税理士法49条 税理士会

第49条 税理士は、国税局の管轄区域ごとに、一の税理士会を設立しなければならない。
 
2 税理士会は、会員である税理士の数が財務省令で定める数を超える場合には、財務省令で定めるところにより、国税庁長官に対し、当該税理士会が設立されている区域内において新たに税理士会を設立することができる区域(以下「指定区域」という。)を定めることを請求することができる。
 
3 国税庁長官は、前項の規定による請求があつたときは、財務省令で定めるところにより、当該請求をした税理士会が設立されている区域内において指定区域を定めることができる。
 
4 前項の規定により指定区域が定められたときは、当該指定区域内に税理士事務所又は税理士法人の事務所の登録を受けた税理士は、当該指定区域に一の税理士会を設立することができる。
 
5 前項の規定により新たに税理士会が設立されたときは、その設立の時において、当該税理士会が設立された指定区域は第二項の規定による請求をした税理士会(以下この項において「前の税理士会」という。)が設立されていた区域から除かれるものとし、当該前の税理士会が設立されていた区域のうち当該指定区域以外の区域は第三項の規定により国税庁長官が定めたものとし、当該前の税理士会は前項の規定により設立されたものとする。
 
6 税理士会は、税理士及び税理士法人の使命及び職責にかんがみ、税理士及び税理士法人の義務の遵守及び税理士業務の改善進歩に資するため、支部(第四十九条の三第一項に規定する支部をいう。)及び会員に対する指導、連絡及び監督に関する事務を行うことを目的とする。
 
7 税理士会は、法人とする。
 
8 税理士会は、その名称中に税理士会という文字を用いなければならない。


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憲法26条 教育を受ける権利、教育の義務

第26条 すべて国民は、法律の定めるところにより、その能力に応じて、ひとしく教育を受ける権利を有する。
 
2 すべて国民は、法律の定めるところにより、その保護する子女に普通教育を受けさせる義務を負ふ。義務教育は、これを無償とする。


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修徳高校パーマ退学事件

cf. 最判平8・7・18(平成5(オ)340 高等学校卒業認定等) 全文

判示事項
 普通自動車運転免許の取得を制限しパーマをかけることを禁止する校則に違反するなどした私立高等学校の生徒に対する自主退学の勧告に違法があるとはいえないとされた事例

裁判要旨
 普通自動車運転免許の取得を制限し、パーマをかけることを禁止し、学校に無断で運転免許を取得した者に対しては退学勧告をする旨の校則を定めていた私立高等学校において、校則を承知して入学した生徒が、学校に無断で普通自動車運転免許を取得し、そのことが学校に発覚した際にも顕著な反省を示さず、三年生であることを特に考慮して学校が厳重注意に付するにとどめたにもかかわらず、その後間もなく校則に違反してパーマをかけ、そのことが発覚した際にも反省がないとみられても仕方のない態度をとったなど判示の事実関係の下においては、右生徒に対してされた自主退学の勧告に違法があるとはいえない。

憲法20条 信教の自由

第20条 信教の自由は、何人に対してもこれを保障する。いかなる宗教団体も、国から特権を受け、又は政治上の権力を行使してはならない。
 
2 何人も、宗教上の行為、祝典、儀式又は行事に参加することを強制されない。
 
3 国及びその機関は、宗教教育その他いかなる宗教的活動もしてはならない。


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憲法21条 集会・結社・表現の自由、通信の秘密

第21条 集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。
 
2 検閲は、これをしてはならない。通信の秘密は、これを侵してはならない。


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八幡製鉄事件

cf. 最大判昭45・6・24(昭和41(オ)444 取締役の責任追及請求) 全文

判示事項
 一、政治資金の寄附と会社の権利能力
 二、会社の政党に対する政治資金の寄附の自由と憲法三章
 三、商法二五四条ノ二の趣旨
 四、取締役が会社を代表して政治資金を寄附する場合と取締役の忠実義務

裁判要旨
 一、会社による政治資金の寄附は、客観的、抽象的に観察して、会社の社会的役割を果たすためになされたものと認められるかぎり、会社の権利能力の範囲に属する行為である。
 二、憲法三章に定める国民の権利および義務の各条項は、性質上可能なかぎり、内国の法人にも適用されるものであるから、会社は、公共の福祉に反しないかぎり、政治的行為の自由の一環として、政党に対する政治資金の寄附の自由を有する。
 三、商法二五四条ノ二の規定は、同法二五四条三項、民法六四四条に定める善管義務をふえんし、かつ、一層明確にしたにとどまり、通常の委任関係に伴う善管義務とは別個の、高度な義務を規定したものではない。
 四、取締役が会社を代表して政治資金を寄附することは、その会社の規模、経営実績その他社会的経済的地位および寄附の相手方など諸般の事情を考慮して、合理的な範囲内においてなされるかぎり、取締役の忠実義務に違反するものではない。

