第1条 国又は公共団体の公権力の行使に当る公務員が、その職務を行うについて、故意又は過失によつて違法に他人に損害を加えたときは、国又は公共団体が、これを賠償する責に任ずる。
2 前項の場合において、公務員に故意又は重大な過失があつたときは、国又は公共団体は、その公務員に対して求償権を有する。
Un pas de plus ! もう一歩先へ 1項:
権限不行使を注意義務違反とする過失犯が成立する場合があることが考えられる。
cf. 最判平1・11・24(昭和61(オ)1152 損害賠償) 全文判示事項
一 宅地建物取引業法所定の免許基準に適合しない免許の付与ないし更新をした知事の行為と国家賠償法一条一項の違法性
二 宅地建物取引業者に対する知事の監督処分権限の不行使と国家賠償法一条一項の違法性
裁判要旨
一 宅地建物取引業者に対する知事の免許の付与ないし更新が宅地建物取引業法所定の免許基準に適合しない場合であっても、知事の右行為は、右業者の不正な行為により損害を被った取引関係者に対する関係において直ちに国家賠償法一条一項にいう違法な行為に当たるものではない。
二 知事が宅地建物取引業者に対し宅地建物取引業法六五条二項による業務停止処分ないし同法六六条九号による免許取消処分をしなかった場合であっても、知事の右監督処分権限の不行使は、具体的事情の下において、右権限が付与された趣旨・目的に照らして著しく不合理と認められるときでない限り、右業者の不正な行為により損害を被った取引関係者に対する関係において国家賠償法一条一項の適用上違法の評価を受けない。
(二につき反対意見がある。)