国籍法11条 国籍の喪失

第11条 日本国民は、自己の志望によつて外国の国籍を取得したときは、日本の国籍を失う。
 
2 外国の国籍を有する日本国民は、その外国の法令によりその国の国籍を選択したときは、日本の国籍を失う。


e-Gov 国籍法

 

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国籍の喪失原因

意思表示よるもの

 
意思表示によらないもの

農地法4条 農地の転用の制限

第4条 農地を農地以外のものにする者は、都道府県知事(農地又は採草放牧地の農業上の効率的かつ総合的な利用の確保に関する施策の実施状況を考慮して農林水産大臣が指定する市町村(以下「指定市町村」という。)の区域内にあつては、指定市町村の長。以下「都道府県知事等」という。)の許可を受けなければならない。ただし、次の各号のいずれかに該当する場合は、この限りでない。
 一 次条第一項の許可に係る農地をその許可に係る目的に供する場合
 二 国又は都道府県等(都道府県又は指定市町村をいう。以下同じ。)が、道路、農業用用排水施設その他の地域振興上又は農業振興上の必要性が高いと認められる施設であつて農林水産省令で定めるものの用に供するため、農地を農地以外のものにする場合
 三 農業経営基盤強化促進法第十九条の規定による公告があつた農用地利用集積計画の定めるところによつて設定され、又は移転された同法第四条第三項第一号の権利に係る農地を当該農用地利用集積計画に定める利用目的に供する場合
 四 農地中間管理事業の推進に関する法律第十八条第七項の規定による公告があつた農用地利用配分計画の定めるところによつて設定され、又は移転された賃借権又は使用貸借による権利に係る農地を当該農用地利用配分計画に定める利用目的に供する場合
 五 特定農山村地域における農林業等の活性化のための基盤整備の促進に関する法律第九条第一項の規定による公告があつた所有権移転等促進計画の定めるところによつて設定され、又は移転された同法第二条第三項第三号の権利に係る農地を当該所有権移転等促進計画に定める利用目的に供する場合
 六 農山漁村の活性化のための定住等及び地域間交流の促進に関する法律第八条第一項の規定による公告があつた所有権移転等促進計画の定めるところによつて設定され、又は移転された同法第五条第八項の権利に係る農地を当該所有権移転等促進計画に定める利用目的に供する場合
 七 土地収用法その他の法律によつて収用し、又は使用した農地をその収用又は使用に係る目的に供する場合
 八 市街化区域(都市計画法(昭和四十三年法律第百号)第七条第一項の市街化区域と定められた区域(同法第二十三条第一項の規定による協議を要する場合にあつては、当該協議が調つたものに限る。)をいう。)内にある農地を、政令で定めるところによりあらかじめ農業委員会に届け出て、農地以外のものにする場合
 九 その他農林水産省令で定める場合
 
2 前項の許可を受けようとする者は、農林水産省令で定めるところにより、農林水産省令で定める事項を記載した申請書を、農業委員会を経由して、都道府県知事等に提出しなければならない。
 
3 農業委員会は、前項の規定により申請書の提出があつたときは、農林水産省令で定める期間内に、当該申請書に意見を付して、都道府県知事等に送付しなければならない。
 
4 農業委員会は、前項の規定により意見を述べようとするとき(同項の申請書が同一の事業の目的に供するため三十アールを超える農地を農地以外のものにする行為に係るものであるときに限る。)は、あらかじめ、農業委員会等に関する法律(昭和二十六年法律第八十八号)第四十三条第一項に規定する都道府県機構(以下「都道府県機構」という。)の意見を聴かなければならない。ただし、同法第四十二条第一項の規定による都道府県知事の指定がされていない場合は、この限りでない。
 