Un pas de plus ! もう一歩先へ 1項:

岐阜県青少年保護育成条例事件

cf. 最判平1・9・19(昭和62(あ)1462 岐阜県青少年保護育成条例違反) 全文

判示事項
 岐阜県青少年保護育成条例六条二項、六条の六第一項本文、二一条五号の規定と憲法二一条一項(補足意見がある)

裁判要旨
 有害図書の自動販売機への収納を禁止処罰する岐阜県青少年保護育成条例六条二項、六条の六第一項本文、二一条五号の規定は、憲法二一条一項に違反しない。

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寺西事件

cf. 最大決平10・12・1(平成10(分ク)1 裁判官分限事件の決定に対する即時抗告) 全文

判示事項
 一 裁判所法五二条一号にいう「積極的に政治運動をすること」の意義
 二 裁判官が積極的に政治運動をすることを禁止する裁判所法五二条一号と憲法二一条一項
 三 裁判官が積極的に政治運動をしたとされた事例
 四 裁判官が積極的に政治運動をしたことがその職務上の義務に違反するとして当該裁判官に対し戒告がされた事例
 五 裁判官分限事件への憲法八二条一項の適用の有無
 六 民事訴訟又は非訟の手続において期日に立ち会う代理人の数を制限することの可否

裁判要旨
 一 裁判所法五二条一号にいう「積極的に政治運動をすること」とは、組織的、計画的又は継続的な政治上の活動を能動的に行う行為であって裁判官の独立及び中立・公正を害するおそれがあるものをいい、具体的行為の該当性を判断するに当たっては、行為の内容、行為の行われるに至った経緯、行われた場所等の客観的な事情のほか、行為をした裁判官の意図等の主観的な事情をも総合的に考慮して決するのが相当である。
 二 裁判官が積極的に政治運動をすることを禁止する裁判所法五二条一号の規定は、憲法二一条一項に違反しない。
 三 裁判官が、その取扱いが政治的問題となっていた法案を廃案に追い込もうとする党派的な運動の一環として開かれた集会において、会場の一般参加者席から、裁判官であることを明らかにした上で、「当初、この集会において、盗聴法と令状主義というテーマのシンポジウムにパネリストとして参加する予定であったが、事前に所長から集会に参加すれば懲戒処分もあり得るとの警告を受けたことから、パネリストとしての参加は取りやめた。自分としては、仮に法案に反対の立場で発言しても、裁判所法に定める積極的な政治運動に当たるとは考えないが、パネリストとしての発言は辞退する。」との趣旨の発言をした行為は、判示の事実関係の下においては、右集会の参加者に対し、右法案が裁判官の立場からみて令状主義に照らして問題のあるものであり、その廃案を求めることは正当であるという同人の意見を伝えるものというべきであり、右集会の開催を決定し右法案を廃案に追い込むことを目的として共同して行動している諸団体の組織的、計画的、継続的な反対運動を拡大、発展させ、右目的を達成させることを積極的に支援しこれを推進するものであって、裁判所法五二条一号が禁止している「積極的に政治運動をすること」に該当する。
 四 裁判官が積極的に政治運動をしたことは、裁判所法四九条所定の懲戒事由である職務上の義務違反に該当し、当該行為の内容、その後の態度等判示の事情にかんがみれば、当該裁判官を戒告することが相当である。
 五 裁判官分限事件には、憲法八二条一項は適用されない。
 六 民事訴訟又は非訟の手続を主宰する裁判所は、その手続を円滑に進行させるために与えられた指揮権に基づいて、期日を開く場所の収容能力、当該期日に予定されている手続の内容、裁判所の法廷警察権ないし指揮権行使の難易等を考慮して、必要かつ相当な場合には、期日に立ち会う代理人の数を合理的と認められる限度にまで制限することができる。

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cf. 最判平18・3・23(平成15(オ)422 損害賠償請求事件) 全文

判示事項
 1 監獄法46条2項と憲法21条,14条1項
 2 刑務所長が受刑者の新聞社あての信書の発信を不許可としたことが国家賠償法1条1項の適用上違法となるとされた事例

