追認
第119条 無効な行為は、追認によっても、その効力を生じない。ただし、当事者がその行為の無効であることを知って追認をしたときは、新たな行為をしたものとみなす。
民法117条 無権代理人の責任
第117条 他人の代理人として契約をした者は、自己の代理権を証明したとき、又は本人の追認を得たときを除き、相手方の選択に従い、相手方に対して履行又は損害賠償の責任を負う。
2 前項の規定は、次に掲げる場合には、適用しない。
一 他人の代理人として契約をした者が代理権を有しないことを相手方が知っていたとき。
二 他人の代理人として契約をした者が代理権を有しないことを相手方が過失によって知らなかったとき。ただし、他人の代理人として契約をした者が自己に代理権がないことを知っていたときは、この限りでない。
三 他人の代理人として契約をした者が行為能力の制限を受けていたとき。
意思能力のない者が代理人とした行為は無効なため、特に規定しなくとも、意思能力のない者は当然に無権代理人の責任を負いません。
cf. 民法3条の2 意思能力民法819条 離婚又は認知の場合の親権者
第819条 父母が協議上の離婚をするときは、その協議で、その一方を親権者と定めなければならない。
2 裁判上の離婚の場合には、裁判所は、父母の一方を親権者と定める。
3 子の出生前に父母が離婚した場合には、親権は、母が行う。ただし、子の出生後に、父母の協議で、父を親権者と定めることができる。
4 父が認知した子に対する親権は、父母の協議で父を親権者と定めたときに限り、父が行う。
5 第一項、第三項又は前項の協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、家庭裁判所は、父又は母の請求によって、協議に代わる審判をすることができる。
6 子の利益のため必要があると認めるときは、家庭裁判所は、子の親族の請求によって、親権者を他の一方に変更することができる。
民法733条 再婚禁止期間
第733条 女は、前婚の解消又は取消しの日から起算して百日を経過した後でなければ、再婚をすることができない。
2 前項の規定は、次に掲げる場合には、適用しない。
一 女が前婚の解消又は取消しの時に懐胎していなかった場合
二 女が前婚の解消又は取消しの後に出産した場合
cf.
民法772条 嫡出の推定
民法772条 嫡出の推定
第772条 妻が婚姻中に懐胎した子は、夫の子と推定する。
2 婚姻の成立の日から二百日を経過した後又は婚姻の解消若しくは取消しの日から三百日以内に生まれた子は、婚姻中に懐胎したものと推定する。
推定される嫡出子の場合は -> 嫡出否認の訴え(民法774条~民法778条)
推定されない嫡出子、推定の及ばない子の場合は -> 親子関係不存在の訴え
嫡出推定が二重に及ぶ場合は -> 父を定める訴え(民法773条)