5 前項に規定するもののほか、農業委員会は、第三項の規定により意見を述べるため必要があると認めるときは、都道府県機構の意見を聴くことができる。
 
6 第一項の許可は、次の各号のいずれかに該当する場合には、することができない。ただし、第一号及び第二号に掲げる場合において、土地収用法第二十六条第一項の規定による告示(他の法律の規定による告示又は公告で同項の規定による告示とみなされるものを含む。次条第二項において同じ。)に係る事業の用に供するため農地を農地以外のものにしようとするとき、第一号イに掲げる農地を農業振興地域の整備に関する法律第八条第四項に規定する農用地利用計画(以下単に「農用地利用計画」という。)において指定された用途に供するため農地以外のものにしようとするときその他政令で定める相当の事由があるときは、この限りでない。
 一 次に掲げる農地を農地以外のものにしようとする場合
  イ 農用地区域(農業振興地域の整備に関する法律第八条第二項第一号に規定する農用地区域をいう。以下同じ。)内にある農地
  ロ イに掲げる農地以外の農地で、集団的に存在する農地その他の良好な営農条件を備えている農地として政令で定めるもの(市街化調整区域(都市計画法第七条第一項の市街化調整区域をいう。以下同じ。)内にある政令で定める農地以外の農地にあつては、次に掲げる農地を除く。)
   (1) 市街地の区域内又は市街地化の傾向が著しい区域内にある農地で政令で定めるもの
   (2) (1)の区域に近接する区域その他市街地化が見込まれる区域内にある農地で政令で定めるもの
 二 前号イ及びロに掲げる農地(同号ロ(1)に掲げる農地を含む。)以外の農地を農地以外のものにしようとする場合において、申請に係る農地に代えて周辺の他の土地を供することにより当該申請に係る事業の目的を達成することができると認められるとき。
 三 申請者に申請に係る農地を農地以外のものにする行為を行うために必要な資力及び信用があると認められないこと、申請に係る農地を農地以外のものにする行為の妨げとなる権利を有する者の同意を得ていないことその他農林水産省令で定める事由により、申請に係る農地の全てを住宅の用、事業の用に供する施設の用その他の当該申請に係る用途に供することが確実と認められない場合
 四 申請に係る農地を農地以外のものにすることにより、土砂の流出又は崩壊その他の災害を発生させるおそれがあると認められる場合、農業用用排水施設の有する機能に支障を及ぼすおそれがあると認められる場合その他の周辺の農地に係る営農条件に支障を生ずるおそれがあると認められる場合
 五 申請に係る農地を農地以外のものにすることにより、地域における効率的かつ安定的な農業経営を営む者に対する農地の利用の集積に支障を及ぼすおそれがあると認められる場合その他の地域における農地の農業上の効率的かつ総合的な利用の確保に支障を生ずるおそれがあると認められる場合として政令で定める場合
 六 仮設工作物の設置その他の一時的な利用に供するため農地を農地以外のものにしようとする場合において、その利用に供された後にその土地が耕作の目的に供されることが確実と認められないとき。
 
7 第一項の許可は、条件を付けてすることができる。
 
8 国又は都道府県等が農地を農地以外のものにしようとする場合(第一項各号のいずれかに該当する場合を除く。)においては、国又は都道府県等と都道府県知事等との協議が成立することをもつて同項の許可があつたものとみなす。
 
9 都道府県知事等は、前項の協議を成立させようとするときは、あらかじめ、農業委員会の意見を聴かなければならない。
 
10 第四項及び第五項の規定は、農業委員会が前項の規定により意見を述べようとする場合について準用する。
 
11 第一項に規定するもののほか、指定市町村の指定及びその取消しに関し必要な事項は、政令で定める。


e-Gov 農地法

 