裁判要旨
 1 監獄法46条2項は,具体的事情の下で,受刑者のその親族でない者との間の信書の発受を許すことにより監獄内の規律及び秩序の維持,受刑者の身柄の確保,受刑者の改善,更生の点において放置することのできない程度の障害が生ずる相当のがい然性があると認められるときに限り,この障害の発生防止のために必要かつ合理的な範囲においてのみ上記信書の発受の制限が許されることを定めたものとして,憲法21条,14条1項に違反しない。
 2 刑務所長が受刑者の新聞社あての信書の発信を不許可としたことは,刑務所長が,具体的事情の下で,上記信書の発信を許すことにより刑務所内の規律及び秩序の維持,受刑者の身柄の確保,受刑者の改善,更生の点において放置することのできない程度の障害が生ずる相当のがい然性があるかどうかについて考慮していないこと,上記信書が,国会議員に対して送付済みの請願書等の取材等を求める旨の内容を記載したものであり,その発信を許すことによって刑務所内に上記の障害が生ずる相当のがい然性があるということができないことなど判示の事情の下においては,裁量権の範囲を逸脱し,又は裁量権を濫用したものとして,国家賠償法1条1項の適用上違法となる。

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猿払事件

cf. 最大判昭49・11・6(昭和44(あ)1501 国家公務員法違反) 全文

判示事項
 一、国家公務員法一〇二条一項、人事院規則一四―七・五項三号、六項一三号による特定の政党を支持する政治的目的を有する文書の掲示又は配布の禁止と憲法二一条
 二、国家公務員法一一〇条一項一九号の罰則と憲法三一条
 三、国家公務員法一一〇条一項一九号の罰則と憲法二一条
 四、国家公務員法一〇二条一項における人事院規則への委任の合憲性
 五、国家公務員法一〇二条一項、人事院規則一四―七・五項三号、六項一三号の禁止に違反する文書の掲示又は配布に同法一一〇条一項一九号の罰則を適用することが憲法二一条、三一条に違反しないとされた事例

裁判要旨
 一、国家公務員法一〇二条一項、人事院規則一四―七・五項三号、六項一三号による特定の政党を支持する政治的目的を有する文書の掲示又は配布の禁止は、憲法二一条に違反しない。
 二、国家公務員法一一〇条一項一九号の罰則は、憲法三一条に違反しない。
 三、国家公務員法一一〇条一項一九号の罰則は、憲法二一条に違反しない。
 四、国家公務員法一〇二条一項における人事院規則への委任は、同法八二条による懲戒処分及び同法一一〇条一項一九号による刑罰の対象となる政治的行為の定めを一様に人事院規則に委任しているからといって、憲法に違反する立法の委任ということはできない。
 五、国家公務員法一〇二条一項、人事院規則一四―七・五項三号、六項一三号の禁止に違反する本件の文書の掲示又は配布(判文参照)に同法一一〇条一項一九号の罰則を適用することは、たとえその掲示又は配布が、非管理職の現業公務員であって、その職務内容が機械的労務の提供にとどまるものにより、勤務時間外に、国の施設を利用することなく、職務を利用せず又はその公正を害する意図なく、かつ、労働組合活動の一環として行われた場合であつても、憲法二一条、三一条に違反しない。

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堀越事件

cf. 最判平24・12・7(平成22(あ)762 国家公務員法違反被告事件) 全文

判示事項
 1 国家公務員法102条1項にいう「政治的行為」の意義
 2 人事院規則14−7第6項7号,13号に掲げる政治的行為の意義
 3 国家公務員法(平成19年法律第108号による改正前のもの)110条1項19号,国家公務員法102条1項,人事院規則14−7第6項7号,13号による政党の機関紙の配布及び政治的目的を有する文書の配布の禁止と憲法21条1項,31条
 4 国家公務員法102条1項,人事院規則14−7第6項7号,13号により禁止された政党の機関紙の配布及び政治的目的を有する文書の配布に当たらないとされた事例

裁判要旨
 1 国家公務員法102条1項の「政治的行為」とは,公務員の職務の遂行の政治的中立性を損なうおそれが,観念的なものにとどまらず,現実的に起こり得るものとして実質的に認められる政治的行為をいう。
 2 人事院規則14−7第6項7号,13号に掲げる政治的行為は,それぞれが定める行為類型に文言上該当する行為であって,公務員の職務の遂行の政治的中立性を損なうおそれが実質的に認められるものをいう。
 3 国家公務員法(平成19年法律第108号による改正前のもの)110条1項19号,国家公務員法102条1項,人事院規則14−7第6項7号,13号による政党の機関紙の配布及び政治的目的を有する文書の配布の禁止は,憲法21条1項,31条に違反しない。
 4 管理職的地位になく,その職務の内容や権限に裁量の余地のない一般職国家公務員が,職務と全く無関係に,公務員により組織される団体の活動としての性格を有さず,公務員による行為と認識し得る態様によることなく行った本件の政党の機関紙及び政治的目的を有する文書の配布は,公務員の職務の遂行の政治的中立性を損なうおそれが実質的に認められるものとはいえず,国家公務員法102条1項,人事院規則14−7第6項7号,13号により禁止された行為に当たらない。
(1〜4につき補足意見,1,2,4につき意見がある。)

