第701条 第六百四十五条から第六百四十七条までの規定は、事務管理について準用する。
民法550条 書面によらない贈与の解除
第550条 書面によらない贈与は、各当事者が解除をすることができる。ただし、履行の終わった部分については、この限りでない。
この点については、贈与の無償性などにかんがみ、書面によらない贈与の解除について適用されるのは、民法540条及び民法544条に限られるものと解されます。
cf. 民法540条 解除権の行使 cf. 民法544条 解除権の不可分性判示事項
不動産の贈与契約に基づく所有権移転登記と贈与の履行の終了。
裁判要旨
不動産の贈与契約にもとづいて該不動産の所有権移転登記がなされたときは、その引渡の有無をとわず、民法第五五〇条にいう履行が終つたものと解すべきである。
判示事項
民法五五〇条所定の書面にあたるとされた事例
裁判要旨
甲が乙を相手方として申し立てた財産処分禁止請求調停事件に丙が利害関係人として参加して調停が成立し、調停調書に「乙は、その所有地のうち約四五坪(別紙図面記載の丙所有部分)を除いた部分を処分しようとするときには、甲と約一〇日前に相談のうえでする」旨の条項が記載されたが、右調停調書において丙所有部分として約四五坪の土地が除外されたのは、右調停に際し、乙から丙に対し右土地を贈与する合意が成立したためであるときは、右調停調書は、乙、丙間の贈与について作成された民法五五〇条所定の書面にあたる。
民法549条 贈与
第549条 贈与は、当事者の一方がある財産を無償で相手方に与える意思を表示し、相手方が受諾をすることによって、その効力を生ずる。
判示事項
一、自作農創設特別措置法に基づき国が買収した土地を目的として締結された売買契約と他人の権利の売買
二、他人の財産権を目的とする贈与の効力
裁判要旨
一、自作農創設特別措置法に基づいて国が買収し、所有権を取得した土地を目的とし、右土地の被買収者が第三者との間で売買契約を締結することは、民法五六〇条にいう「他人ノ権利ヲ以テ売買ノ目的ト為シタルトキ」にあたる。
二、他人の財産権をもつて贈与の目的としたときは、贈与義務者はみずからその財産権を取得して受贈者に移転する義務を負うもので、贈与契約として有効に成立する。
民法593条の2 借用物受取り前の貸主による使用貸借の解除
第593条の2 貸主は、借主が借用物を受け取るまで、契約の解除をすることができる。ただし、書面による使用貸借については、この限りでない。
新設
通則法8条 当事者による準拠法の選択がない場合
第8条 前条の規定による選択がないときは、法律行為の成立及び効力は、当該法律行為の当時において当該法律行為に最も密接な関係がある地の法による。
2 前項の場合において、法律行為において特徴的な給付を当事者の一方のみが行うものであるときは、その給付を行う当事者の常居所地法(その当事者が当該法律行為に関係する事業所を有する場合にあっては当該事業所の所在地の法、その当事者が当該法律行為に関係する二以上の事業所で法を異にする地に所在するものを有する場合にあってはその主たる事業所の所在地の法)を当該法律行為に最も密接な関係がある地の法と推定する。
3 第一項の場合において、不動産を目的物とする法律行為については、前項の規定にかかわらず、その不動産の所在地法を当該法律行為に最も密接な関係がある地の法と推定する。
民法695条 和解
第695条 和解は、当事者が互いに譲歩をしてその間に存する争いをやめることを約することによって、その効力を生ずる。
判示事項
示談当時予想しなかつた後遺症等が発生した場合と示談の効力
裁判要旨
交通事故による全損害を正確に把握し難い状況のもとにおいて、早急に、小額の賠償金をもつて示談がされた場合において、右示談によつて被害者が放棄した損害賠償請求は、示談当時予想していた損害についてのみと解すべきであつて、その当時予想できなかつた後遺症等については、被害者は、後日その損害の賠償を請求することができる。
民法636条 請負人の担保責任の制限
第636条 請負人が種類又は品質に関して契約の内容に適合しない仕事の目的物を注文者に引き渡したとき(その引渡しを要しない場合にあっては、仕事が終了した時に仕事の目的物が種類又は品質に関して契約の内容に適合しないとき)は、注文者は、注文者の供した材料の性質又は注文者の与えた指図によって生じた不適合を理由として、履行の追完の請求、報酬の減額の請求、損害賠償の請求及び契約の解除をすることができない。ただし、請負人がその材料又は指図が不適当であることを知りながら告げなかったときは、この限りでない。
民法634条 注文者が受ける利益の割合に応じた報酬
第634条 次に掲げる場合において、請負人が既にした仕事の結果のうち可分な部分の給付によって注文者が利益を受けるときは、その部分を仕事の完成とみなす。この場合において、請負人は、注文者が受ける利益の割合に応じて報酬を請求することができる。
一 注文者の責めに帰することができない事由によって仕事を完成することができなくなったとき。
二 請負が仕事の完成前に解除されたとき。
判示事項
工事未完成の間における既施工部分についての請負契約解除の可否
裁判要旨
建物等の工事未完成の間に注文者が請負人の債務不履行を理由に請負契約を解除する場合において、工事内容が可分であり、かつ、当事者が既施工部分の給付について利益を有するときは、特段の事情のない限り、右部分についての契約を解除することはできない。
民法243条 動産の付合
第243条 所有者を異にする数個の動産が、付合により、損傷しなければ分離することができなくなったときは、その合成物の所有権は、主たる動産の所有者に帰属する。分離するのに過分の費用を要するときも、同様とする。
借地借家法28条 建物賃貸借契約の更新拒絶等の要件
第28条 建物の賃貸人による第二十六条第一項の通知又は建物の賃貸借の解約の申入れは、建物の賃貸人及び賃借人(転借人を含む。以下この条において同じ。)が建物の使用を必要とする事情のほか、建物の賃貸借に関する従前の経過、建物の利用状況及び建物の現況並びに建物の賃貸人が建物の明渡しの条件として又は建物の明渡しと引換えに建物の賃借人に対して財産上の給付をする旨の申出をした場合におけるその申出を考慮して、正当の事由があると認められる場合でなければ、することができない。