憲法28条 勤労者の団結権

第28条 勤労者の団結する権利及び団体交渉その他の団体行動をする権利は、これを保障する。


e-Gov 憲法

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国労広島地本事件

cf. 最判昭50・11・28(昭和48(オ)498 組合費請求) 全文

判示事項
 一、労働組合の組合費が月額で定めらている場合と月の途中で脱退した組合員の納付義務の範囲
 二、公共企業体等の労働組合が公共企業体等労働関係法一七条一項違反の争議行為の実施費用として徴収する臨時組合費と組合員の納付義務
 三、公共企業体等の労働組合が公共企業体等労働関係法一七条一項違反の争議行為により不利益処分を受けた組合員の救援費用として徴収する臨時組合費と組合員の納付義務

裁判要旨
 一、労働組合の組合費が月を単位として月額で定められている場合には、月の途中で脱退した組合員は、特別の規定又は慣行等のないかぎり、その月の組合費の全額を納付する義務を免れない。
 二、公共企業体等の労働組合が公共企業体等労働関係法一七条一項違反の争議行為実施の費用として臨時組合費の徴収を決定しても、原則として組合員を拘束するものではないが、右徴収決定の時点において単に将来の情況いかんによつては違法な争議行為の費用にあてられるかも知れないという程度の未必的可能性があるにとどまる場合、又は違法な争議行為が組合の行う闘争活動の一部にすぎず、闘争全体としては違法性のない行為を主に計画、遂行されるものであつて、その闘争費用が一体として徴収される場合には、組合員はこれを納付する義務を負う。
 三、公共企業体等の労働組合がその実施した公共企業体等労働関係一七条一項違反の争議行為により民事上又は刑事上の不利益処分を受けた組合員を救援する費用として徴収する臨時組合費については、組合員はこれを納付する義務を負う。

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全農林警職法事件

cf. 最大判昭48・4・25(昭和43(あ)2780 国家公務員法違反) 全文

判示事項
 一、国家公務員法(昭和四〇年法律第六九号による改正前のもの)九八条五項、一一〇条一項一七号の合憲性
 二、国家公務員法(昭和四〇年法律第六九号による改正前のもの)一一〇条一項一七号にいう「あおり」および「企て」の意義
 三、国家公務員法(昭和四〇年法律第六九号による改正前のもの)九八条五項、一一〇条一項一七号の法意
 四、政治的目的のための争議行為と憲法二八条

裁判要旨
 一 国家公務員法(昭和四〇年法律第六九号による改正前のもの)九八条五項、一一〇条一項一七号は憲法二八条に、国家公務員法(昭和四〇年法律第六九号による改正前のもの)一一〇条一項一七号は憲法一八条、二一条、三一条に違反しない。
 二 国家公務員法(昭和四〇年法律第六九号による改正前のもの)一一〇条一項一七号にいう「あおり」とは、同法九八条五項前段に規定する違法行為を実行させる目的をもつて、他人に対し、その行為を実行する決意を生じさせるような、または、すでに生じている決意を助長させるような勢いのある刺激を与えることをいい、「企て」とは、右違法行為を共謀し、そそのかし、または、あおる行為の遂行を計画準備することであつて、違法行為発生の危険性が具体的に生じたと認めうる状態に達したものをいう。
 三 国家公務員法(昭和四〇年法律第六九号による改正前のもの)九八条五項、一一〇条一項一七号は、公務員の争議行為のうち同法によつて違法とされるものとされないものとを区別し、さらに違法とされる争議行為についても違法性の強いものと弱いものとを区別したうえ、刑事制裁を科さるのはそのうち違法性の強い争議行為に限るものとし、あるいは、あおり行為等につき、争議行為の企画、共謀、説得、慫慂、指令等を争議行為にいわゆる通常随伴するものとして争議行為自体と同一視し、これを刑事制裁の対象から除くものとする趣旨ではない。
 四 私企業の労働者であると、公務員を含むその他の勤労者であるとを問わず、使用者に対する経済的地位の向上の要請とは直接関係のない警察官職務執行法の改正に対する反対のような政治的目的のために争議行為を行なうことは、憲法二八条とは無関係なものである。