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宇治橋事件

cf. 最判平24・12・7(平成22(あ)957  国家公務員法違反被告事件) 全文

判示事項
 1 国家公務員法(平成19年法律第108号による改正前のもの)110条1項19号,国家公務員法102条1項,人事院規則14−7第6項7号による政党の機関紙の配布の禁止と憲法21条1項,15条,19条,31条,41条,73条6号
 2 国家公務員法102条1項,人事院規則14−7第6項7号により禁止された政党の機関紙の配布に当たるとされた事例

裁判要旨
 1 国家公務員法(平成19年法律第108号による改正前のもの)110条1項19号,国家公務員法102条1項,人事院規則14−7第6項7号による政党の機関紙の配布の禁止は,憲法21条1項,15条,19条,31条,41条,73条6号に違反しない。
 2 管理職的地位にあり,その職務の内容や権限に裁量権のある一般職国家公務員が行った本件の政党の機関紙の配布は,それが,勤務時間外に,国ないし職場の施設を利用せず,公務員としての地位を利用することなく,公務員により組織される団体の活動としての性格を有さず,公務員による行為と認識し得る態様によることなく行われたものであるとしても,当該公務員及びその属する行政組織の職務の遂行の政治的中立性が損なわれるおそれが実質的に認められ,国家公務員法102条1項,人事院規則14−7第6項7号により禁止された行為に当たる。
(1,2につき補足意見,2につき反対意見がある。)

憲法28条 勤労者の団結権

第28条 勤労者の団結する権利及び団体交渉その他の団体行動をする権利は、これを保障する。


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国労広島地本事件

cf. 最判昭50・11・28(昭和48(オ)498 組合費請求) 全文

判示事項
 一、労働組合の組合費が月額で定めらている場合と月の途中で脱退した組合員の納付義務の範囲
 二、公共企業体等の労働組合が公共企業体等労働関係法一七条一項違反の争議行為の実施費用として徴収する臨時組合費と組合員の納付義務
 三、公共企業体等の労働組合が公共企業体等労働関係法一七条一項違反の争議行為により不利益処分を受けた組合員の救援費用として徴収する臨時組合費と組合員の納付義務

裁判要旨
 一、労働組合の組合費が月を単位として月額で定められている場合には、月の途中で脱退した組合員は、特別の規定又は慣行等のないかぎり、その月の組合費の全額を納付する義務を免れない。
 二、公共企業体等の労働組合が公共企業体等労働関係法一七条一項違反の争議行為実施の費用として臨時組合費の徴収を決定しても、原則として組合員を拘束するものではないが、右徴収決定の時点において単に将来の情況いかんによつては違法な争議行為の費用にあてられるかも知れないという程度の未必的可能性があるにとどまる場合、又は違法な争議行為が組合の行う闘争活動の一部にすぎず、闘争全体としては違法性のない行為を主に計画、遂行されるものであつて、その闘争費用が一体として徴収される場合には、組合員はこれを納付する義務を負う。
 三、公共企業体等の労働組合がその実施した公共企業体等労働関係一七条一項違反の争議行為により民事上又は刑事上の不利益処分を受けた組合員を救援する費用として徴収する臨時組合費については、組合員はこれを納付する義務を負う。

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全農林警職法事件

cf. 最大判昭48・4・25(昭和43(あ)2780 国家公務員法違反) 全文

判示事項
 一、国家公務員法(昭和四〇年法律第六九号による改正前のもの)九八条五項、一一〇条一項一七号の合憲性
 二、国家公務員法(昭和四〇年法律第六九号による改正前のもの)一一〇条一項一七号にいう「あおり」および「企て」の意義
 三、国家公務員法(昭和四〇年法律第六九号による改正前のもの)九八条五項、一一〇条一項一七号の法意
 四、政治的目的のための争議行為と憲法二八条

