会社法29条 定款の相対的記載事項及び任意的記載事項

第29条 第二十七条各号及び前条各号に掲げる事項のほか、株式会社の定款には、この法律の規定により定款の定めがなければその効力を生じない事項及びその他の事項でこの法律の規定に違反しないものを記載し、又は記録することができる。


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発起設立募集設立 
  
cf. 会社法577条 持分会社の定款の記載又は記録事項

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任意的記載事項

「その他の事項でこの法律の規定に違反しないもの」

定款に定めればその範囲で内部の者を規制し、その事項を変更するには定款変更の手続によらなければなりません。

任意的記載事項の例

会社法939条 会社の公告方法

第939条 会社は、公告方法として、次に掲げる方法のいずれかを定款で定めることができる。
 一 官報に掲載する方法
 二 時事に関する事項を掲載する日刊新聞紙に掲載する方法
 三 電子公告
 
2 外国会社は、公告方法として、前項各号に掲げる方法のいずれかを定めることができる。 “会社法939条 会社の公告方法” の続きを読む

会社法908条 登記の効力

第908条 この法律の規定により登記すべき事項は、登記の後でなければ、これをもって善意の第三者に対抗することができない。登記の後であっても、第三者が正当な事由によってその登記があることを知らなかったときは、同様とする。
 
2 故意又は過失によって不実の事項を登記した者は、その事項が不実であることをもって善意の第三者に対抗することができない。


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もう一歩先へ 1項:
本条1項前段の反対解釈から、悪意の第三者に対しては、登記前であっても対抗することができます。
後段は、登記をすれば、原則として、相手が知らなくても対抗することができる、悪意擬制の規定。
もう一歩先へ 2項:
登記に公信力を認めた規定

民法653条 委任の終了事由

第653条 委任は、次に掲げる事由によって終了する。

 一 委任者又は受任者の死亡
 
 二 委任者又は受任者が破産手続開始の決定を受けたこと。
 
 三 受任者が後見開始の審判を受けたこと。


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cf. 民法111条 代理権の消滅事由
 

もう一歩先へ 一号:
任意規定なので、死後事務を委任する内容の契約をすることはできます。

死後事務委任契約の有効性については、最高裁平成4年9月22日判決(金法1358号55頁)が、委任者と受任者との間で、委任者の生前に結ばれた、病院への支払い、葬式を含む法要の施行とその費用の支払い、家政婦などに対する謝礼金の支払いを依頼する契約は、委任者の死亡によっても終了しない旨の判断を行っています。

委任する内容が法律行為ではない事務の委託である場合は、委任契約ではなく準委任契約となります。
この場合でも本条の規定は準用されるので、死後事務準委任契約も有効に契約することができます。

cf. 民法656条 準委任

改正前会社法331条 取締役の資格等

第331条 次に掲げる者は、取締役となることができない。
 一 法人
 二 成年被後見人若しくは被保佐人又は外国の法令上これらと同様に取り扱われている者
 三 この法律若しくは一般社団法人及び一般財団法人に関する法律(平成十八年法律第四十八号)の規定に違反し、又は金融商品取引法第百九十七条、第百九十七条の二第一号から第十号の三まで若しくは第十三号から第十五号まで、第百九十八条第八号、第百九十九条、第二百条第一号から第十二号の二まで、第二十号若しくは第二十一号、第二百三条第三項若しくは第二百五条第一号から第六号まで、第十九号若しくは第二十号の罪、民事再生法(平成十一年法律第二百二十五号)第二百五十五条、第二百五十六条、第二百五十八条から第二百六十条まで若しくは第二百六十二条の罪、外国倒産処理手続の承認援助に関する法律(平成十二年法律第百二十九号)第六十五条、第六十六条、第六十八条若しくは第六十九条の罪、会社更生法(平成十四年法律第百五十四号)第二百六十六条、第二百六十七条、第二百六十九条から第二百七十一条まで若しくは第二百七十三条の罪若しくは破産法(平成十六年法律第七十五号)第二百六十五条、第二百六十六条、第二百六十八条から第二百七十二条まで若しくは第二百七十四条の罪を犯し、刑に処せられ、その執行を終わり、又はその執行を受けることがなくなった日から二年を経過しない者 “改正前会社法331条 取締役の資格等” の続きを読む

会社法828条 会社の組織に関する行為の無効の訴え

第828条 次の各号に掲げる行為の無効は、当該各号に定める期間に、訴えをもってのみ主張することができる。
 一 会社の設立 会社の成立の日から二年以内
 二 株式会社の成立後における株式の発行 株式の発行の効力が生じた日から六箇月以内(公開会社でない株式会社にあっては、株式の発行の効力が生じた日から一年以内)
 三 自己株式の処分 自己株式の処分の効力が生じた日から六箇月以内(公開会社でない株式会社にあっては、自己株式の処分の効力が生じた日から一年以内) “会社法828条 会社の組織に関する行為の無効の訴え” の続きを読む

会社法831条 株主総会等の決議の取消しの訴え

第831条 次の各号に掲げる場合には、株主等(当該各号の株主総会等が創立総会又は種類創立総会である場合にあっては、株主等、設立時株主、設立時取締役又は設立時監査役)は、株主総会等の決議の日から三箇月以内に、訴えをもって当該決議の取消しを請求することができる。当該決議の取消しにより株主(当該決議が創立総会の決議である場合にあっては、設立時株主)又は取締役(監査等委員会設置会社にあっては、監査等委員である取締役又はそれ以外の取締役。以下この項において同じ。)、監査役若しくは清算人(当該決議が株主総会又は種類株主総会の決議である場合にあっては第三百四十六条第一項(第四百七十九条第四項において準用する場合を含む。)の規定により取締役、監査役又は清算人としての権利義務を有する者を含み、当該決議が創立総会又は種類創立総会の決議である場合にあっては設立時取締役(設立しようとする株式会社が監査等委員会設置会社である場合にあっては、設立時監査等委員である設立時取締役又はそれ以外の設立時取締役)又は設立時監査役を含む。)となる者も、同様とする。 “会社法831条 株主総会等の決議の取消しの訴え” の続きを読む

会社法834条 被告

第834条 次の各号に掲げる訴え(以下この節において「会社の組織に関する訴え」と総称する。)については、当該各号に定める者を被告とする。
 
 一 会社の設立の無効の訴え 設立する会社
 
 二 株式会社の成立後における株式の発行の無効の訴え(第八百四十条第一項において「新株発行の無効の訴え」という。) 株式の発行をした株式会社
 
 三 自己株式の処分の無効の訴え 自己株式の処分をした株式会社
 
 四 新株予約権の発行の無効の訴え 新株予約権の発行をした株式会社
 
 五 株式会社における資本金の額の減少の無効の訴え 当該株式会社
 
 六 会社の組織変更の無効の訴え 組織変更後の会社
 
 七 会社の吸収合併の無効の訴え 吸収合併後存続する会社 “会社法834条 被告” の続きを読む

会社法838条 認容判決の効力が及ぶ者の範囲

第838条 会社の組織に関する訴えに係る請求を認容する確定判決は、第三者に対してもその効力を有する。


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Y株式会社の株主Xが、Y株式会社の設立無効の訴えを提起し、その訴訟においてXの勝訴判決が確定すれば、XY間の訴訟に参加していなかった他の株主Zにも確定判決の効力は及びます(対世効)。

請求を棄却する確定判決については民事訴訟の原則(民事訴訟法115条1項)通りです。

cf. 民事訴訟法115条1項 確定判決等の効力が及ぶ者の範囲