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岩手教組学テ事件

cf. 最大判昭51・5・21(昭和44(あ)1275 地方公務員法違反、道路交通法違反) 全文

判示事項
 一、地方公務員法三七条一項、六一条四号の合憲性
 二、地方公務員法六一条四号の法意
 三、昭和三六年度全国中学校一せい学力調査実施のため中学校に赴こうとするテスト立会人らを道路上で阻止した行為につき道路交通法一二〇条一項九号、七六条四項二号の罪の成立を否定した原判決が刑訴法四一一条一号にあたるとされた事例

裁判要旨
 一、地方公務員法三七条一項は憲法二八条に、地方公務員法六一条四号は憲法一八条、二八条に違反しない。
 二、地方公務員法六一条四号は、地方公務員の争議行為に違法性の強いものと弱いものとを区別して前者のみが右法条にいう争議行為にあたるものとし、また、右争議行為の遂行を共謀し、そそのかし、又はあおる等の行為のうちいわゆる争議行為に通常随伴する行為を刑事制裁の対象から除外する趣旨と解すべきではない。
 三、昭和三六年度全国中学校一せい学力調査実施のため中学校に赴こうとするテスト立会人らを道路上で阻止した本件行為(判文参照)につき、道路交通法一二〇条一項九号、七六条四項二号に該当するとしながら、正当な団体行動権の行使にあたることを理由に違法性が阻却されるとした原判決は、法令の解釈適用を誤り、かつ、これを破棄しなければ著しく正義に反する場合にあたる。

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全逓名古屋中郵事件

cf. 最大判昭52・5・4(昭和44(あ)2571 郵便法違反幇助、建造物侵入、公務執行妨害) 全文

判示事項
 一、公共企業体等労働関係法一七条一項と憲法二八条
 二、公共企業体等労働関係法一七条一項違反の争議行為と労働組合法一条二項の適用
 三、公共企業体等労働関係法一七条一項違反の争議行為と刑事法上の処罰阻却
 四、郵政職員の争議行為に参加を呼びかけた行為が郵便法七九条一項の罪の幇助罪による処罰を阻却されないとされた事例
 五、公共企業体等労働関係法一七条一項違反の争議行為に際しこれに付随して行われた犯罪構成要件該当行為について違法性阻却事由の有無を判断する一般的基準
 六、公共企業体等労働関係法一七条一項違反の争議行為に際しこれに付随して行われた建造物侵入行為が刑法上の違法性を欠くものではないとされた事例

裁判要旨
 一 公共企業体等労働関係法一七条一項は、憲法二八条に違反しない。
 二 公共企業体等労働関係法一七条一項違反の争議行為には、労働組合法一条二項の適用はない。
 三 公共企業体等労働関係法一七条一項違反の争議行為が犯罪構成要件に該当し、違法性があり、責任がある場合であつても、それが同盟罷業、怠業その他単なる労務不提供のような不作為を内容とするものであつて、同条項が存在しなければ正当な争議行為として処罰を受けることのないようなものであるときには、争議行為の単純参加者に限り、その罰則による処罰を阻却される。
 四 郵政職員が争議行為として行つた勤務時間内二時間の職場大会に参加を呼びかけた本件行為は、郵便法七九条一項の罪の幇助罪による処罰を阻却されない。
 五 公共企業体等労働関係法一七条一項違反の争議行為に際しこれに付随して行われた犯罪構成要件該当行為について違法性阻却事由の有無を判断するにあたつては、その行為が同条項違反の争議行為に際しこれに付随して行われたものであるという事実を含めて、行為の具体的状況その他諸般の事情を考慮に入れ、それが法秩序全体の見地から許容されるべきものであるか否かを考察しなければならない。
 六 公共企業体等労働関係法一七条一項違反の争議行為に参加を呼びかけるため行われた本件建造物侵入行為は、刑法上の違法性を欠くものではない。