農地法3条 農地又は採草放牧地の権利移動の制限

第3条 農地又は採草放牧地について所有権を移転し、又は地上権、永小作権、質権、使用貸借による権利、賃借権若しくはその他の使用及び収益を目的とする権利を設定し、若しくは移転する場合には、政令で定めるところにより、当事者が農業委員会の許可を受けなければならない。ただし、次の各号のいずれかに該当する場合及び第五条第一項本文に規定する場合は、この限りでない。
 一 第四十六条第一項又は第四十七条の規定によつて所有権が移転される場合
 二 削除
 三 第三十七条から第四十条までの規定によつて農地中間管理権(農地中間管理事業の推進に関する法律第二条第五項に規定する農地中間管理権をいう。以下同じ。)が設定される場合
 四 第四十一条の規定によつて同条第一項に規定する利用権が設定される場合
 五 これらの権利を取得する者が国又は都道府県である場合
 六 土地改良法(昭和二十四年法律第百九十五号)、農業振興地域の整備に関する法律(昭和四十四年法律第五十八号)、集落地域整備法(昭和六十二年法律第六十三号)又は市民農園整備促進法(平成二年法律第四十四号)による交換分合によつてこれらの権利が設定され、又は移転される場合
 七 農業経営基盤強化促進法第十九条の規定による公告があつた農用地利用集積計画の定めるところによつて同法第四条第三項第一号の権利が設定され、又は移転される場合
 七の二 農地中間管理事業の推進に関する法律第十八条第七項の規定による公告があつた農用地利用配分計画の定めるところによつて賃借権又は使用貸借による権利が設定され、又は移転される場合
 八 特定農山村地域における農林業等の活性化のための基盤整備の促進に関する法律(平成五年法律第七十二号)第九条第一項の規定による公告があつた所有権移転等促進計画の定めるところによつて同法第二条第三項第三号の権利が設定され、又は移転される場合
 九 農山漁村の活性化のための定住等及び地域間交流の促進に関する法律(平成十九年法律第四十八号)第八条第一項の規定による公告があつた所有権移転等促進計画の定めるところによつて同法第五条第八項の権利が設定され、又は移転される場合
 九の二 農林漁業の健全な発展と調和のとれた再生可能エネルギー電気の発電の促進に関する法律(平成二十五年法律第八十一号)第十七条の規定による公告があつた所有権移転等促進計画の定めるところによつて同法第五条第四項の権利が設定され、又は移転される場合
 十 民事調停法(昭和二十六年法律第二百二十二号)による農事調停によつてこれらの権利が設定され、又は移転される場合
 十一 土地収用法(昭和二十六年法律第二百十九号)その他の法律によつて農地若しくは採草放牧地又はこれらに関する権利が収用され、又は使用される場合
 十二 遺産の分割、民法(明治二十九年法律第八十九号)第七百六十八条第二項(同法第七百四十九条及び第七百七十一条において準用する場合を含む。)の規定による財産の分与に関する裁判若しくは調停又は同法第九百五十八条の三の規定による相続財産の分与に関する裁判によつてこれらの権利が設定され、又は移転される場合
 十三 農地中間管理機構が、農林水産省令で定めるところによりあらかじめ農業委員会に届け出て、農業経営基盤強化促進法第七条第一号に掲げる事業の実施によりこれらの権利を取得する場合
 十四 農業協同組合法第十条第三項の信託の引受けの事業又は農業経営基盤強化促進法第七条第二号に掲げる事業(以下これらを「信託事業」という。)を行う農業協同組合又は農地中間管理機構が信託事業による信託の引受けにより所有権を取得する場合及び当該信託の終了によりその委託者又はその一般承継人が所有権を取得する場合
 十四の二 農地中間管理機構が、農林水産省令で定めるところによりあらかじめ農業委員会に届け出て、農地中間管理事業(農地中間管理事業の推進に関する法律第二条第三項に規定する農地中間管理事業をいう。以下同じ。)の実施により農地中間管理権を取得する場合
 十四の三 農地中間管理機構が引き受けた農地貸付信託(農地中間管理事業の推進に関する法律第二条第五項第二号に規定する農地貸付信託をいう。)の終了によりその委託者又はその一般承継人が所有権を取得する場合
 十五 地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二百五十二条の十九第一項の指定都市(以下単に「指定都市」という。)が古都における歴史的風土の保存に関する特別措置法(昭和四十一年法律第一号)第十九条の規定に基づいてする同法第十一条第一項の規定による買入れによつて所有権を取得する場合
 十六 その他農林水産省令で定める場合
 
