民法703条 不当利得の返還義務

第703条 法律上の原因なく他人の財産又は労務によって利益を受け、そのために他人に損失を及ぼした者(以下この章において「受益者」という。)は、その利益の存する限度において、これを返還する義務を負う。


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cf. 民法189条 善意の占有者による果実の取得等

cf. 民法32条2項 失踪の宣告の取消し

民法550条 書面によらない贈与の解除

第550条 書面によらない贈与は、各当事者が解除をすることができる。ただし、履行の終わった部分については、この限りでない。


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改正前民法550条 書面によらない贈与の撤回

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「撤回」を「解除」に改めたことに伴い、解除権に関する総則的な規定(民法540条、民法544条~民法548条)が書面によらない贈与について適用になるかが問題となります。

この点については、贈与の無償性などにかんがみ、書面によらない贈与の解除について適用されるのは、民法540条及び民法544条に限られるものと解されます。

cf. 民法540条 解除権の行使

cf. 民法544条 解除権の不可分性

民法593条の2 借用物受取り前の貸主による使用貸借の解除

第593条の2 貸主は、借主が借用物を受け取るまで、契約の解除をすることができる。ただし、書面による使用貸借については、この限りでない。


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新設 

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消費貸借と異なり、電磁的記録によってされたときに書面によってされたものとみなす旨の規定はありません。

cf. 民法587条の2第4項 書面でする消費貸借等

民法636条 請負人の担保責任の制限

第636条 請負人が種類又は品質に関して契約の内容に適合しない仕事の目的物を注文者に引き渡したとき(その引渡しを要しない場合にあっては、仕事が終了した時に仕事の目的物が種類又は品質に関して契約の内容に適合しないとき)は、注文者は、注文者の供した材料の性質又は注文者の与えた指図によって生じた不適合を理由として、履行の追完の請求、報酬の減額の請求、損害賠償の請求及び契約の解除をすることができない。ただし、請負人がその材料又は指図が不適当であることを知りながら告げなかったときは、この限りでない。


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改正前民法636条 請負人の担保責任に関する規定の不適用

民法634条 注文者が受ける利益の割合に応じた報酬

第634条 次に掲げる場合において、請負人が既にした仕事の結果のうち可分な部分の給付によって注文者が利益を受けるときは、その部分を仕事の完成とみなす。この場合において、請負人は、注文者が受ける利益の割合に応じて報酬を請求することができる。
 
 一 注文者の責めに帰することができない事由によって仕事を完成することができなくなったとき。
 
 二 請負が仕事の完成前に解除されたとき。


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改正前民法634条 請負人の担保責任

もう一歩先へ 1号:
「仕事が完成することができなくなった」とは、仕事の完成が不能となったことをいいます。注文者に帰責事由がある場合には、危険負担の規定(民法536条2項)が適用され、仕事が未了の部分も含めて報酬全額の請求をすることができます。しかし、自己の残債務を免れたことによる利益の償還は必要となります

cf. 民法536条2項 債務者の危険負担等
もう一歩先へ
雇用、委任及び寄託にも割合的な報酬に関する規定があります。 

cf. 民法624条の2 履行の割合に応じた報酬

cf. 民法648条3項 受任者の報酬

cf. 民法665条 寄託について委任の規定の準用⇒ 民法648条3項

民法243条 動産の付合

第243条 所有者を異にする数個の動産が、付合により、損傷しなければ分離することができなくなったときは、その合成物の所有権は、主たる動産の所有者に帰属する。分離するのに過分の費用を要するときも、同様とする。


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借地借家法26条 建物賃貸借契約の更新等

第26条 建物の賃貸借について期間の定めがある場合において、当事者が期間の満了の一年前から六月前までの間に相手方に対して更新をしない旨の通知又は条件を変更しなければ更新をしない旨の通知をしなかったときは、従前の契約と同一の条件で契約を更新したものとみなす。ただし、その期間は、定めがないものとする。
 
2 前項の通知をした場合であっても、建物の賃貸借の期間が満了した後建物の賃借人が使用を継続する場合において、建物の賃貸人が遅滞なく異議を述べなかったときも、同項と同様とする。
 
3 建物の転貸借がされている場合においては、建物の転借人がする建物の使用の継続を建物の賃借人がする建物の使用の継続とみなして、建物の賃借人と賃貸人との間について前項の規定を適用する。


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cf. 借地借家法28条 建物賃貸借契約の更新拒絶等の要件

もう一歩先へ 1項:
法定更新。賃貸人は、請求原因として更新拒絶通知をしたことを主張する必要があり、かつ、これで足ります。
したがって、賃貸人が更新の合意が成立しなかったことを主張することは主張自体失当となります。