改正前民法1000条 第三者の権利の目的である財産の遺贈

第1000条 遺贈の目的である物又は権利が遺言者の死亡の時において第三者の権利の目的であるときは、受遺者は、遺贈義務者に対しその権利を消滅させるべき旨を請求することができない。ただし、遺言者がその遺言に反対の意思を表示したときは、この限りでない。

 
 
cf. 民法1000条 削除

民法998条 遺贈義務者の引渡義務

第998条 遺贈義務者は、遺贈の目的である物又は権利を、相続開始の時(その後に当該物又は権利について遺贈の目的として特定した場合にあっては、その特定した時)の状態で引き渡し、又は移転する義務を負う。ただし、遺言者がその遺言に別段の意思を表示したときは、その意思に従う。


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施行日 令和2(2020)年4月1日

cf. 改正相続法附則1条3号 施行期日
cf. 改正相続法附則7条 遺贈義務者の引渡義務等に関する経過措置
 
参考 改正相続法の施行期日
 
改正前民法998条 不特定物の遺贈義務者の担保責任

改正前民法1000条 第三者の権利の目的である財産の遺贈

cf. 民法551条 贈与者の引渡義務等

民法996条 相続財産に属しない権利の遺贈

第996条 遺贈は、その目的である権利が遺言者の死亡の時において相続財産に属しなかったときは、その効力を生じない。ただし、その権利が相続財産に属するかどうかにかかわらず、これを遺贈の目的としたものと認められるときは、この限りでない。


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いわゆる他人物遺贈です。

民法997条 相続財産に属しない権利の遺贈義務者の義務

第997条 相続財産に属しない権利を目的とする遺贈が前条ただし書の規定により有効であるときは、遺贈義務者は、その権利を取得して受遺者に移転する義務を負う。
 
2 前項の場合において、同項に規定する権利を取得することができないとき、又はこれを取得するについて過分の費用を要するときは、遺贈義務者は、その価額を弁償しなければならない。ただし、遺言者がその遺言に別段の意思を表示したときは、その意思に従う。


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家事事件手続法200条 遺産の分割の審判事件を本案とする保全処分

第200条 家庭裁判所(第百五条第二項の場合にあっては、高等裁判所。次項及び第三項において同じ。)は、遺産の分割の審判又は調停の申立てがあった場合において、財産の管理のため必要があるときは、申立てにより又は職権で、担保を立てさせないで、遺産の分割の申立てについての審判が効力を生ずるまでの間、財産の管理者を選任し、又は事件の関係人に対し、財産の管理に関する事項を指示することができる。
 
2 家庭裁判所は、遺産の分割の審判又は調停の申立てがあった場合において、強制執行を保全し、又は事件の関係人の急迫の危険を防止するため必要があるときは、当該申立てをした者又は相手方の申立てにより、遺産の分割の審判を本案とする仮差押え、仮処分その他の必要な保全処分を命ずることができる。
 
3 前項に規定するもののほか、家庭裁判所は、遺産の分割の審判又は調停の申立てがあった場合において、相続財産に属する債務の弁済、相続人の生活費の支弁その他の事情により遺産に属する預貯金債権(民法第四百六十六条の五第一項に規定する預貯金債権をいう。以下この項において同じ。)を当該申立てをした者又は相手方が行使する必要があると認めるときは、その申立てにより、遺産に属する特定の預貯金債権の全部又は一部をその者に仮に取得させることができる。ただし、他の共同相続人の利益を害するときは、この限りでない。
 
4 第百二十五条第一項から第六項までの規定及び民法第二十七条から第二十九条まで(同法第二十七条第二項を除く。)の規定は、第一項の財産の管理者について準用する。この場合において、第百二十五条第三項中「成年被後見人の財産」とあるのは、「遺産」と読み替えるものとする。


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もう一歩先へ 3項:

