第907条 共同相続人は、次条第一項の規定により被相続人が遺言で禁じた場合又は同条第二項の規定により分割をしない旨の契約をした場合を除き、いつでも、その協議で、遺産の全部又は一部の分割をすることができる。
2 遺産の分割について、共同相続人間に協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、各共同相続人は、その全部又は一部の分割を家庭裁判所に請求することができる。ただし、遺産の一部を分割することにより他の共同相続人の利益を害するおそれがある場合におけるその一部の分割については、この限りでない。
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民法等の一部を改正する法律(令和3年法律第24号)
成立
2021(令和3)年4月21日
公布 2021(令和3)年4月28日
施行日 2023(令和5)年4月1日
公布 2021(令和3)年4月28日
施行日 2023(令和5)年4月1日
cf. 民法258条 裁判による共有物の分割
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最判平25.11.29は、遺産共有持分と他の共有持分との間の共有関係の解消を求める方法として裁判上採るべき手続は民法258条に基づく共有物分割訴訟であり、共有物分割の判決によって遺産共有持分権者に分与された財産は遺産分割の対象となり、この財産の共有関係の解消について本条に基づく遺産分割によるべきものと解するのが相当であるとしています。
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cf.
最判平1・2・9(更正登記手続等請求事件) 全文
判示事項
遺産分割協議と民法五四一条による解除の可否
裁判要旨
共同相続人間において遺産分割協議が成立した場合に、相続人の一人が右協議において負担した債務を履行しないときであつても、その債権を有する相続人は、民法五四一条によつて右協議を解除することができない。