第97条 意思表示は、その通知が相手方に到達した時からその効力を生ずる。
2 相手方が正当な理由なく意思表示の通知が到達することを妨げたときは、その通知は、通常到達すべきであった時に到達したものとみなす。
3 意思表示は、表意者が通知を発した後に死亡し、意思能力を喪失し、又は行為能力の制限を受けたときであっても、そのためにその効力を妨げられない。
もう一歩先へ
もう一歩先へ 1項:
隔地者間の契約の成立時期について意思表示の発信主義を定めた規定を削除しました。
cf.
改正前民法526条1項 隔地者間の契約の成立時期
契約は承諾の通知が申込者に到達した時点で成立することになります。522条~528条参照
もう一歩先へ 3項:
改正前民法が「行為能力を喪失した」としていたのに対して「行為能力の制限を受けた」としました。
これは、表意者が被保佐人又は被補助人で、意思表示をすることが全くできないわけではないけれど、単独で完全に有効にすることができなくなったという場合にも適用されることを明確にしたものです。
cf. 民法3条の2 意思能力 Un pas de plus ! もう一歩先へ
cf.
最判平10・6・11(平成9(オ)685 遺留分減殺、土地建物所有権確認) 全文
判示事項
一 遺産分割協議の申入れに遺留分減殺の意思表示が含まれていると解すべき場合
二 遺留分減殺の意思表示が記載された内容証明郵便が留置期間の経過により差出人に還付された場合に意思表示の到達が認められた事例
裁判要旨
一 被相続人の全財産が相続人の一部の者に遺贈された場合において、遺留分減殺請求権を有する相続人が、遺贈の効力を争うことなく、遺産分割協議の申入れをしたときは、特段の事情のない限り、その申入れには遺留分減殺の意思表示が含まれていると解すべきである。
二 遺留分減殺の意思表示が記載された内容証明郵便が留置期間の経過により差出人に還付された場合において、受取人が、不在配達通知書の記載その他の事情から、その内容が遺留分減殺の意思表示又は少なくともこれを含む遺産分割協議の申入れであることを十分に推知することができ、また、受取人に受領の意思があれば、郵便物の受取方法を指定することによって、さしたる労力、困難を伴うことなく右内容証明郵便を受領することができたなど判示の事情の下においては、右遺留分減殺の意思表示は、社会通念上、受取人の了知可能な状態に置かれ、遅くとも留置期間が満了した時点で受取人に到達したものと認められる。