裁判要旨
 一 国家公務員法(昭和四〇年法律第六九号による改正前のもの)九八条五項、一一〇条一項一七号は憲法二八条に、国家公務員法(昭和四〇年法律第六九号による改正前のもの)一一〇条一項一七号は憲法一八条、二一条、三一条に違反しない。
 二 国家公務員法(昭和四〇年法律第六九号による改正前のもの)一一〇条一項一七号にいう「あおり」とは、同法九八条五項前段に規定する違法行為を実行させる目的をもつて、他人に対し、その行為を実行する決意を生じさせるような、または、すでに生じている決意を助長させるような勢いのある刺激を与えることをいい、「企て」とは、右違法行為を共謀し、そそのかし、または、あおる行為の遂行を計画準備することであつて、違法行為発生の危険性が具体的に生じたと認めうる状態に達したものをいう。
 三 国家公務員法(昭和四〇年法律第六九号による改正前のもの)九八条五項、一一〇条一項一七号は、公務員の争議行為のうち同法によつて違法とされるものとされないものとを区別し、さらに違法とされる争議行為についても違法性の強いものと弱いものとを区別したうえ、刑事制裁を科さるのはそのうち違法性の強い争議行為に限るものとし、あるいは、あおり行為等につき、争議行為の企画、共謀、説得、慫慂、指令等を争議行為にいわゆる通常随伴するものとして争議行為自体と同一視し、これを刑事制裁の対象から除くものとする趣旨ではない。
 四 私企業の労働者であると、公務員を含むその他の勤労者であるとを問わず、使用者に対する経済的地位の向上の要請とは直接関係のない警察官職務執行法の改正に対する反対のような政治的目的のために争議行為を行なうことは、憲法二八条とは無関係なものである。

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岩手教組学テ事件

cf. 最大判昭51・5・21(昭和44(あ)1275 地方公務員法違反、道路交通法違反) 全文

判示事項
 一、地方公務員法三七条一項、六一条四号の合憲性
 二、地方公務員法六一条四号の法意
 三、昭和三六年度全国中学校一せい学力調査実施のため中学校に赴こうとするテスト立会人らを道路上で阻止した行為につき道路交通法一二〇条一項九号、七六条四項二号の罪の成立を否定した原判決が刑訴法四一一条一号にあたるとされた事例

裁判要旨
 一、地方公務員法三七条一項は憲法二八条に、地方公務員法六一条四号は憲法一八条、二八条に違反しない。
 二、地方公務員法六一条四号は、地方公務員の争議行為に違法性の強いものと弱いものとを区別して前者のみが右法条にいう争議行為にあたるものとし、また、右争議行為の遂行を共謀し、そそのかし、又はあおる等の行為のうちいわゆる争議行為に通常随伴する行為を刑事制裁の対象から除外する趣旨と解すべきではない。
 三、昭和三六年度全国中学校一せい学力調査実施のため中学校に赴こうとするテスト立会人らを道路上で阻止した本件行為(判文参照)につき、道路交通法一二〇条一項九号、七六条四項二号に該当するとしながら、正当な団体行動権の行使にあたることを理由に違法性が阻却されるとした原判決は、法令の解釈適用を誤り、かつ、これを破棄しなければ著しく正義に反する場合にあたる。

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全逓名古屋中郵事件

cf. 最大判昭52・5・4(昭和44(あ)2571 郵便法違反幇助、建造物侵入、公務執行妨害) 全文

判示事項
 一、公共企業体等労働関係法一七条一項と憲法二八条
 二、公共企業体等労働関係法一七条一項違反の争議行為と労働組合法一条二項の適用
 三、公共企業体等労働関係法一七条一項違反の争議行為と刑事法上の処罰阻却
 四、郵政職員の争議行為に参加を呼びかけた行為が郵便法七九条一項の罪の幇助罪による処罰を阻却されないとされた事例
 五、公共企業体等労働関係法一七条一項違反の争議行為に際しこれに付随して行われた犯罪構成要件該当行為について違法性阻却事由の有無を判断する一般的基準
 六、公共企業体等労働関係法一七条一項違反の争議行為に際しこれに付随して行われた建造物侵入行為が刑法上の違法性を欠くものではないとされた事例