2 前項の許可は、次の各号のいずれかに該当する場合には、することができない。ただし、民法第二百六十九条の二第一項の地上権又はこれと内容を同じくするその他の権利が設定され、又は移転されるとき、農業協同組合法第十条第二項に規定する事業を行う農業協同組合又は農業協同組合連合会が農地又は採草放牧地の所有者から同項の委託を受けることにより第一号に掲げる権利が取得されることとなるとき、同法第十一条の五十第一項第一号に掲げる場合において農業協同組合又は農業協同組合連合会が使用貸借による権利又は賃借権を取得するとき、並びに第一号、第二号、第四号及び第五号に掲げる場合において政令で定める相当の事由があるときは、この限りでない。
 一 所有権、地上権、永小作権、質権、使用貸借による権利、賃借権若しくはその他の使用及び収益を目的とする権利を取得しようとする者又はその世帯員等の耕作又は養畜の事業に必要な機械の所有の状況、農作業に従事する者の数等からみて、これらの者がその取得後において耕作又は養畜の事業に供すべき農地及び採草放牧地の全てを効率的に利用して耕作又は養畜の事業を行うと認められない場合
 二 農地所有適格法人以外の法人が前号に掲げる権利を取得しようとする場合
 三 信託の引受けにより第一号に掲げる権利が取得される場合
 四 第一号に掲げる権利を取得しようとする者(農地所有適格法人を除く。)又はその世帯員等がその取得後において行う耕作又は養畜の事業に必要な農作業に常時従事すると認められない場合
 五 第一号に掲げる権利を取得しようとする者又はその世帯員等がその取得後において耕作の事業に供すべき農地の面積の合計及びその取得後において耕作又は養畜の事業に供すべき採草放牧地の面積の合計が、いずれも、北海道では二ヘクタール、都府県では五十アール(農業委員会が、農林水産省令で定める基準に従い、市町村の区域の全部又は一部についてこれらの面積の範囲内で別段の面積を定め、農林水産省令で定めるところにより、これを公示したときは、その面積)に達しない場合
 六 農地又は採草放牧地につき所有権以外の権原に基づいて耕作又は養畜の事業を行う者がその土地を貸し付け、又は質入れしようとする場合(当該事業を行う者又はその世帯員等の死亡又は第二条第二項各号に掲げる事由によりその土地について耕作、採草又は家畜の放牧をすることができないため一時貸し付けようとする場合、当該事業を行う者がその土地をその世帯員等に貸し付けようとする場合、その土地を水田裏作(田において稲を通常栽培する期間以外の期間稲以外の作物を栽培することをいう。以下同じ。)の目的に供するため貸し付けようとする場合及び農地所有適格法人の常時従事者たる構成員がその土地をその法人に貸し付けようとする場合を除く。)
 七 第一号に掲げる権利を取得しようとする者又はその世帯員等がその取得後において行う耕作又は養畜の事業の内容並びにその農地又は採草放牧地の位置及び規模からみて、農地の集団化、農作業の効率化その他周辺の地域における農地又は採草放牧地の農業上の効率的かつ総合的な利用の確保に支障を生ずるおそれがあると認められる場合
 
3 農業委員会は、農地又は採草放牧地について使用貸借による権利又は賃借権が設定される場合において、次に掲げる要件の全てを満たすときは、前項(第二号及び第四号に係る部分に限る。)の規定にかかわらず、第一項の許可をすることができる。
 一 これらの権利を取得しようとする者がその取得後においてその農地又は採草放牧地を適正に利用していないと認められる場合に使用貸借又は賃貸借の解除をする旨の条件が書面による契約において付されていること。
 二 これらの権利を取得しようとする者が地域の農業における他の農業者との適切な役割分担の下に継続的かつ安定的に農業経営を行うと見込まれること。
 三 これらの権利を取得しようとする者が法人である場合にあつては、その法人の業務を執行する役員又は農林水産省令で定める使用人(次条第一項第三号において「業務執行役員等」という。)のうち、一人以上の者がその法人の行う耕作又は養畜の事業に常時従事すると認められること。
 
4 農業委員会は、前項の規定により第一項の許可をしようとするときは、あらかじめ、その旨を市町村長に通知するものとする。この場合において、当該通知を受けた市町村長は、市町村の区域における農地又は採草放牧地の農業上の適正かつ総合的な利用を確保する見地から必要があると認めるときは、意見を述べることができる。
 