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全逓東京中郵事件

cf. 最大判昭41・10・26(昭和39(あ)296 郵便法違反教唆) 全文

判示事項
 一 公共企業体等労働関係法第一七条第一項の合憲性
 二 公共企業体等労働関係法第一七条第一項違反の争議行為と労働組合法第一条第二項の適用

裁判要旨
 一 公共企業体等労働関係法第一七条第一項は、憲法第一一条、第一四条、第一八条、第二五条、第二八条、第三一条、第九八条に違反しない。
 二 公共企業体等労働関係法第一七条第一項に違反してなされた争議行為にも、労働組合法第一条第二項の適用がある。

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都教組事件

cf. 最大判昭44・4・2(昭和41(あ)401 地方公務員法違反) 全文

判示事項
 一 地方公務員法三七条六一条四号の合憲性
 二 地方公務員法六一条四号の適用が許されないとされた事例

裁判要旨
 一 地方公務員法三七条は憲法二八条に、地方公務員法六一条四号は憲法二八条、三一条、一八条に違反しない。
 二 A教職員組合が、文部省の企図した公立学校教職員に対する勤務評定の実施に反対するため、一日の一せい休暇闘争を行なうにあたり、被告人らが組合の幹部としてした闘争指令の配布、趣旨伝達等、争議行為に通常随伴する行為に対しては、地方公務員法六一条四号所定の刑事罰をもつてのぞむことは許されない。

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全司法仙台事件

cf. 最大判昭44・4・2(昭和41(あ)1129 国家公務員法違反、住居侵入) 全文

判示事項
 一 国家公務員法(昭和四〇年法律第六九号による改正前のもの、以下同じ)九八条五項一一〇条一項一七号の合憲性
 二 国家公務員法一一〇条一項一七号にいう同法九八条五項前段の違法な行為の遂行をあおつた罪が成立するとされた事例
 三 日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約(昭和三五年六月二三日条約第六号、以下新安保条約という)は違憲であることが明白か

裁判要旨
 一 国家公務員法九八条五項、一一〇条一項一七号は憲法二八条、前文、一一条、九七条、一八条に、国家公務員法一一〇条一項一七号は憲法二一条、三一条に違反しない。
 二 A労組B支部が、新安保条約に反対するため、勤務時間内にくいこむ職場大会を開催するにあたり、裁判所職員でなく、かつまた裁判所職員の団体に関係もない被告人甲らと、裁判所職員であり、同支部執行委員長の職にあつた被告人乙とが共謀のうえ、同支部分会役員に対し右職場大会への参加協力を要求し、または裁判所職員に対し右職場大会への参加をしようようしたときは、甲らおよび乙は、いずれも国家公務員法一一〇条一項一七号にいう同法九八条五項前段に規定する違法な行為の遂行をあおつた者にあたる。
 三 新安保条約は、憲法九条、九八条二項および前文の趣旨に反して違憲であることが明白であるとは認められない。

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cf. 最判平12・3・17(平成7(行ツ)132 懲戒処分取消請求事件) 全文

判示事項
 人事院勧告の完全実施等の要求を掲げて行われたストライキに関与したことを理由としてされた農林水産省職員らに対する停職六月ないし三月の各懲戒処分が裁量権の範囲を逸脱したものとはいえないとされた事例

裁判要旨
 昭和五七年度の人事院勧告の不実施を契機としてその完全実施等の要求を掲げて行われたストライキに関与したことを理由としてされた農林水産省職員らに対する停職六月ないし三月の各懲戒処分は、右ストライキが当局の事前警告を無視して二度にわたり敢行された大規模なものであり、右職員らが、右ストライキを指令した労働組合の幹部としてその実施に指導的な役割を果たし、過去に停職、減給等の懲戒処分を受けた経歴があるなどの原判示の事実関係の下においては、著しく妥当性を欠き懲戒権者の裁量権の範囲を逸脱したものとはいえない。
(補足意見がある。)