裁判要旨
 一 公共企業体等労働関係法一七条一項は、憲法二八条に違反しない。
 二 公共企業体等労働関係法一七条一項違反の争議行為には、労働組合法一条二項の適用はない。
 三 公共企業体等労働関係法一七条一項違反の争議行為が犯罪構成要件に該当し、違法性があり、責任がある場合であつても、それが同盟罷業、怠業その他単なる労務不提供のような不作為を内容とするものであつて、同条項が存在しなければ正当な争議行為として処罰を受けることのないようなものであるときには、争議行為の単純参加者に限り、その罰則による処罰を阻却される。
 四 郵政職員が争議行為として行つた勤務時間内二時間の職場大会に参加を呼びかけた本件行為は、郵便法七九条一項の罪の幇助罪による処罰を阻却されない。
 五 公共企業体等労働関係法一七条一項違反の争議行為に際しこれに付随して行われた犯罪構成要件該当行為について違法性阻却事由の有無を判断するにあたつては、その行為が同条項違反の争議行為に際しこれに付随して行われたものであるという事実を含めて、行為の具体的状況その他諸般の事情を考慮に入れ、それが法秩序全体の見地から許容されるべきものであるか否かを考察しなければならない。
 六 公共企業体等労働関係法一七条一項違反の争議行為に参加を呼びかけるため行われた本件建造物侵入行為は、刑法上の違法性を欠くものではない。

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全逓東京中郵事件

cf. 最大判昭41・10・26(昭和39(あ)296 郵便法違反教唆) 全文

判示事項
 一 公共企業体等労働関係法第一七条第一項の合憲性
 二 公共企業体等労働関係法第一七条第一項違反の争議行為と労働組合法第一条第二項の適用

裁判要旨
 一 公共企業体等労働関係法第一七条第一項は、憲法第一一条、第一四条、第一八条、第二五条、第二八条、第三一条、第九八条に違反しない。
 二 公共企業体等労働関係法第一七条第一項に違反してなされた争議行為にも、労働組合法第一条第二項の適用がある。

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都教組事件

cf. 最大判昭44・4・2(昭和41(あ)401 地方公務員法違反) 全文

判示事項
 一 地方公務員法三七条六一条四号の合憲性
 二 地方公務員法六一条四号の適用が許されないとされた事例

裁判要旨
 一 地方公務員法三七条は憲法二八条に、地方公務員法六一条四号は憲法二八条、三一条、一八条に違反しない。
 二 A教職員組合が、文部省の企図した公立学校教職員に対する勤務評定の実施に反対するため、一日の一せい休暇闘争を行なうにあたり、被告人らが組合の幹部としてした闘争指令の配布、趣旨伝達等、争議行為に通常随伴する行為に対しては、地方公務員法六一条四号所定の刑事罰をもつてのぞむことは許されない。

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全司法仙台事件

cf. 最大判昭44・4・2(昭和41(あ)1129 国家公務員法違反、住居侵入) 全文

判示事項
 一 国家公務員法(昭和四〇年法律第六九号による改正前のもの、以下同じ)九八条五項一一〇条一項一七号の合憲性
 二 国家公務員法一一〇条一項一七号にいう同法九八条五項前段の違法な行為の遂行をあおつた罪が成立するとされた事例
 三 日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約(昭和三五年六月二三日条約第六号、以下新安保条約という)は違憲であることが明白か

裁判要旨
 一 国家公務員法九八条五項、一一〇条一項一七号は憲法二八条、前文、一一条、九七条、一八条に、国家公務員法一一〇条一項一七号は憲法二一条、三一条に違反しない。
 二 A労組B支部が、新安保条約に反対するため、勤務時間内にくいこむ職場大会を開催するにあたり、裁判所職員でなく、かつまた裁判所職員の団体に関係もない被告人甲らと、裁判所職員であり、同支部執行委員長の職にあつた被告人乙とが共謀のうえ、同支部分会役員に対し右職場大会への参加協力を要求し、または裁判所職員に対し右職場大会への参加をしようようしたときは、甲らおよび乙は、いずれも国家公務員法一一〇条一項一七号にいう同法九八条五項前段に規定する違法な行為の遂行をあおつた者にあたる。
 三 新安保条約は、憲法九条、九八条二項および前文の趣旨に反して違憲であることが明白であるとは認められない。

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cf. 最判平12・3・17(平成7(行ツ)132 懲戒処分取消請求事件) 全文

判示事項
 人事院勧告の完全実施等の要求を掲げて行われたストライキに関与したことを理由としてされた農林水産省職員らに対する停職六月ないし三月の各懲戒処分が裁量権の範囲を逸脱したものとはいえないとされた事例

裁判要旨
 昭和五七年度の人事院勧告の不実施を契機としてその完全実施等の要求を掲げて行われたストライキに関与したことを理由としてされた農林水産省職員らに対する停職六月ないし三月の各懲戒処分は、右ストライキが当局の事前警告を無視して二度にわたり敢行された大規模なものであり、右職員らが、右ストライキを指令した労働組合の幹部としてその実施に指導的な役割を果たし、過去に停職、減給等の懲戒処分を受けた経歴があるなどの原判示の事実関係の下においては、著しく妥当性を欠き懲戒権者の裁量権の範囲を逸脱したものとはいえない。
(補足意見がある。)