5 第一項の許可は、条件をつけてすることができる。
 
6 第一項の許可を受けないでした行為は、その効力を生じない。


e-Gov 農地法

本邦在留要件の具体例

引き続き10年以上日本に在留している場合、在留資格「留学」から「技術・人文知識・国際業務」に在留資格が変更されてから4年経過していれば、本邦在留要件は満たされる?
本邦在留要件を満たしません。引き続き10年以上日本に在留し、この期間のうち就労資格又は居住資格をもって引き続き5年以上、日本に在留していることが必要です。
「定住者」で日本に在留している場合、引き続き5年以上日本に在留していれば本邦在留要件は満たされる?
本邦在留要件を満たします。
日本人の配偶者である場合、実体を伴った婚姻生活が2年以上継続し、かつ、引き続き3年以上日本に在留していれば、本邦在留要件は満たされる?
本邦在留要件を満たしません。実体を伴った婚姻が3年以上継続し、かつ、引き続き1年以上日本に在留していることが必要です。本邦在留要件としては「引き続き1年以上」ですが、在留期間「3年」(国益要件)が与えられるまでは、たとえ、婚姻期間が3年以上あっても、来日後1年では永住者の要件を満たしません。
高度人材ポイントが80点以上の場合、引き続き1年以上日本に在留していれば、本邦在留要件は満たされる?
本邦在留要件を満たします。
cf. 永住者の本邦在留要件
cf. 永住者の国益要件

民法969条 公正証書遺言

第969条 公正証書によって遺言をするには、次に掲げる方式に従わなければならない。
 
 一 証人二人以上の立会いがあること。
 
 二 遺言者が遺言の趣旨を公証人に口授すること。
 
 三 公証人が、遺言者の口述を筆記し、これを遺言者及び証人に読み聞かせ、又は閲覧させること。
 
 四 遺言者及び証人が、筆記の正確なことを承認した後、各自これに署名し、印を押すこと。ただし、遺言者が署名することができない場合は、公証人がその事由を付記して、署名に代えることができる。
 
 五 公証人が、その証書は前各号に掲げる方式に従って作ったものである旨を付記して、これに署名し、印を押すこと。


e-Gov 民法

農地法3条の3 農地又は採草放牧地についての権利取得の届出

第3条の3 農地又は採草放牧地について第三条第一項本文に掲げる権利を取得した者は、同項の許可を受けてこれらの権利を取得した場合、同項各号(第十二号及び第十六号を除く。)のいずれかに該当する場合その他農林水産省令で定める場合を除き、遅滞なく、農林水産省令で定めるところにより、その農地又は採草放牧地の存する市町村の農業委員会にその旨を届け出なければならない。


e-Gov 農地法

民法970条 秘密証書遺言

第970条 秘密証書によって遺言をするには、次に掲げる方式に従わなければならない。
 一 遺言者が、その証書に署名し、印を押すこと。
 二 遺言者が、その証書を封じ、証書に用いた印章をもってこれに封印すること。
 三 遺言者が、公証人一人及び証人二人以上の前に封書を提出して、自己の遺言書である旨並びにその筆者の氏名及び住所を申述すること。
 四 公証人が、その証書を提出した日付及び遺言者の申述を封紙に記載した後、遺言者及び証人とともにこれに署名し、印を押すこと。
 
2 第九百六十八条第三項の規定は、秘密証書による遺言について準用する。


e-Gov 民法

 

もう一歩先へ
秘密証書遺言では、遺言者の署名や押印は必要ですが、自筆で内容を記載することは要件となっていません。パソコンで印刷しても問題ありません。
もう一歩先へ 2項:

民法968条 自筆証書遺言

第968条 自筆証書によって遺言をするには、遺言者が、その全文、日付及び氏名を自書し、これに印を押さなければならない。
 
2 前項の規定にかかわらず、自筆証書にこれと一体のものとして相続財産(第九百九十七条第一項に規定する場合における同項に規定する権利を含む。)の全部又は一部の目録を添付する場合には、その目録については、自書することを要しない。この場合において、遺言者は、その目録の毎葉(自書によらない記載がその両面にある場合にあっては、その両面)に署名し、印を押さなければならない
 
3 自筆証書(前項の目録を含む。)中の加除その他の変更は、遺言者が、その場所を指示し、これを変更した旨を付記して特にこれに署名し、かつ、その変更の場所に印を押さなければ、その効力を生じない。


e-Gov 民法

 

