第936条 相続人が数人ある場合には、家庭裁判所は、相続人の中から、相続財産の管理人を選任しなければならない。
2 前項の相続財産の管理人は、相続人のために、これに代わって、相続財産の管理及び債務の弁済に必要な一切の行為をする。
3 第九百二十六条から前条までの規定は、第一項の相続財産の管理人について準用する。この場合において、第九百二十七条第一項中「限定承認をした後五日以内」とあるのは、「その相続財産の管理人の選任があった後十日以内」と読み替えるものとする
民法940条 相続の放棄をした者による管理
民法952条 相続財産の清算人の選任
第952条 前条の場合には、家庭裁判所は、利害関係人又は検察官の請求によって、相続財産の清算人を選任しなければならない。
2 前項の規定により相続財産の清算人を選任したときは、家庭裁判所は、遅滞なく、その旨及び相続人があるならば一定の期間内にその権利を主張すべき旨を公告しなければならない。この場合において、その期間は、六箇月を下ることができない。
公布 2021(令和3)年4月28日
施行日 2023(令和5)年4月1日
例えば、被相続人から抵当権の設定を受けていても、被相続人の死亡時に登記がなければ他の相続債権者等に対して対抗できないことから、相続財産法人に対して抵当権設定登記手続を求めることはできません。 cf. 最判平11・1・21(根抵当権設定仮登記本登記手続) 全文
判示事項
被相続人から抵当権の設定を受けた相続債権者が相続財産法人に対して抵当権設定登記手続を請求することの可否
裁判要旨
相続債権者は、被相続人から抵当権の設定を受けていても、被相続人の死亡前に仮登記がされていた場合を除き、相続財産法人に対して抵当権設定登記手続を請求することができない。
cf. 家事事件手続法206条 即時抗告
cf. 所有者不明土地に関する特別措置法42条 所有者不明土地の管理に関する民法の特例
民法953条 不在者の財産の管理人に関する規定の準用
第953条 第二十七条から第二十九条までの規定は、前条第一項の相続財産の清算人(以下この章において単に「相続財産の清算人」という。)について準用する。
公布 2021(令和3)年4月28日
施行日 2023(令和5)年4月1日
民法954条 相続財産の清算人の報告
第954条 相続財産の清算人は、相続債権者又は受遺者の請求があるときは、その請求をした者に相続財産の状況を報告しなければならない。
公布 2021(令和3)年4月28日
施行日 2023(令和5)年4月1日
民法955条 相続財産法人の不成立
第955条 相続人のあることが明らかになったときは、第九百五十一条の法人は、成立しなかったものとみなす。ただし、相続財産の清算人がその権限内でした行為の効力を妨げない。
公布 2021(令和3)年4月28日
施行日 2023(令和5)年4月1日
民法956条 相続財産の清算人の代理権の消滅
第956条 相続財産の清算人の代理権は、相続人が相続の承認をした時に消滅する。
2 前項の場合には、相続財産の清算人は、遅滞なく相続人に対して清算に係る計算をしなければならない。
公布 2021(令和3)年4月28日
施行日 2023(令和5)年4月1日
民法957条 相続債権者及び受遺者に対する弁済
第957条 第九百五十二条第二項の公告があったときは、相続財産の清算人は、全ての相続債権者及び受遺者に対し、二箇月以上の期間を定めて、その期間内にその請求の申出をすべき旨を公告しなければならない。この場合において、その期間は、同項の規定により相続人が権利を主張すべき期間として家庭裁判所が公告した期間内に満了するものでなければならない。
2 第九百二十七条第二項から第四項まで及び第九百二十八条から第九百三十五条まで(第九百三十二条ただし書を除く。)の規定は、前項の場合について準用する。
公布 2021(令和3)年4月28日
施行日 2023(令和5)年4月1日
相続清算人としては、上記の公告を参考に必要事項や法律上定められている事項を記載することとなります。
善管注意義務を負っている相続財産清算人としては、消滅時効に関する時効期間の経過の有無を確認したうえで、個別の催告をする必要があります。 cf. 民法927条3項 相続債権者及び受遺者に対する公告及び催告
cf. 家事事件手続法208
cf. 家事事件手続法125条6項 管理者の改任等
cf. 民法644条 受任者の注意義務
民法958条 権利を主張する者がない場合
第958条 第九百五十二条第二項の期間内に相続人としての権利を主張する者がないときは、相続人並びに相続財産の清算人に知れなかった相続債権者及び受遺者は、その権利を行使することができない。
公布 2021(令和3)年4月28日
施行日 2023(令和5)年4月1日
判示事項
一 相続権確認訴訟の係属と右訴訟の当事者以外の者による相続申出についての民法九五八条の規定による公告期間の延長の有無
二 民法九五八条の規定による公告期間を徒過した相続人と特別縁故者に対する相続財産分与後の残余財産についての相続権の有無
裁判要旨
一 民法九五八条の規定による公告期間内に相続申出をした者につき相続権確認訴訟が係属していても、右訴訟の当事者以外の者による相続申出について該訴訟の確定まで右公告期間が延長されるものではない。
二 民法九五八条の規定による公告期間を徒過した相続人は、特別縁故者に対する相続財産分与後の残余財産についても相続権を有しない。
民法958条の2 特別縁故者に対する相続財産の分与
第958条の2 前条の場合において、相当と認めるときは、家庭裁判所は、被相続人と生計を同じくしていた者、被相続人の療養看護に努めた者その他被相続人と特別の縁故があった者の請求によって、これらの者に、清算後残存すべき相続財産の全部又は一部を与えることができる。
2 前項の請求は、第九百五十二条第二項の期間の満了後三箇月以内にしなければならない。
公布 2021(令和3)年4月28日
施行日 2023(令和5)年4月1日
しかしながら、特別縁故による相続財産分与を受けるには、家庭裁判所による分与を認める審判が必要です。また、相続税が課せられます。 cf. 労働基準法施行規則42条 遺族補償を受けるべき者
判示事項
相続財産分与の審判前に特別縁故者に当たると主張する者が提起した遺言無効確認の訴えと訴えの利益の有無
裁判要旨
民法九五八条の三第一項の規定による相続財産の分与の審判前に特別縁故者に当たると主張する者が提起した遺言無効確認の訴えは、訴えの利益を欠く。