憲法15条 公務員選定罷免権、公務員の本質、普通選挙の保障、秘密投票の保障

第15条 公務員を選定し、及びこれを罷免することは、国民固有の権利である。
 
2 すべて公務員は、全体の奉仕者であつて、一部の奉仕者ではない。
 
3 公務員の選挙については、成年者による普通選挙を保障する。
 
4 すべて選挙における投票の秘密は、これを侵してはならない。選挙人は、その選択に関し公的にも私的にも責任を問はれない。


e-Gov 憲法

Un pas de plus ! もう一歩先へ 1項:
cf. 最判平7・2・28(平成5(行ツ)163 選挙人名簿不登録処分に対する異議の申出却下決定取消) 全文

判示事項
 日本国民たる住民に限り地方公共団体の議会の議員及び長の選挙権を有するものとした地方自治法一一条、一八条、公職選挙法九条二項と憲法一五条一項、九三条二項

裁判要旨
 日本国民たる住民に限り地方公共団体の議会の議員及び長の選挙権を有するものとした地方自治法一一条、一八条、公職選挙法九条二項は、憲法一五条一項、九三条二項に違反しない。

Un pas de plus ! もう一歩先へ 2項:

政令201号事件、弘前機関区事件

cf. 最大判昭28・4・8(昭和24(れ)685 昭和二三年政令第二〇一号違反) 全文

判示事項
 一 昭和二〇年勅令第五四二号と日本国憲法との関係
 二 昭和二三年政令第二〇一号は昭和二〇年勅令第五四二号に基く命令か
 三 (イ)昭和二三年七月二二日付連合国最高司令官の内閣総理大臣宛書簡は連合国最高司令官の要求といえるか。
 四 (ロ)昭和二〇年勅令第五四二号に基く命令を発し得るのは国会の議決を求めるいとまのない場合に限るか。
 五 (ハ)書簡にいわゆる公務員の意義。
 六 (ニ)政令第二〇一号が当時係属中の国又は地方公共団体を当事者とする労働争議の斡旋、調停または仲裁に関する手続を中止したことは書簡の要求範囲を逸脱したものといえるか。
 七 (ホ)政令第二〇一号が公務員の団体交渉権を禁止しながらその労働条件の改善について別途の措置を講ずるとしたことは書簡の要求範囲を逸脱したものといえるか。
 八 昭和二三年政令第二〇一号と憲法第二八条。
 九 昭和二三年政令第二〇一号と憲法第一八条。
 一〇 昭和二三年政令第二〇一号と憲法第二五条。
 一一 昭和二三年政令第二〇一号第二条第一項にいわゆる争議手段にあたる一事例。
 一二 昭和二三年政令第二〇一号と労働組合法、労働関係調整法との関係。
 一三 昭和二三年一二月三日法律第二二二号国家公務員法の一部を改正する法律附則第八条の意味。
 一四 昭和二三年政令第二〇一号にいわゆる業務の運営能率を阻害する行為の意義。