預貯金債権の仮分割の仮処分のための要件

  1. 権利行使の必要性
  2. 他の共同相続人の利益を害しないこと
  3. 遺産分割の調停又は審判の本案が家庭裁判所に係属していること
     
    cf.遺産分割調停@裁判所
    cf. 遺産分割調停の申立書@裁判所

預貯金債権の仮分割の仮処分は、仮の地位を定める仮処分という法的性質を有するので、原則として、共同相続人全員に対して、陳述を聴取する等の手続きをすることになります。

cf. 家事事件手続法107条 陳述の聴取

2項の要件は、「急迫の危険を防止するため必要があるとき」を要件としていることから、相続開始後の資金需要に柔軟に対応することは困難であったため、3項では当該要件を必要としていません。

相続開始後の払戻し制度と対比すると、相続開始後の比較的大口の資金需要がある場合に活用されるものです。

cf. 民法909条の2 遺産の分割前における預貯金債権の行使

民法1001条 債権の遺贈の物上代位

第1001条 債権を遺贈の目的とした場合において、遺言者が弁済を受け、かつ、その受け取った物がなお相続財産中に在るときは、その物を遺贈の目的としたものと推定する。
 
2 金銭を目的とする債権を遺贈の目的とした場合においては、相続財産中にその債権額に相当する金銭がないときであっても、その金額を遺贈の目的としたものと推定する。


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民法25条 不在者の財産の管理

第25条 従来の住所又は居所を去った者(以下「不在者」という。)がその財産の管理人(以下この節において単に「管理人」という。)を置かなかったときは、家庭裁判所は、利害関係人又は検察官の請求により、その財産の管理について必要な処分を命ずることができる。本人の不在中に管理人の権限が消滅したときも、同様とする。
 
2 前項の規定による命令後、本人が管理人を置いたときは、家庭裁判所は、その管理人、利害関係人又は検察官の請求により、その命令を取り消さなければならない。


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cf. 民法28条 管理人の権限

cf. 家事事件手続法147条 処分の取消し

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不在者財産管理人は、家庭裁判所の許可(権限外許可)を得て、相続放棄をすることができると解されています。

不在者財産管理人が相続放棄をすると、不在者を含む共同相続人が最終順位であったときは、共同相続人全員の相続放棄により、「相続人のあることが明らかでないとき」となって、相続財産法人が成立します。

cf. 民法951条 相続財産法人の成立

民法28条 管理人の権限

第28条 管理人は、第百三条に規定する権限を超える行為を必要とするときは、家庭裁判所の許可を得て、その行為をすることができる。不在者の生死が明らかでない場合において、その管理人が不在者が定めた権限を超える行為を必要とするときも、同様とする。


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共同相続人中に不在者がいる場合は、不在者の代わりに、不在者財産管理人が遺産分割協議を行うことになります。

cf. 民法25条 不在者の財産の管理

不在者財産管理人が遺産分割協議を行うには家庭裁判所の許可が必要です。

民法1040条 居住建物の返還等

第1040条 配偶者は、前条に規定する場合を除き、配偶者短期居住権が消滅したときは、居住建物の返還をしなければならない。ただし、配偶者が居住建物について共有持分を有する場合は、居住建物取得者は、配偶者短期居住権が消滅したことを理由としては、居住建物の返還を求めることができない。
 
2 第五百九十九条第一項及び第二項並びに第六百二十一条の規定は、前項本文の規定により配偶者が相続の開始後に附属させた物がある居住建物又は相続の開始後に生じた損傷がある居住建物の返還をする場合について準用する。


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施行日 配偶者居住権の制度は2020(令和2)年4月1日以後に開始した相続について適用されます。

cf. 改正相続法附則10条 配偶者の居住の権利に関する経過措置

民法1039条 配偶者居住権の取得による配偶者短期居住権の消滅

第1039条 配偶者が居住建物に係る配偶者居住権を取得したときは、配偶者短期居住権は、消滅する。


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施行日 配偶者居住権の制度は2020(令和2)年4月1日以後に開始した相続について適用されます。

cf. 改正相続法附則10条 配偶者の居住の権利に関する経過措置