もう一歩先へ 1項:
自筆証書遺言は封印がなくとも、自筆証書遺言の要件を満たしていれば、遺言書として有効です。封印のある遺言書は、家庭裁判所で相続人又はその代理人の立会いがなければ開封できないので、相続人の誰か一人は検認期日に出席する必要があります。封印されていない遺言書の場合なら、検認期日には申立人(遺言書の保管者)だけが出席していればかまいません。

cf. 民法1004条3項 遺言書の検認

また、押印は指印でもかまいません。

もう一歩先へ 2項:
民法改正により、施行日以後に自筆証書遺言と一体のものとして財産目録を添付する場合には、その目録については自書しなくてもよくなりました。その他の部分については、今まで通り全て自書しなければなりません。

参考 自筆証書遺言の方式(全文自書)の緩和方策として考えられる例@法務省

財産目録と自筆証書遺言を「一体」として添付する場合の方法については、特に定めがないため、財産目録の署名押印の他にも一体性を確保する手段として、契印をする方法、同一の封筒に入れて封緘する方法、遺言書を編綴する方法など、遺言書の考える適切な方法を選択することができます。

財産目録には各頁に署名押印を要求する以外には、特に定めていないので、例えば、土地について登記事項証明書を財産目録として添付することや、預貯金について通帳の写しを添付することもできます。 いずれの場合も、財産目録の各頁に署名押印する必要があります。

参考 参考資料:財産の特定に必要な事項について自書によらない加除訂正を認める場合の例@法務局

財産目録の「毎葉」に、署名とともに押印される印鑑は、必ずしも自筆証書遺言の本文に押印されている印鑑と同一ではなくとも、遺言者の印鑑であれば構いません。

「毎葉」とは、財産目録の全ての用紙という意味です。自書によらない記載が財産目録の片面にしかない場合には、その印刷面を避けて裏面に署名押印することもできます。

参考 自筆証書遺言に関するルールが変わります。@法務省
もう一歩先へ 3項:
遺言書の訂正方法が本条の方式を満たしていない場合は、遺言書自体が無効になるわけではありません。加除変更がなされなかったものとして扱われます。

訂正方法は、次のようになります。

  1. 訂正した場所を指示すること
  2. 訂正した旨を付記すること
  3. 付記部分に署名すること
  4. 訂正場所に印を押すこと

訂正印は、署名の際に用いた印鑑を使います。

参考 遺言書の訂正の方法に関する参考資料@法務省

財産目録を差し替える場合は、元の財産目録を斜線等で抹消し、その斜線上に訂正印を押し、新しい財産目録上に追加印を押し、本文が記載された紙面上に訂正文言を記載して、遺言者が署名します。

参考 参考資料:財産の特定に必要な事項について自書によらない加除訂正を認める場合の例@法務局
もう一歩先へ
cf. 最判平6・6・24(遺言無効確認) 全文

判示事項
 封筒の封じ目にされた押印により自筆証書遺言の押印の要件に欠けるところはないとされた事例

裁判要旨
 遺言者が、自筆証書遺言をするにつき書簡の形式を採ったため、遺言書本文の自署名下には押印をしなかったが、遺言書であることを意識して、これを入れた封筒の封じ目に押印したものであるなど原判示の事実関係の下においては、右押印により、自筆証書遺言の押印の要件に欠けるところはない。

もう一歩先へ
cf. 最判平5・10・19(遺言無効確認) 全文

判示事項
一 カーボン複写の方法によって記載された自筆の遺言と民法九六八条一項にいう「自書」の要件
二 二人の遺言が一通の証書につづり合わされている場合と民法九七五条

裁判要旨
 一 カーボン複写の方法によって記載された自筆の遺言は、民法九六八条一項にいう「自書」の要件に欠けるものではない。
二 一通の証書に二人の遺言が記載されている場合であっても、その証書が各人の遺言書の用紙をつづり合わせたもので、両者が容易に切り離すことができるときは、右遺言は、民法九七五条によって禁止された共同遺言に当たらない。

cf. 民法975条 共同遺言の禁止