裁判要旨
 一 昭和二〇年勅令第五四二号は日本国憲法にかかわりなく憲法外において法的効力を有する。
 二 昭和二三年政令第二〇一号は昭和二〇年勅令第五四二号に基く命令である。
 三 (イ)書簡は連合国最高司令官の要求である。
 四 (ロ)昭和二〇年勅令第五四二号に基く命令を発し得るのは国会の議決に求めるいとものない場合に限らない。
 五 (ハ)書簡にいわゆる公務員とは高級官僚のみならず下級官僚及び現場官庁従業員をも意味する。
 六 (ニ)政令第二〇一号が当時係属中の国または地方公共団体を当事者とする労働争議の斡旋、調停または仲裁に関する手続を中止すると規定しても書簡の要求範囲を逸脱したものではない。
 七 (ホ)政令第二〇一号が公務員の団体交渉権を禁止しながらその労働条件の改善について別途の措置を講ずるとしたことは書簡の要求範囲を逸脱したものではない。
 八 昭和二三年政令第二〇一号は憲法第二八条に違反しない。
 九 昭和二三年政令第二〇一号は憲法第一八条に違反しない。
 一〇 公務員がその争議行為を禁止されたからとてその当然の結果として健康で文化的な最低限度の生活を営むことができなくなるというわけのものではないから、本件政令が憲法二五条に違反するという主張も採用し難い。
 一一 被告人等の所属するA組合B支部C機関区分会が国家公務員法反対、五二〇〇円ベース即時実施、芦田内閣打倒等の項目を掲げて闘争方針を定めかつ又機関区の職員が庫内手や機関車乗務員の劣悪な待遇の改善に関する政府の冷淡な態度に対し被告人等の当然の権利を奪還するため、あるいは憲法、ポツダム宣言に違反し団体交渉権を奪う政令第二〇一号の無効なものであるとの主張を掲げ、政府に対し右主張を貫徹するため、その闘争手段として、職場を離脱した場合は政令第二〇一号第二条第一項の争議手段にあたる。
 一二 昭和二三年政令第二〇一号は労働組合法、労働関係調整法にかかわりなく有効である。
 一三 昭和二三年法律第二二二号国家公務員法の一部を改正すう法律附則第八条は、国鉄従業員が日本国有鉄道法、公共企業体労働関係法が施行され国鉄従業員が公務員たる身分を喪い且つその争議行為について罰則の規定がなくなつても国家公務員たる身分を有していた当時の政令第二〇一号第一項違反行為に対する罰則の適用については依然として同令第三条によるという意味である。
 一四 昭和二三年政令第二〇一号に業務の運営能率を阻害する行為というのは具体的結果の発生を必要とするものでなく争議手段としてなされた行為が国または地方公共団体の業務の運営能率を阻害する危験性あるものであれば足りる。

Un pas de plus ! もう一歩先へ 2項:

全農林警職法事件

cf. 最大判昭48・4・25(昭和43(あ)2780 国家公務員法違反) 全文

判示事項
 一、国家公務員法(昭和四〇年法律第六九号による改正前のもの)九八条五項、一一〇条一項一七号の合憲性
 二、国家公務員法(昭和四〇年法律第六九号による改正前のもの)一一〇条一項一七号にいう「あおり」および「企て」の意義
 三、国家公務員法(昭和四〇年法律第六九号による改正前のもの)九八条五項、一一〇条一項一七号の法意
 四、政治的目的のための争議行為と憲法二八条

裁判要旨
 一 国家公務員法(昭和四〇年法律第六九号による改正前のもの)九八条五項、一一〇条一項一七号は憲法二八条に、国家公務員法(昭和四〇年法律第六九号による改正前のもの)一一〇条一項一七号は憲法一八条、二一条、三一条に違反しない。
 二 国家公務員法(昭和四〇年法律第六九号による改正前のもの)一一〇条一項一七号にいう「あおり」とは、同法九八条五項前段に規定する違法行為を実行させる目的をもつて、他人に対し、その行為を実行する決意を生じさせるような、または、すでに生じている決意を助長させるような勢いのある刺激を与えることをいい、「企て」とは、右違法行為を共謀し、そそのかし、または、あおる行為の遂行を計画準備することであつて、違法行為発生の危険性が具体的に生じたと認めうる状態に達したものをいう。
 三 国家公務員法(昭和四〇年法律第六九号による改正前のもの)九八条五項、一一〇条一項一七号は、公務員の争議行為のうち同法によつて違法とされるものとされないものとを区別し、さらに違法とされる争議行為についても違法性の強いものと弱いものとを区別したうえ、刑事制裁を科さるのはそのうち違法性の強い争議行為に限るものとし、あるいは、あおり行為等につき、争議行為の企画、共謀、説得、慫慂、指令等を争議行為にいわゆる通常随伴するものとして争議行為自体と同一視し、これを刑事制裁の対象から除くものとする趣旨ではない。
 四 私企業の労働者であると、公務員を含むその他の勤労者であるとを問わず、使用者に対する経済的地位の向上の要請とは直接関係のない警察官職務執行法の改正に対する反対のような政治的目的のために争議行為を行なうことは、憲法二八条とは無関係なものである。

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特別権力関係理論によって公務員の人権に対する制約を正当化した最高裁判所の判決

cf. 最判昭32・5・10(昭和29(オ)973 懲戒免職処分取消請求) 全文

判示事項
 公務員の懲戒処分と懲戒権者の裁量権

裁判要旨
 公務員の懲戒権者が懲戒処分を発動するかどうか、懲戒処分のうちいずれの処分を選ぶべきかを決定することは、その処分が全く事実上の根拠に基かないと認められる場合であるか、もしくは社会観念上著しく妥当を欠き懲戒権者に任された裁量権の範囲を超えるものと認められる場合を除き、懲戒権者の裁量に任されているものと解するのが相当である。